Focal Length
今回のテーマは「2:1の距離感」


被写体が一人から二人に増えることで、レンズ越しに見える世界は、ただ“一人増えた”だけではなく、そこに“関係”という目に見えない空気が生まれる。
物理的な距離感。
視線の交差。
二人の関係性。


二人は同じ方向を見ているのか、それともたまたま交差した、一瞬の重なりなのか。
二人の視線は力強く確かにそこにある。
彼女たちの時間軸は、僕がいるこの現実より、少しだけ遅れて流れている気がする。
いや、あるいは僕が早すぎるだけかもしれない。


そこには間違いなく眩しく進む時間が存在する。
まるでお互いの世界に立ち入りすぎないように、そっと呼吸を合わせているように見える。
言葉を交わさずとも、そこにある空白。


それぞれが「いま」という点に立ち、自分の道を見つけようとしている。
そして、そこに二人いることで生まれる“間”。
一人では決して写らない、人の輪郭。
写真はその一瞬を閉じ込めるけれど、その奥には、まだ誰にも触れられていない、2:1の「余白」がある。


プロフィール

古屋呂敏
俳優・フォトグラファー 1990年、京都生まれ滋賀/ハワイ育ち。2016年より独学でカメラを始める。NikonZfを愛用。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。MBS/TBS「恋をするなら二度目が上等」(2024年)などに出演。俳優のみならず、フォトグラファー、映像クリエイターROBIN FURUYAとしても活動。2022年には初の写真展「reflection(リフレクション)」、2023年9月には第2回写真展「LoveWind」、2025年6月、ニコンプラザ東京 THE GALLERY、2025年7月、ニコンプラザ大阪 THE GALLERYにて、写真展「MY FOCAL LENGTH」を開催。