目次
- 「鹿児島タウン」の歴史を知る魅力のスポット巡り
- 市内を走る「路面電車」と市内を見渡す大観覧車「AMURAN」
- 鹿児島県内で唯一の水族館「いおワールドかごしま水族館」
- 鹿児島市を代表する観光スポットを巡るバス「カゴシマシティビュー」
- 終焉の地に立つ「西郷隆盛銅像」
- ラジオ体操と朝日を楽しむ「城山」
- 明治日本の産業革命遺産「尚古集成館」
- 薩摩の殿様と姫君が愛した庭園「仙巌園」
- 仙巌園の見どころ1:御殿
- 仙巌園の見どころ2:御殿前
- 仙巌園の見どころ3:反射炉跡
- 仙巌園の見どころ4:仙巌園茶寮
- 仙巌園の見どころ5:両棒餅屋
- 仙巌園の見どころ6:土産処 島津のれん
- 島津薩摩切子ギャラリーショップ「磯工芸館」
- 島津家の歴代を祀る「鶴嶺神社」
- 和洋折衷の建築「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」
- 星座のアートも見どころ。鹿児島一の繁華街「天文館商店街」
- おいしいせんべろ体験!「Li-Kaの屋台横丁」
- 荒々しく美しい、地球の神秘に触れる「桜島」
- 乗るも見るも楽しい「桜島フェリー」
- 桜島をイメージしたメニューが楽しい「MINATO Cafe」
- 湯之平展望所
- 地元の恵みに出会う。道の駅「桜島」火の鳥めぐみ館
- 2種のおみくじが可愛い「月讀神社」
- 大正噴火の大きさを物語る「黒神埋没鳥居」
- 桜島らしい絶景が望める「有村溶岩展望所」
- 鹿児島Colors:4組のフォトグラファーが出かけた4つの鹿児島の旅
- コハラタケル プロフィール
「鹿児島タウン」の歴史を知る魅力のスポット巡り
市内を走る「路面電車」と市内を見渡す大観覧車「AMURAN」
100年以上の歴史を持つ「路面電車」は、市内を旅するなら一度は乗りたい鹿児島の走る顔。約7分間隔で走っているので待ち時間もほとんどなく、観光にも便利です。
車両タイプはいろいろあります。新しいタイプは広くて乗り心地もいいですが、のんびり旅なら、古いタイプのものに揺られて、懐かしい気持ちになるのも楽しい。
ベンチのフォントにも、歴史を感じます。ゆっくり進みながら、鹿児島タウンを巡る旅がスタートです。
鹿児島中央駅では「市電・駅ビル・観覧車」の3つが揃う、珍しい光景を楽しんで。
それぞれの位置・大きさのバランスもよく、すべてを均等に見渡すことができる、印象的な光景です。
「AMURAN(アミュラン)」と名づけられたこの観覧車は、複合商業ビルであるアミュプラザ鹿児島のシンボル的存在。
街と桜島が一望でき、それらとの一体感や迫力を体感できるので、市電に乗る前に体験するのもおすすめです。
大観覧車AMURAN(アミュラン) 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市中央町1番地1
<TEL>099-812-7700
<営業時間>平日 12:00~19:45
土日祝 10:00~19:45
<休業日>年中無休
<駐車場>アミュプラザ鹿児島駐車場
料金
大人 500円
JQ CARD会員(大人)400円
小人(3歳以上高校生以下)300円
1ゴンドラ 1,200円
※5歳以下は保護者同伴
行き方・アクセス
<車>「鹿児島IC」から約5分
<電車>市電「鹿児島中央駅前」から徒歩17分
鹿児島県内で唯一の水族館「いおワールドかごしま水族館」
鹿児島のシンボル「桜島」を眼前に仰ぐロケーションが自慢の「いおワールドかごしま水族館」。南国鹿児島の海の生きものを中心に約500種3万点が展示されている人気の水族館です。
1F正面入口から2Fに向かうエスカレーターは、海の中をイメージした壁面の演出が素晴らしく、深海まで潜ったような気持ちに。
2Fにある、世界最大の魚ジンベエザメやカツオ・マグロなどが群泳する黒潮大水槽は圧巻!タイミングが合えば、ジンベエザメが食事をするシーンにも遭遇できます。黒潮大水槽から、色鮮やかな熱帯魚と生きたサンゴ類を展示する「南西諸島の海」へ向かう通路は天井まで水槽で覆われているので、水面のゆらめきも楽しんで。
5Fには展望ホールがあり、桜島を目の前に見ることができます。
1F→2F→4F→5F→4F→3F→2F→1Fという順番で回るのが観覧ルート。「うみうし研究所」や「鹿児島の深海」など、ここでしか出会えない展示がたくさんあります。ついつい撮りすぎてしまう、クラゲが気持ちよさそうに泳ぐ「クラゲ回廊」も見どころの1つです。
観客も参加できるイベントプログラム「いるかの時間」は、イルカについての知識クイズもあり、子どもたちが興味津々のプログラム。その他にも、ジンベエザメやゴマフアザラシ、デンキウナギの食事解説やガイドツアーなど、イベントが充実しています。
鹿児島県唯一の水族館で、南国らしい魚たちに出会いませんか?
いおワールドかごしま水族館 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市本港新町3-1
<TEL>099-226-2233
<営業時間>9:30 ~ 18:00(入館は17:00まで)
※GW、夏休みの土日祝日・お盆等は21:00まで
<休館日>12月の第1月曜日から4日間
<駐車場>県営第1・第2・第3駐車場 1時間まで無料(1時間を超えると1時間毎に200円)
入館料
大人(高校生以上)1,500円
小人(小・中学生)750円
幼児(4歳以上)350円
行き方・アクセス
<電車>市電「水族館口駅」から徒歩8分
<車>「薩摩吉田IC」または「鹿児島北IC」から約20分
<バス>「かごしま水族館前」停留所から徒歩3分
鹿児島市を代表する観光スポットを巡るバス「カゴシマシティビュー」
市電と並び、市内観光で欠かせない移動手段である観光地循環バス「カゴシマシティビュー」。赤と緑のレトロなデザインが施されたシティビューは、クラシックで非日常感満点。内装はあたたかみのある木材が使用され、安らげる空間が広がります。もちろん窓はどの席も大きめですが、後部の展望席は特に大きいのでおすすめです。
鹿児島市を代表する観光スポットを巡ってくれるうえ、1日乗車券を購入すれば乗り降り自由。8時台~17時台まで約30分間隔で運行しているので、行きたいところを回ることができます。
海とイルカをイメージした2種類のブルー系のシティビューも運行しているので、デザイン違いの車両との出会いも楽しんで。
カゴシマシティビュー 乗車料
全コース乗車1回当たり大人 190円
小学生以下 100円
※一日乗車券は大人600円・小学生以下300円
※夜景コースは、夜景コース専用の一日乗車券、大人200円・小学生以下100円も利用可能。
夜景コース乗車時に車内にて購入
終焉の地に立つ「西郷隆盛銅像」
日本人なら誰もが知っているであろう薩摩藩士「西郷どん」こと西郷隆盛。明治維新に最大の功績を残しながら、政府の職を突然辞めて鹿児島に帰郷。その後、西南戦争で新政府軍と戦い敗北、この城山で自刃しました。没後50年祭記念として造られたのがこの「西郷隆盛銅像」です。制作者は東京・渋谷にある忠犬ハチ公像と同じ、鹿児島市出身の彫刻家、安藤照。高さ8m、8年の歳月をかけて昭和12年に完成したものです。
道路を挟んだところに撮影スポットが設けられており、愛犬の像も一緒に写真撮影を行うことができます。
西郷隆盛銅像 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市城山町4-36
<TEL>099-298-5111(観光交流センター)
<駐車場>無し
行き方・アクセス
<電車>市電「朝日通駅」から徒歩8分
<バス>「金生町」停留所から徒歩8分/カゴシマシティビュー「西郷銅像前」停留所からすぐ
ラジオ体操と朝日を楽しむ「城山」
鹿児島市街地の中心部に位置する標高107mの小高い山「城山」。約600種の温帯・亜熱帯性植物が自生する自然の宝庫です。西南戦争の最後の激戦地となった場所でもあり、西郷洞窟や西郷終焉の地などの史跡も多く存在。昭和6年に国の天然記念物及び史跡の指定を受けました。
展望台からは、鹿児島の市街地を一望することができ、錦江湾、桜島が一枚のフレームにきっちり収まります。
市民の憩いの場にもなっている城山ですが、展望台では朝6:30頃からラジオ体操が行われており、無料で誰でも参加することが可能です。
ラジオ体操に向かう道では「おはようございます!」と、地元の人たちが旅人にもあいさつをしてくれます。
夜景の美しさも有名ですが、錦江湾から昇る朝日も城山展望台の見どころの1つ。ラジオ体操をしてから拝む朝日。朝日に照らされた木々。特別な1日が始まる予感です。
城山公園(展望台・自然遊歩道)基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市城山町
<TEL>099-298-5111(観光交流センター)
<駐車場>あり(無料)行き方・アクセス
<車>「鹿児島北IC」から約15分
<バス>鹿児島中央駅からカゴシマシティビュー・まち巡りバスで約25分、
「城山」停留所すぐ
明治日本の産業革命遺産「尚古集成館」
「尚古集成館(ショウコシュウセイカン)」の本館は、現存する日本最古の洋式工場建築物。1865年に建てられ、金属加工や蒸気機関の修理などを行っていました。2015年に「明治日本の産業革命遺産」の 構成資産として、世界文化遺産に登録。外観や内部の基本構造は西洋風ですが、西洋の建築者が作ったとは思えない梁などが存在しています。また、レンガの代わりに幕末薩摩藩の建築物でよく見られる溶結凝灰岩が使われているのが大きな特徴です。
現在は、島津家の歴史や近代化事業を紹介する博物館として、江戸時代に作られた 薩摩切子や、日本人が撮影した最古の銀板写真(複製)、工場として稼働していた当時の機械 など、島津家伝来の資料を中心に収蔵・展示しています。
残念ながら2022年から耐震工事のため館内の見学はできませんが、歴史ある建物は一見の価値ありです。
尚古集成館 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市吉野町9698‐1
<TEL>099-247-1511
<営業時間>年中無休 9:00 ~ 17:00
※かごしまマラソン開催日を除く
<駐車場>あり 500台 料金300円
入場料(仙巌園と共通)
大人(高校生以上)1,000円
小中学生 500円
行き方・アクセス
<車>「鹿児島中央駅」から約20分/「桜島フェリー桟橋」から約10分
<バス>カゴシマシティビュー・まち巡りバス「仙巌園前」停留所からすぐ
薩摩の殿様と姫君が愛した庭園「仙巌園」
島津家別邸「仙巌園(せんがんえん)」は鹿児島にある、日本を代表する大名庭園であり、鹿児島を代表する観光名所。なんと広さは東京ドーム1個分もあります。
島津家19代光久によって築かれた島津家の別邸で、入口から早速、〇のなかに十の字が書かれた島津家の家紋が。なお、薩摩芋が別名「まるじゅう」と呼ばれるのは、この島津家の家紋からです。
仙巌園の見どころ1:御殿
島津家歴代に受け継がれてきた「御殿」は、1884年に改築された部屋を中心に、当時の3分の1が残されています。29代忠義が1日の大半を過ごしていた御居間は、庭園全体を最も美しく見られる部屋です。
御殿では「釘隠探し」の楽しみも。「釘隠」とは、長押(なげし)と柱を組み合わせる時に打った釘の頭を隠すために用いる飾りのことで、御殿内に11種類あります。こちらは薩摩焼で「薩摩大根」をデザインしたもの。
琉球を通じて中国貿易を行っていた島津家にふさわしく、仙巌園には中国文化の影響が見られることも特徴です。
仙巌園の見どころ2:御殿前
こちらは、御殿の前にある庭から桜島を見た光景です。
仙巌園には、他の大名庭園のような築山や大きな池がありません。それは、雄大な桜島を築山に、錦江湾を池に見立てているから。スケール、敷地の大きさを物語るエピソードです。
仙巌園の見どころ3:反射炉跡
大砲の砲身を造るための「金属溶解反射炉跡」も、庭園内で見ることができます。壁に熱を反射させて鉄を溶かす仕組みで、直接、炎で溶かすよりも不純物が入りづらいという、オランダの技術書をもとに建設されたもの。薩英戦争で破壊されたため、現存するのは基礎部分のみです。
仙巌園の見どころ4:仙巌園茶寮
園内にある「仙巌園茶寮」は、ランチや休憩におすすめの、心安らぐ和風カフェです。
ランチには、薩摩地鶏のガラから丁寧に取った澄んだスープを使用した、限定15食の「鶏飯ランチ」を。また、上生菓子・飛龍頭(ひりゅうず)・軽羹(かるかん)がお茶屋さんの縁台に見立てた赤い毛氈の上に載った「3種のお菓子と抹茶セット」も、とても可愛くておすすめです。
もう1つ。鹿児島発祥の氷菓子「白くま」もお忘れなく。仙巌園茶寮のメニュー名は"さりょくま(茶寮の白くま)"。ふわふわのカキ氷に色とりどりのフルーツと練乳、冷たくて甘い鹿児島の名物を堪能してください。
仙巌園の見どころ5:両棒餅屋
薩摩武士に愛された両棒餅(ぢゃんぼもち)を食しに「両棒餅屋」へ。
仙巌園の名物でもある両棒餅は、2本の串がささった一口大のお餅です。これは、武士が腰に大小の刀を2本さす姿からきていると伝えられています。
とても軽い口あたりなので、食事のあとでも食べられます。
仙巌園の見どころ6:土産処 島津のれん
仙巌園のお土産探しは「土産処 島津のれん」で。かるかん、鹿児島茶、黒酢など、島津家と薩摩にゆかりの深い銘菓や名品が揃っています。
黒いお皿に載っているのは、鹿児島の名菓「かるかん」のお饅頭タイプのもの。こけしのような人形は「オッのコンボ」という不思議な名前が付けられた、鹿児島に伝わる幸福の守り神。色によって幸運の種類が違います。
赤色は家内安全、黄色は 金運、白は美しさを願って。小さくて可愛く、自分用にも知り合いへのお土産にもぴったり。
「指宿 長太郎焼」のロックグラスや、焼酎、薩摩火酒などもおすすめです。
仙巌園 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
<TEL>099-247-1551
<営業時間>9:00~ 17:00
※仙巌園茶寮:9:00 ~ 17:00(16:30オーダーストップ)
<休業日>年中無休
※かごしまマラソン開催日を除く
<駐車場>あり 300円
入場料(尚古集成館共通)
大人(高校生以上)1,000円
小中学生 500円
御殿見学料
大人(高校生以上)500円
小中学生 250円
行き方・アクセス
<車>「鹿児島中央駅」から約20分/「桜島フェリー桟橋」から約10分
<バス>カゴシマシティビュー・まち巡りバス「仙巌園前」停留所からすぐ
島津薩摩切子ギャラリーショップ「磯工芸館」
島津薩摩切子の直営店で、薩摩の工芸品が並ぶギャラリーショップ「磯工芸館」。尚古集成館のとなりにあります。
建物は、国の登録有形文化財に指定された洋館で、併設の工場では、鮮やかな色彩と繊細なカットが特徴の薩摩切子の製造工程を見学できます。
薩摩ガラスは、島津家27代斉興の時代に、江戸のガラス師を薩摩に招き生まれたもの。続く、28代斉彬は薩摩切子を日本の特産品とすべく腐心しましたが、斉彬の死と共に衰退し、西南戦争のころに途絶えてしまいました。約100年後に、残された島津家の資料などから復元が試みられ、1985年に鹿児島県の協力のもと、現代へ蘇ることに。
島津斉彬の時代に、日本初の発色に成功したガラスは「薩摩の紅ガラス」と呼ばれ、暗紅色のなかに透明感も併せ持つ「銅赤」は、薩摩切子を代表する色となりました。見る角度によって透明感や赤色が変わるので、ぜひ実物で体験してみて。磯工芸館には、100万円を超える商品もあります。
島津薩摩切子ギャラリーショップ 磯工芸館 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市吉野町9688-24
<TEL>099-247-8490
<営業時間>9:00~17:00
<休業日>3月第1日曜日(鹿児島マラソン開催日)
<駐車場>あり (無料)
行き方・アクセス
<車>「鹿児島中央駅」から約20分/「桜島フェリー桟橋」から約10分
<バス>カゴシマシティビュー・まち巡りバス「仙巌園前」停留所からすぐ
島津家の歴代を祀る「鶴嶺神社」
仙巌園に隣接する「鶴嶺神社(つるがねじんじゃ)」には、島津家歴代とその家族が祀られています。この神社の御祭神のひとりである亀寿姫(かめじゅひめ)は、豊臣家に人質にとらわれた際に秀吉が驚いたほどの美貌で、さらに心優しく賢明だったことから、鶴嶺神社をお参りにすると心身ともに美しくなるとも言われている噂のスポット。「美人御守り」もお土産に人気です。
こちらの神社でも、ところどころに、島津家の家紋を見つけることができます。
鶴嶺神社 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市吉野町9698‐2
<TEL>099-247-1551
<駐車場>あり 料金300円
行き方・アクセス
<車>「鹿児島中央駅」から約20分/「桜島フェリー桟橋」から約10分
<バス>カゴシマシティビュー・まち巡りバス「仙巌園前」停留所からすぐ
和洋折衷の建築「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」
日本初の洋式紡績工場である鹿児島紡績所を造った際に、イギリスから招いた技師たち用の宿舎が「旧鹿児島紡績所技師館」です。1867年に建てられた、日本で最も初期の洋風木造建築の代表的なもので、コロニアル様式のベランダや日本の寸法による設計など和洋折衷の建築様式が特徴です。
国の重要文化財に指定されており、2015年には「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産・旧集成館の建造物の1つとして、世界文化遺産に登録されました。
館内には当時を物語る資料や写真も展示されていて、遠く異国へやってきたイギリス人技師たちの暮らしぶりが想像できます。入口側の2Fの窓の外には、当時と変わらず、桜島がその姿をのぞかせています。
星座のアートも見どころ。鹿児島一の繁華街「天文館商店街」
「天文館商店街」は、全部で42の通りが作り上げてきた鹿児島で一番の繁華街。2kmに及ぶアーケード、モール、歓楽街と大きく3つに分かれています。
天文館の大きな特徴であるアーチ型のアーケードは、雨や日差しを避けるだけではなく、桜島の降灰対策の役目も担っています。
「天文館」は正式な地名ではありません。江戸時代に、第25代薩摩藩首の島津重豪が、天文観測所として作った「明時館」の別名「天文館」がその名前の由来です。
大正時代までは静かな寂しい場所でしたが、昭和初期に路面電車が開通、映画館や劇場が開館し、鹿児島一の繁華街へ。鹿児島の人々は親しみをもって「天文館」「天街(てんまち)」と呼んでいます。
アーケード街では、天井や床にも注目して。ところどころに星座のアートが描かれています。
市電「いづろ通り」停留所から見えるのは、宝暦元年(1751年)創業以来、鹿児島の人に愛されてきた「山形屋」。ルネッサンス調の外観が目印の伝統あるふるさとのデパートで、鹿児島が育んだ「味」と「工芸品」など郷土の特産品が揃います。
歴史ある外観の建物とレトロな市電の相性も抜群。天文館で見るべき、絵になる光景です。
天文館商店街 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市東千石町
<駐車場>周辺にあり
行き方・アクセス
<電車>市電「天文館電停」から徒歩10分
<車>「鹿児島IC」から約10分/「鹿児島北IC」から約15分/「鹿児島港」から5分
おいしいせんべろ体験!「Li-Kaの屋台横丁」
鹿児島に来る「来鹿」で「Li-Ka1920(らいかいちきゅうにーまる)」と名づけられ、2021年6月にグランドオープンした、新しい情報発信型の商業施設。
ここには、7店舗の飲食店が立ち並ぶ屋台横丁があり、千円でおいしいおつまみとドリンクが飲め“べろべろ”になれる「せんべろ」体験をすることができます。
せんべろができるのは、12時~18時(17時半最終入店)。7店舗すべてで、ドリンク3杯+おつまみ1品を1000円で楽しむことができます。
また、週末には横丁の入口で、鹿児島各地の焼酎蔵元が週代わりで焼酎をふるまう「焼酎ふるまい」というイベントも実施しています。
2020年に惜しまれながら閉村した屋台村を引きつぐような、新しい屋台横丁。鹿児島中央駅からすぐなので、旅の始まりに、旅の終わりに、旅の途中に、何度でも楽しみたくなる鹿児島グルメです。
Li-Ka1920 屋台横丁 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市中央町19-40 1F
<TEL>050-5494-4921
<営業時間>11:30 ~ 23:30(ドリンク L.O.23:00)
※ランチ:11:30~ 14:00 せんべろ:14:00~ 18:00 ディナー:18:00 ~ 23:30(ドリンク L.O.23:00)
<休業日>不定休
<駐車場>Li-Ka南国パーキング 収容台数226台 100円/30分
行き方・アクセス
<電車>市電「高見橋駅」から徒歩3分/ JR「鹿児島中央駅」から徒歩4分
<車>「鹿児島IC」から約10分/「鹿児島北IC」から約15分
<バス>「鹿児島中央駅前」停留所から徒歩1分
荒々しく美しい、地球の神秘に触れる「桜島」
乗るも見るも楽しい「桜島フェリー」
桜島への移動は、全国的にも珍しい24時間運航の「桜島フェリー」で。約15分で鹿児島港から桜島港に到着します。
フェリー乗り場で最初に目を引くのは通路の赤色の鉄骨です。落とす影も幾何学的で美しく、ここを通ると船に乗って島に渡る気持ちがなぜだか高まります。
フェリー乗り場の前にある駐車場からは、錦江湾と桜島、停車中のフェリーが見渡せるので、ここで一度ゆっくりして、停車中のフェリーを眺めたり撮影したりするのがおすすめです。フェリーは日中、20分おきに出ているので、次の便に乗船するくらいの余裕をもったスケジュールを組んでみて。
フェリーは真横や斜めからも美しいけれど、桜島へ向かっている姿をずっと見ていると縦に見える(桜島と垂直になる)瞬間が。移り変わる光景に自分なりの発見を組み合わせながら、ベストショットを探してみるのも旅の楽しさです。
フェリー×桜島×錦江湾が一枚絵のように馴染んでいて、心地よい光景が広がります。
乗船する前の通路途中にあるこんな小部屋をのぞいてワクワクするのも、男性ひとり旅の醍醐味。
船内はレトロな造りで、ソファー・磨りガラス・手すりなど、ときめくポイントがいっぱいあります。ただの移動手段ではなく、楽しみに溢れるフェリー旅です。
鹿児島港フェリーターミナル 基本データ
<住所> 鹿児島市本港新町4-1
<TEL>099-223-7271 (桜島フェリー鹿児島港乗船券販売所)
<営業時間>24時間
<休業日>年中無休
<駐車場>
県営有料駐車場 1時間まで無料。以後、1時間毎に200円
※自動車での乗船も可能
乗船料
大人 200円
小児(1歳~小学生) 100円
障害者等(手帳掲示必要) 大人 100円、小児 50円
行き方・アクセス
<電車>
JR「鹿児島駅」から徒歩7分
市電「水族館口」から徒歩5分
桜島をイメージしたメニューが楽しい「MINATO Cafe」
桜島の玄関口、桜島フェリーターミナルの中にあるカフェ「MINATO cafe」では、桜島をイメージした、フォトジェニックなカフェメニューやランチを楽しめます。
こちらは「桜島カレー」。桜島のマグマをイメージした赤みがかったルーは、数種類のスパイスや完熟トマトをじっくり煮込んで作った特製のルーで、野菜の甘みを感じられるやさしい味わい!サラダや手作りのお惣菜もワンプレートに盛り込まれています。セットのドリンクには、小みかん紅茶のアイスを選択。すっきりした味わいでカレーとの相性抜群です。
カフェに併設されている、旅とモノと暮らしをつなぐストア「SAKURAJIMA TRAVEL STORE」ではお土産探しを。おすすめは、ツバキ油を使った商品たち。
火山灰に負けない椿は桜島の特産品で、食用や化粧用、ハンドクリームやネイルオイルなど、さまざまな種類が並んでいます。
MINATO Cafe 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市桜島横山町61−4
<TEL>099-293-2550
<営業時間>11:00~ 15:00
<休業日>第3水曜
<駐車場>あり
行き方・アクセス
<船>「桜島港フェリーターミナル」から徒歩で約1分
湯之平展望所
桜島で最も高い場所にある360度パノラマの「湯之平展望所」は、桜島の北岳4合目、標高373mに位置する、一般の人が立ち入りできる最高地点。桜島の展望所の中でも、最も高いところにある、島内一の景勝地です。
錦江湾の向こうには鹿児島市街地が広がり、霧島連山や開聞岳まで一望できる日も。
展望所には、隠れハートが7つあるので、ゆっくり探してみるのも楽しい。桜島に来たら必ず訪れたいスポットの1つです。
湯之平展望所 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市桜島小池町1025
<TEL>099-298-5111(観光交流センター)
<営業時間>展望所は見学自由
※売店は9:00 ~ 17:00
<休業日>年中無休
<駐車場>あり
行き方・アクセス
<船>「桜島フェリーターミナル」から車で約15分
<バス>「湯之平展望所」停留所からすぐ
地元の恵みに出会う。道の駅「桜島」火の鳥めぐみ館
道の駅「桜島」火の鳥めぐみ館は、活火山のふもとという大迫力のロケーションにある全国でも珍しい道の駅です。
バラエティ豊かな品ぞろえで、ここでしか買えないものもたくさん。
世界で一番小さいであろうと言われる「桜島小みかん」は、手のひらに3つは載ってしまいそうな小粒感。
地方発送もできるので、荷物を気にすることなく、現地で吟味した桜島の味を自宅や友人に届けられます。
天井や、可愛い桜島小みかんと桜島大根のキャラクターが描かれている入口のマットなどもチェックして!
目の前には小さな畑もあり、実際に育てている桜島小みかんと桜島大根の姿を見られるのも嬉しい。桜島大根の立派な葉っぱに驚きます。
桜島大根の収穫時期は通常1月~2月ですが、火の鳥めぐみ館で植え付けた桜島大根は、5月頃まで展示されているので、成長や変化を長く観察できます。
道の駅「桜島」火の鳥めぐみ館 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市桜島横山町1722-48
<TEL>099-245-2011
<営業時間>物産直売所:9:00~ 16:00
レストラン:10:00~ 16:00(オーダーストップ:15:30)
<休館日>毎月第3月曜日
※祝祭日の場合翌日
<駐車場> 収容台数89台
行き方・アクセス
<船>「桜島フェリーターミナル」から徒歩で約5分
2種のおみくじが可愛い「月讀神社」
1300年の歴史があると伝えられる由緒ある「月讀神社(つきよみじんじゃ」は、桜島で一番大きな神社です。アマテラスノオオミカミ弟神・ツクヨミノミコトが桜島出身であるという言い伝えがあり、奈良時代に創設されたと言われています。
桜島港の近くの、急な階段を昇った先に鳥居が。深い緑に囲まれ、独特の空気感を纏う月讀神社は、パワースポットとしても人気の高い場所です。
とても可愛い「鳩みくじ」と「ふくろうみくじ」をひくのもお忘れなく。ふくろうみくじには、財布に入れられる小さなふくろうが付いています。
月讀神社の結び所が朱色なのも特徴的。こんな風に珍しいちょっとした“違和感”に出会うのも、旅の楽しみです。
月讀神社 基本データ
<住所>鹿児島市桜島横山町1722-8
<TEL>099-293-2109
<参拝時間> 自由
<駐車場>あり
行き方・アクセス
<船>「桜島フェリーターミナル」から徒歩で約2分
大正噴火の大きさを物語る「黒神埋没鳥居」
大正3年(1914年)1月12日に起きた桜島の大爆発の凄まじさがわかる「黒神埋没鳥居」。噴火により、あたり一帯は火山灰、軽石等で埋め尽くされ、高さ3メートルもあった腹五社神社(原五社神社)の鳥居も、笠木だけを残して埋没しました。鳥居は人の背丈以下になりましたが、噴火の脅威を後世に伝えようと、掘り起こさずにそのままの形で残されています。
鳥居のとなりには、奇跡的に生き残ったアコウの老樹が。
当時の噴火の大きさを物語るこの光景に、到着した瞬間圧倒されます。桜島を旅する際には、この土地の歴史を知るためにも絶対に訪れたいスポットです。
黒神埋没鳥居 基本データ
<住所>鹿児島県鹿児島市黒神町(黒神中学校横)
<TEL>099-298-5111(観光交流センター)
<参拝時間> 見学自由
<駐車場>あり
行き方・アクセス
<船>「桜島フェリーターミナル」から車で約30分
<バス>「黒神中学校前」停留所から徒歩1分
桜島らしい絶景が望める「有村溶岩展望所」
大正溶岩原に作られた「有村溶岩展望所」は、他とは違う桜島を見ることができると人気のスポット。一面に広がる溶岩の上に根を張ったクロマツ、その奥にそびえ立つ桜島、という光景は、桜島の要素をぎゅっと詰め込んだような光景です。
全長約1kmの遊歩道からは、錦江湾や天気がいい日には開聞岳まで見られることも。さまざまな形の溶岩を楽しみながら散策するのがおすすめです。
火口が近く、鳴動や噴火に伴う爆発音が聞こえることも。遊歩道上には、桜島に由来する句碑・歌碑も点在していて、文学散歩も楽しめます。
有村溶岩展望所 基本データ
<住所>鹿児島市有村町952
<TEL>099-298-5111(観光交流センター)
<参拝時間> 見学自由
<駐車場>あり(無料)
行き方・アクセス
<船>「桜島フェリーターミナル」から車で約20分
<バス>「溶岩展望所前」停留所からすぐ
鹿児島Colors:4組のフォトグラファーが出かけた4つの鹿児島の旅
フォトグラファーのコハラタケルさんが旅した、鹿児島タウンと桜島。噴火とともに歩んできた大地の力強さや、島津藩が繁栄させてきた歴史深い鹿児島の姿を堪能しました。気になるところで好きなだけ立ち止まることができる、気兼ねの必要ないひとり旅に、もちろん大切な人と一緒の旅にも、鹿児島の魅力をぎゅっと一気に味わうなら、鹿児島市内と桜島を巡るルートがおすすめです。
4組の個性豊かなフォトグラファーが、鹿児島を走る観光列車に乗って、たくさんの”色”を写真に収める「鹿児島Colors」の旅。
他の3組の旅もぜひご覧ください。
コハラタケル プロフィール
フォトグラファー 1984年生まれ、長崎県出身。カメラ歴5年。大学卒業後、建築業の職人を経てフリーのライターに。ライター時代に写真の勉強を始め、その後フォトグラファーに転身。企業案件の撮影ほか、セミナー講師や月額制noteサークル(http://note.com/takerukohara/circle)を運営。ハッシュタグ#なんでもないただの道が好き の発案者。