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【顔のないポートレート #3】micalie

普段、顔やその表情が物語ることはとても多い。けれど、時には顔が見えないからこそ、その場の空気や思いをより強く感じるということが、確かにある。それは一体どうしてなのだろう?
今回は、あえて顔を写さずに写真を撮る、5名の表現者をフィーチャー。それぞれの思う、顔と表現の関係についてお話を伺いました。
#3は、毒っけのある世界観が魅力のアーティスト、micalieさんです。

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micalie

神奈川県出身。 趣味としてInstagramを始め、iPhoneやデジタルカメラで撮った作品を発信。小物や自然物を使い、思わず二度見してしまうような作品を目指して、日々楽しく撮っている。
愛用カメラ:iPhone7、Sony α7 Ⅱ
愛用レンズ:Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 E-mount。

とある部屋での、セルフポートレート

「真夏に撮った、とにかく暑いってことを伝えたかった一枚。扇風機で舞い上がる風を見せたくて、この瞬間を狙ってセルフタイマーでシャッターを切りました」。

顔を持たないことで、どこか違和感のある写真に

micalieさんの作品は、アーティスティックな美しさの中に、どこか不穏なものが潜んでいるところが魅力的。
「思わず二度見してしまうような、少しだけ変わった世界を表現したいなと思っています。私の写真の被写体はほとんど私自身なのですが、多種多様な登場人物を想像していただけたらと思います」。

「清楚な雰囲気にならないような空気感が欲しかったので、直接光が届かない場所で撮りました。実は、後ろ姿の人物はマネキンです。手の表現で物語を想像してもらえたら」。

作品の中で顔を隠すのは意外な理由から。
「もともと自分の顔を写真に残すのが苦手なんです。恥ずかしながら始まりはそんなネガティブな理由だったのですが、撮ってみるとなんだか不気味だったり面白かったりシュールだったり、とにかく異質に感じて。自分の好きな”日常の中の非日常”という世界観と”顔を持たない被写体”という関係がしっくりきて、私にとっては魅力的なものになりました」。

「メタリックなものに憧れて、アルミホイルを纏ってみました。肌との質感の違いが楽しいです。実は、アルミホイルがもろく左手で押さえながら撮るしかない状況でした」。

インスピレーションは身近なものから得ることが多いそう。
「100円ショップや手芸店に行って、これはこう使ったら面白そうだなと考えたりします。映画や絵画、写真はもちろん、普段の生活でも“このゴミ綺麗だな”“この影カッコイイな”というように、日々いろいろなものからヒントを得て、思いついたことはできるだけやってみることにしています」。

顔を隠すことで生まれる日常の中の非日常がちょっと不気味で面白い

「この食卓に座るのは誰?と思うような、怪しい食卓。窓から入ってくる光をカーテンで調整し、優しい光がスライムを照らすように」。

「チープな機械人形の脚のポートレート。肌から透けるいくつもの血管を電気配線に見立てています。映画の印象的なシーンをイメージし、逆光で撮影しました」。

「過去を懐かしむ気持ちとそれを否定したいあやふやな感情を表現したくて。少しローアングルにして頭上の風船を鱗のように見せました」。

「鏡の中とこちら側の世界が繋がったら、という妄想から連想して撮影した一枚。赤い糸の伸びるその先も想像で辿って欲しかったので右側に空間をとりました。手の持ち主がクセのある人物に見えるような角度にしています」。

micalie Instagram

GENIC VOL.59 【顔のないポートレート】

GENIC VOL.59

特集は「だから、人を撮る」。
最も身近にして最も難しい、変化する被写体「人」。撮り手と被写体の化学反応が、思ってもないシーンを生み出し、二度と撮れないそのときだけの一枚になる。かけがえのない一瞬を切り取るからこそ、“人"を撮った写真には、たくさんの想いが詰まっています。泣けて、笑えて、共感できる、たくさんの物語に出会ってください。普段、人を撮らない人も必ず人を撮りたくなる、人を撮る魅力に気づく、そんな特集を32ページ増でお届けします。

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