【恋する目線のシューティング #9】AKIPIN(教育機関職員)

GENIC編集部

気がつけば、目で追っている。ついシャッターを切ってしまう。
「好き」を撮った写真には、きっとその人だけの恋する眼差しが表れているはず。
#9では、「妻のごはん」を軸とした自分の暮らしをInstagramに投稿している、AKIPINさんの目線と恋心に迫ります。

AKIPIN

教育機関職員 1981年生まれ。2002年よりカメラを持ち始め、2015年初めてデジタル一眼レフカメラを購入。2017年、Instagramへの投稿に真剣に取り組み始めたところ、日本と中国を中心に多くの人に閲覧されるように。依頼に応じて撮影やコラム執筆、コピーライティングなどを行っているほか、WEBメディア【くらしのははは】で連載、Instagramを担当。2020年内に中国でフォトエッセイ本を出版予定。

「今そのへんにいる」妻を感じたい

「苺が好きで自分の自転車に“ベリー”と名付けてた人が、彼女になって、そのあと妻になった」。

妻は、ぼくが19歳の時に出会ってからずっと、この世界にもともとある美しいもの・おもしろいことをぼくに気づかせてくれる存在です。

写真を撮っていて、その手の美しさに気づきました

ごはんを作る手、花を挿す手、洗濯ものを干す手、家族のいつもの生活のための職人のような手。

「どんなに近づいて撮っても動じない妻。この写真は撮った瞬間、思い出に残る美しい一瞬だと思ったら、本当にそうなりました」。

「仕事関係で心身ともに人生最大にしんどかった数ヶ月、家に帰るとその気持ちをわかってくれて、ごはんを作ってくれる妻がいて、ぼくは日々救われ、なんと偉大な存在なのだろうと思いました。そんな日々の中で撮った写真に“忙しさで時間や力や心が擦り減れば減るほど妻への思いが増えていく。”と添えました。投稿を見返すたびに、その時期の辛さと日々を救ってくれた妻の温かさを思い出します」。

「料理がまったくできない、ぼくには理解できないことも多いけど、作ったものについて、妻の説明を聞くのが好き」。

暗いことを言うようですが、妻を撮る時「もし出会ってなかったら」、「もしいなくなったら」と感じてしまう。
幸せと少しのせつなさがこみあげてくる、その思いがこもるようにシャッターを押しています。

「庭でパパっと摘んで挿し、いつのまにか部屋に置いてあって、ぼくはいつのまにか癒やされて暮らしてるのだなと思う」。

「家事に日々取り組んでくれている妻に、“職人”のような魅力を感じます。特に象徴的なのが手。小指だけ立っているのは、想像だけど、食べる家族にとってちょうどいい大きさかつ固さのおにぎりを握るためではないかと思う。自分の手が好きではなかった妻も、ぼくが撮った写真を見て、なかなかいいと思うようになったと言ってくれて、うれしかったです」。

年老いて、妻が先にいなくなるような時がもし来たとしても、写真を見て、その時に「今そのへんにいる」と感じたい。
写真にそんな願いを込めているのは、ぼくの作風と言えると思うし、「いつか妻がいなくなっても、妻がそこにいる安らぎや心強さが立ちのぼるような、そんな写真を撮りたい」と思います。

「いつものシーン」と感じられる 瞬間がぼくにとっての宝物

「妻が作った花飾りを頭に、義母が作ったワンピースを着て、ぬいぐるみ“しろちゃん”を抱いて、うれしそうだった娘」。

「ぼくは、自分や妻が生きていることを実感できる写真を撮りたい。その上で、妻をちょこちょこ観察して撮っているわけですが、その姿だけでなく、妻が作業の途中でほんの少しそこを離れた瞬間の写真も撮りたい。この写真には、今にもそこに戻ってきそうな妻の“気配”が写っていると思う」。

「ぼくの好きな人たち。ぼくのことを好きな人たち」。

生きている時間は、なるべく、好きなものと一緒に過ごして、好きなものを見ている時間にしたい。
だから、家族の写真を撮りたい。

大好きな花で家族に和んでもらおうという 妻の「想い」を感じる。そんな花と妻が愛おしい

「妻は花が好き。庭でいろんな花を大事に育て、その花を家に飾っています。ちょっと沈んでいた時期にカーテンの隙間を通った光が花に射していて、なんだか“希
望”を感じた」。

ただうれしいの「想い」 だけに浸れる時間

「妻のごはん」を食べていると、本当の幸せが湧き上がってくる。

「妻のごはんには、おいしく、美しく、楽しく食べてもらいたいという“想い”がこもっている。これは妹夫婦を家に呼んだ時の写真。それぞれが座る場所、好きなものを妻は考えてるなぁと思う」 。

カメラの「パシャ」っていう音は、訳すと「好きっ」ってこと

ぼくにとってカメラの「パシャ」っていう音は、訳すと「好きっ」ってこと。日常の幸せを感じながら撮っています。それで人に何かを伝えたいわけではありませんが、しいて言うなら妻に、妻のやっていること・妻の姿の魅力を伝えたいし、自分自身にも、今こうして生きていることの喜びを、決して忘れないように何度でも伝えたい。
日々の同じような風景、そこにほんの一瞬だけ現れた美しさ、過去になった時間…写真から感じられる「生きている幸せ」を、心に限りなく染み込ませたいと思っています。

「何の記念日でもない日に妻が作ったケーキに、庭で摘んだブルーベリ
ーとボリジを当時2歳だった娘が盛り付けた、一生忘れないケーキ」。

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GENIC VOL.56 【恋する目線のシューティング】
Edit:Yuka higuchi

GENIC VOL.56

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