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【青春の肖像:4】ありあ

誰にでもある、甘酸っぱくて、愛おしい日々。眩くて、儚くて、美しい時間。そんな青春世代に近い感性を持つ若手写真家4人による、人生の中でかけがえのない瞬間を切り取った写真をご紹介。宝石のようにキラキラと輝く作品は、まるで至極の青春ダイアリーです。
4人目は、自身の日記とともに発信する繊細な世界が話題の、ありあさんです。

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ありあ

写真家、文筆家。東北の田舎町出身。幼少期から書いている日記を写真とともにSNSで発信し、話題に。WEBメディア「MARSH」で連載記事を担当。ドイツの大学に在籍し、西洋美術史を学ぶ学生でもある。
愛用カメラ:OLYMPUS TRIP35、CONTAX Aria、Kodak EKTAR H35
愛用レンズ:Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4、Carl Zeiss T* Distagon 35mm F2.8

いつだって不確かで、きらきらで

同じ瞬間なんて二度と訪れない青春は、一枚一枚が奇跡の連続

「写真に目覚めたのは、おじいちゃんの形見としてフィルムカメラを譲り受けたことがきっかけ。最初は写真から過去、特におじいちゃんとの思い出を蘇らせるために人を撮っていました。そして1年経った今、この瞬間に出会うあらゆる人々との時間もいつか思い出せるように、写真を残したいです。この写真は、いつも戯れ合って、仲良しな二人。逆光を生かして、眩しい一枚に」。

「私にとって青春とは、“不確かさときらきらの入り混じる、日々躍動する概念”。自分は何者で、そしてどこへ行くのか。青春はいつだって不確かです。それなのに私たちが青春にきらきらを感じるのは、その“不確かさへの抵抗”や、そこからの“脱却のまなざし”が日々躍動しているから。青春の真っ只中にいる人のリアルな空間を写すと、往々にして、どこかブレていたり、ピンボケだったりします。青春の持っている“不確かさ”や“躍動感”という性質を考えると、ある意味必然なのかなと。そこに光を組み合わせることで、もう一つの側面である“きらきら”を表現したいと考えています」。

写真は過去を振り返る記録であり、人と人を繋ぐ力であり、未来への希望を感じさせてくれる友達

「受験生のいとこと、息抜きに海へ。帰り道に“こっちを向いて!”と撮った写真です。青春の一区切りに対する“切なさ”や、受験への“覚悟”など、さまざまな感情が読み取れる一枚」。

「髪を結う動きに魅力を感じて、さっとカメラを取り出しました。遠くを見つめる眼差しと相まって、なんだか希望を感じます」。

「私は青春時代の少し上の世代なので、私が撮る青春の写真は“現実と非現実のはざま”と言えるかもしれません。自分が経験した青春を表現しつつ、物語のような、少し美化された理想の青春も混じりつつ...。自分らしい写真を撮るために大切にしているのは、背伸びをしないこと。写真を撮り始めて1年が経ち、今は“写真を通して何をしたいのか”の答えを探し求めています。不確かだけれど、でもきっときらきらしています。そういう意味では、私は青春真っ只中です。そんな今だからこそ撮れるものを大事にして、等身大の私を皆さんにお見せしたいです。喜怒哀楽をリアルに、ありのままを写した人物写真を通じて、さまざまな過去や、体がぽかぽかするような想いを感じてほしいです。そして青春を取り入れた写真からは、可能性とか希望みたいなものを届けたい。青春って、本当に自由で型がなくて、不確かで。同じ瞬間なんて二度と訪れません。一枚一枚が奇跡の連続です。その今しかない時間を切り取ることは、とても面白い。写真は私にとって過去を振り返るための記録であり、人と人を繋ぐ力であり、未来への希望を感じさせてくれる友達です」。

「三姉弟が小さい扇風機を取り合う様子を、私自身の体験をもとに再現。曖昧な記憶を表現するため、あえてピントを少しずらして」。

「青春の躍動感を、ジャンプを主題に撮影。スカートのひらひら感など、影にも青春を散りばめています」。

「修学旅行みたいな写真が撮りたい!と、写ルンですを持って鎌倉を散歩」。

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GENIC vol.65 青春の肖像
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.65

GENIC1月号のテーマは「だから、もっと人を撮る」。
なぜ人を撮るのか?それは、人に心を動かされるから。そばにいる大切な人に、ときどき顔を合わせる馴染みの人に、離れたところに暮らす大好きな人に、出会ったばかりのはじめましての人に。感情が動くから、カメラを向け、シャッターを切る。vol.59以来のポートレート特集、最新版です。

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