AKIPIN
教育機関職員 1981年生まれ。2002年よりカメラを持ち始め、2015年初めてデジタル一眼レフカメラを購入。2017年、Instagramへの投稿に真剣に取り組み始めたところ、日本と中国を中心に多くの人に閲覧されるように。依頼に応じて撮影やコラム執筆、コピーライティングなどを行っているほか、WEBメディア【くらしのははは】で連載、Instagramを担当。2020年内に中国でフォトエッセイ本を出版予定。
「今そのへんにいる」妻を感じたい
妻は、ぼくが19歳の時に出会ってからずっと、この世界にもともとある美しいもの・おもしろいことをぼくに気づかせてくれる存在です。
写真を撮っていて、その手の美しさに気づきました
ごはんを作る手、花を挿す手、洗濯ものを干す手、家族のいつもの生活のための職人のような手。
暗いことを言うようですが、妻を撮る時「もし出会ってなかったら」、「もしいなくなったら」と感じてしまう。
幸せと少しのせつなさがこみあげてくる、その思いがこもるようにシャッターを押しています。
年老いて、妻が先にいなくなるような時がもし来たとしても、写真を見て、その時に「今そのへんにいる」と感じたい。
写真にそんな願いを込めているのは、ぼくの作風と言えると思うし、「いつか妻がいなくなっても、妻がそこにいる安らぎや心強さが立ちのぼるような、そんな写真を撮りたい」と思います。
「いつものシーン」と感じられる 瞬間がぼくにとっての宝物
生きている時間は、なるべく、好きなものと一緒に過ごして、好きなものを見ている時間にしたい。
だから、家族の写真を撮りたい。
大好きな花で家族に和んでもらおうという 妻の「想い」を感じる。そんな花と妻が愛おしい
ただうれしいの「想い」 だけに浸れる時間
「妻のごはん」を食べていると、本当の幸せが湧き上がってくる。
カメラの「パシャ」っていう音は、訳すと「好きっ」ってこと
ぼくにとってカメラの「パシャ」っていう音は、訳すと「好きっ」ってこと。日常の幸せを感じながら撮っています。それで人に何かを伝えたいわけではありませんが、しいて言うなら妻に、妻のやっていること・妻の姿の魅力を伝えたいし、自分自身にも、今こうして生きていることの喜びを、決して忘れないように何度でも伝えたい。
日々の同じような風景、そこにほんの一瞬だけ現れた美しさ、過去になった時間…写真から感じられる「生きている幸せ」を、心に限りなく染み込ませたいと思っています。
GENIC VOL.56 【恋する目線のシューティング】
Edit:Yuka higuchi
GENIC VOL.56
「“好き"を撮る」をテーマに、好きなものを愛でるように撮って表現する人たちにフォーカス!