Focal Length
今回のテーマは「強さと儚さ」。
写真には、たくさんの表現を詰め込むことができる。
それは時に、誰かの想いであったり、誰かの主張であったりする。
一枚の写真の中には、言葉にすると矛盾するような感情も、同時に存在させることができる。
個人的に「花」という存在には、どこか儚さを感じることが多い。
咲くことが美しいほど、散ることをどこかで予感させる存在だからだ。
ただ今回の撮影では、その花に「儚さ」だけではなく、強さを感じたくてポートレートを撮影した。
それは力強さや攻撃性のような、表面的な強さではない。
もっと静かで、
もっと奥にあるもの。
どちらかと言えば、
意思に近い強さ。
花は決して動くことはない。
声を発することもない。
それでもそこに存在しているだけで、何かを語っているように感じる瞬間がある。
今回の写真では、花の持つ儚さと、人の内側にある意思の強さ。
その二つの感情の焦点距離を探りながら、シャッターを切った。
強さと儚さは、対極にあるもののようでいて、実はとても近い場所に存在しているのかもしれない。
写真は、その距離をそっと可視化する装置なのだと思う。
プロフィール
古屋呂敏
俳優・フォトグラファー 1990年、京都生まれ滋賀/ハワイ育ち。2016年より独学でカメラを始める。Nikon Zfを愛用。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。MBS/TBS「恋をするなら二度目が上等」(2024年)などに出演。俳優のみならず、フォトグラファー、映像クリエイターROBIN FURUYAとしても活動。2022年には初の写真展「reflection(リフレクション)」、2023年9月には第2回写真展「LoveWind」、2025年6月、ニコンプラザ東京 THE GALLERY、2025年7月、ニコンプラザ大阪 THE GALLERYにて、写真展「MY FOCAL LENGTH」を開催。写真集に『MY FOCAL LENGTH』(ミツバチワークス)がある。