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色に恋して。デジタル写真をフィルム風に「FUJIFILM フィルムシミュレーションの魅力」vol.18 YU-TA

デジタルカメラで撮影した写真を、フィルム写真のようなカラーに。そんな夢のような機能が、富士フイルムのデジタルカメラに搭載されています。その名も「フィルムシミュレーション」。フィルムを交換するような感覚で色再現を楽しめる機能で、その数なんと20種類。フィルム時代から90年以上にわたり、色の表現を研究してきた富士フイルムだからこそ作れる機能です。

「Xシリーズ」「GFXシリーズ」すべての機種で使用できるとあって、この機能に恋して、富士フイルムのデジタルカメラを愛用し続ける写真愛好家やフォトグラファーも多数。

そこで本連載では、「フィルムシミュレーション」の魅力をお届け。毎回1名のクリエイターがお気に入りのフィルムシミュレーションで撮影した作品とともにその魅力を語ります。第18回は、映像クリエイターでありフォトグラファーのYU-TAさん。富士フイルムの「X-M5」で撮影した作品とともに、お気に入りのフィルムシミュレーションについて紹介します。

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目次

プロフィール

YU-TA

映像クリエイター/フォトグラファー 1988年生まれ、東京都出身・在住。2020年から写真と映像を独学で始める。「日常を映画のように」をテーマに掲げ、何気ない日々の暮らしを映画のワンシーンようにシネマティックな作品に仕上げることを得意とする。企業HPの映像制作からSNSプロモーション、商品のスチール撮影、Vlogの講師まで活動は多岐にわたる。

撮ることの楽しさを享受でき、次から次へと撮影したくなる

自分にとって写真とは、「今、この瞬間を残すもの」です。誰かと過ごす時間など、日常の中には誰しも心が躍るような瞬間があります。ともすれば見逃してしまうような一瞬の煌めきを残すためのツールがカメラであり、写真なのだと思います。

その上で、レンズを向けることが多いのは、光と影。スナップの撮影時も、光や影を見つけるとついシャッターを切っています。また、コーヒーを入れるシーンなど、暮らしを撮ることも多いです。いずれにしても、少しノスタルジックな表現が好みで、暖色寄りのコントラストを強めたり、シアン側に振ってシャドウにほんのりブルーを入れたり、シャドウを完全に真っ黒にせず少しだけふわっと表現させたりしています。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション: MONOCHROME+ G FILTER
「キッチンに光と影が差し込んだ瞬間、マグカップやキッチン道具などが並ぶ生活のワンシーンを切り取りました。これまでモノクロの表現は私にはあまり合わないと思っていました。再現のハードルも高いし、写真自体の表現も技術がいる。ところがMONOCHROME+ G FILTERで撮ると、そんな印象を払拭してくれる手応えを感じました。モノクロも、もっと身近に、撮りたいように撮っていいんだという自由を手に入れたような感覚がありました」。

実はこれまで、富士フイルムのカメラを使ってきませんでした。とはいえ、フィルム写真のような少しノスタルジックな淡い色味がとても好きなポイントで、「色味がいいな」という印象を抱いていました。さっと持ち出して一日中撮りたくなってしまうような洗練されたデザインも、とても魅力的です。

今回X-M5を使ってみて、フィルムの色味を直感的に選んで撮れるのは、やはり富士フイルムの強みであり最大の魅力だと実感しました。思っていた通り、ボディのデザインも素晴らしく、そして軽い。機動性があり手軽にフィルムルックが楽しめることに、とても好感を持ちました。「気づくと手に持っていて撮影している」ということが何度もあり、富士フイルムのカメラは「撮りたくなるカメラ」だと思いました。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション:Velvia
「大きく育ってきた観葉植物のモンステラに、夕方の光が当たっていました。一枚の大きな葉っぱに光が偶然差し込み、幻想的な表情を見せた瞬間に惹かれてシャッターを切りました。Velviaは比較的色味がビビットでコントラストが強めに出る印象です。この写真のように、観葉植物の鮮やかなグリーンをメインに見せたいときにインパクトをもたらしてくれるフィルムシミュレーションだと感じました」。

X-M5は、軍艦天面にあるダイヤルで直感的にフィルムシミュレーションを選べる点が魅力的でした。特に、レタッチだとなかなか表現するのが難しいクラシックな描写や、ブリーチバイパス(フィルム現像時に銀成分をあえて残す技法)などを、フィルムシミュレーションで表現できるのは大きな魅力です。私は光と影を使って作品撮りをすることが多いので、コントラストを強調しつつ、同時にネガのような淡い表現も残せるのが最大のポイントだと感じました。

また、コンパクトなサイズと機動力はX-M5の大きなアドバンテージだと感じました。普段私が使うフルサイズのカメラだと、「よし、今から撮りに行くぞ」と重い腰を上げなければならないことが多々あります。その点、X-M5はとにかく軽くてコンパクト。スマホを持ち歩くような感覚でカメラを持ち歩けるような手軽さがありました。実際に、撮りたい瞬間にはすでにX-M5に手が伸びていて、「ここまで生活に馴染むのか」と驚いたくらいです。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション: SEPIA
「日常の中で映画のようなワンシーンを撮影することが好きで、普段から光と影の中に足元を入れて撮影しています。このときも、ふいに見つけた光にワクワクしながら、足を動かして光のベストな位置を探しました。私が好む光と影のコントラストがSEPIAとここまで相性がいいことに気付いた一枚。手軽にノスタルジックな雰囲気で撮影できるのはフィルムシミュレーションの大きな強みです」。

富士フイルムのカメラ全般に言えることですが、X-M5もデザインが本当に素晴らしいと感じました。所有欲も満たせるし、ビンテージカメラのような雰囲気は唯一無二だと思います。このデザインによって、とくに感じるのが「カメラを向けられている」という威圧感が少ないことです。ポートレートから日々の友人との旅行、スナップまで、人を被写体とする場合により自然に撮影できるのではないかと思いました。

そして、同じ被写体を撮っても、まったく違う世界観を表現できるフィルムシミュレーションが楽しいです。カラーで見えている世界も、モノクロやセピアなどで撮影すると違った視点が見えてきて、それがまるで連鎖するかのように「ほかのフィルムシミュレーションで撮影したらどうなる?」と、次から次へと撮影したくなる。撮ることの楽しさにつながると感じました。

My favorite フィルムシミュレーション

モノクロ表現だと「MONOCHROME+ G FILTER」が好みでした。また、我が家は築古の物件なので、クラシックなルックとの相性のよさから、部屋の写真は「Velvia」や「SEPIA」をよく使用して撮影しました。

1:MONOCHROME+ G FILTER

モノクロのフィルターの中で、MONOCHROME+ G FILTERが1番お気に入りです。シャドウのコントラストをはっきりと表現できるフィルムシミュレーションで、光と影を生かした撮影スタイルが多い自分の作品と、とても相性が良いと感じています。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション:MONOCHROME+ G FILTER
「冬の13:00頃、キッチンに光が差し込んだ瞬間を捉えました。私は偶然存在する光と影を用いた物語のある写真を撮ることが多いです。この小瓶も、普段は部屋のインテリアの一部にしかすぎず、特段注目をあびることは少ないもの。このような『主人公ではない群衆の中にも光を当てたい』、そんな思いで撮りました。MONOCHROME+ G FILTERは光と影のコントラストのバランスが絶妙で、光・影・被写体が一枚の写真の中で調和していると感じました」。

2:Velvia

Velviaは彩度がしっかりと表現されつつ、シャドウは滑らかで、ビビッドな色合いだけれどどこか柔らかな印象を感じます。観葉植物のグリーンははっきりと表現されながらも、シャドウが柔らかいので、全体がシャープになりすぎない点が面白いと感じました。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション:Velvia
「コーヒーを淹れて、お客さんに差し出すようなイメージで撮影した1枚。サイド光が綺麗に入り、手やシャツの質感が際立ちつつ、シャドウは柔らかい印象になっています。Velviaは発色がよくコントラストも強めで、私が得意とする光と影を用いた撮影に向いていると感じました」。

3:SEPIA

カメラを始めてから今回初めて、セピアの表現にチャレンジしました。もともとノスタルジックな雰囲気が好きなことに加え、自宅のインテリアとも自然に馴染み、とても相性が良いと気づきました。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション:SEPIA
「早朝、コーヒーを入れる瞬間を撮影。湯気がふわっと立ち上る瞬間に惹かれていたのですが、香りやその場の空気感まで伝わるショットになったと感じています。SEPIAは今まで表現の方法として使ったことがありませんでしたが、今回初めて使ってみて、すごく感動しました。私自身がレトロ好きなこともあって、部屋の雰囲気ととてもマッチして、新しい表現の発見となりました」。

YU-TAさんが恋したフィルムシミュレーションの特徴

1:MONOCHROME+ G FILTERとは?

通常のモノクロに、緑色を明るく、赤色を濃く表現する「グリーン(G)フィルター」を使ったような仕上がりになります。ほかに、表現意図に合わせた画質調整として、コントラストを高める「レッド(R)フィルター」や「イエロー(Ye)フィルター」もあります。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション:MONOCHROME+ G FILTER
「ダイニングに光が入る暖かい時間、コーヒーを淹れているシーンを、三脚を使ってセルフポートレートで撮りました。MONOCHROME+ G FILTERのコントラストは私の好みにぴったり。シャドウとハイライトのコントラストは強めで、しかしながら中間のグレーの層は伸びやかでふんわりとしている印象になります。カラーの写真をレタッチする際の表現とかなり近く、とても気に入っています」。

2:Velviaとは?

特定の色が強調されるようなことがないよう色のバランスを保ちつつ、華やかな彩りでシャドウ部を引き締め、強い印象を与えます。色と光の強いコントラストを表現するため、風景やネイチャーとの相性は抜群です。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション: Velvia
「表紙の写真の色や文字の絶妙なピンクがお気に入りで、私の部屋の色味との対比を表現したくて『GENIC』を被写体にしました。あえてビビッドな色味のGENICを置いてみたらどうなるだろう、という実験的な撮影でしたが、絶妙なアンバランス感が生まれてとても気に入っている一枚です。Velviaはコントラストの強さと彩度がはっきり表現されるので、ビビッドなカラーととても相性がいいです」。

3:SEPIAとは?

時間が経ち、色あせた写真を再現したモードです。レトロ感やノスタルジックな雰囲気を演出したい場合に適しています。

camera:X-M5 lens:フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
フィルムシミュレーション: SEPIA
「夕暮れの時間帯、オレンジ色に染まった部屋にある大きな鏡に、光が反射するところを狙って撮影しました。日常の何気ない瞬間、特に夕暮れの時間帯はあっという間に過ぎ去っていくので、『この瞬間は絶対に逃せない』という気持ちでいつも撮影しています。私の部屋はレトロな雰囲気の家具が多いので、SEPIAとの相性がとてもいいです。カラーももちろん好きですが、SEPIAなど少し特殊な、個性を持ったフィルムシミュレーションを使って撮影を楽しむことも、富士フイルムのカメラの醍醐味だと感じました」。

YU-TAさんが使用したカメラ

X-M5

コンパクトボディに、静止画・動画・Vlog機能を余すことなく詰め込んだX-M5は、ポケットサイズのオールラウンダー。現行のXシリーズで最軽量となる355gで、サイズは上着のポケットに入るほどコンパクト。Xシリーズらしい品位の高さも有しており、軍艦天面にシンメトリーに配置されたダイヤルが、カメラとしての美しさを際立たせている。軍艦天面には「フィルムシミュレーションダイヤル」が採用され、フィルムシミュレーションの選択を直感的に行うことができる。1934年の創業以来培ってきた富士フイルムならではの色作りを、ダイヤルの操作感とともに楽しめるのが大きな魅力。また、忠実な色再現を得意とする「X-Trans CMOS 4」と、最新エンジン「X –Processor5」による、そこにある“空気感”までをも写し出す描写力も秀逸。卓越した被写体検出AFや高速・高精度AFもあいまって、撮りたい瞬間を至宝の一枚として残してくれる。

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