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写真の背後には膨大な写真がある
今回は東海林広太、熊谷直子、蓮井元彦、小野啓、徳永彩の作品を上映。いずれもストレートフォトグラフィーの深みから自身のまなざしを掘り下げようとする写真家たちです。また、ニューカマーとして、渡邊りおが加わります。
プリントを見せる展示、写真集などの印刷媒体は写真家たちの発表のベースですが、空間の広さや限られたページ数などの制約があり、写真家のリアルな息づかいを十分に表現できるとは限りません。写真家たちは、たとえると、いつでも音を奏でる音楽家のように、日々写真を生み続けています。音楽家は何度もライブを行い、表現を磨き、豊かにします。では写真家に何ができるでしょう?
スクリーンに明滅するイメージの群れ。そのなかから選び抜かれた写真は、その後プリントになり、いずれ写真集に収まり世に現れるかもしれません。一方、ある時期、ある時に見ることができる写真が存在します。写真の背後には膨大な写真がある。その厚み、そのリアルな積み重ねをスライド映写を経験しながら共有する。「LONG SEASON」は、その場を作ろうという試みです。
池谷修一
「LONG SEASON」オーガナイザー
池谷修一
編集者・キュレーター 横浜市生まれ。武蔵大学人文学部卒業。Bゼミ参加。展覧会制作の仕事を経て編集者に。2011年~2020年、「アサヒカメラ」編集部に在籍。写真集の編集やキュレーション、ワークショップを行っている。木村伊兵衛写真賞事務局担当。写真家たちのスライドショー・プログラム「LONG SEASON」を主宰。
近年の主な編集作品・写真集に、『WOMEN』(ソール・ライター)、『terra』(GOTO AKI)、『少女礼讃』(青山裕企)、『深い沈黙』(小林紀晴)、『90Nights』(藤代冥砂)、『良い写真とは?』(ハービー・山口)『On The Corner』(ハービー・山口、中藤毅彦、大西みつぐ)、『SHORES』(木邑旭宗)、『BEHIND THE BLUE』(時津剛)などがある。
近年手掛けた展示に、「写真家はどこから来てどこへ向かうのか —世界を歩き、地球を変換する写真」(西野壮平 × GOTO AKI)、「terra2023」(GOTO AKI)、「ウロボロスのゆくえ」(土田ヒロミ)、「すべて光」(熊谷直子 × 川上なな実)、「KIPUKA: Island in My Mind」(岩根愛)、「七菜乃と湖」(笠井爾示)、「遠い光 – Lost Asia -」(小林紀晴)、「たしか雨が降っていたから、」(インべカヲリ)、「繋がってください」(佐藤麻優子)、「マリアンナ」(蓮井元彦)、「ここでまた会おうよ」(三森いこ)、「Fat Fish Observations Report(Planet Fukushima 5)」(菅野純)など。また主宰する「LONG SEASON」で、柏田テツヲ、木邑旭宗、東海林広太、名越啓介、嶌村吉祥丸、田口るり子、GOTO AKI、田中大輔、蓮井元彦、松岡一哲、水島貴大、ヨシノハナ、藤岡亜弥、金川晋吾、石川拓也、加藤雄太、新田樹、草野庸子、笠井爾示らの作品を上映。
参加写真家
東海林広太
東海林広太
写真家・フォトグラファー 1983年生まれ、東京都出身。アシスタントを経て、2007年にスタイリストとして独立。2014年より独学で写真を始め、写真家として活動。カメラ歴6年。現在では国内外問わずコマーシャルワークから作家活動までジャンルレスに活動中。
熊谷直子
熊谷直子
写真家 兵庫県出身、東京都在住。雑誌や広告、舞台などの撮影で幅広く活躍するかたわら、写真集や個展なども通してパーソナルな作品も発表。『anemone』(タイフーン・ブックスジャパン)、『月刊二階堂ふみ』(朝日出版社)、杉咲花『ユートピア』(東京ニュース通信社)、『赤い河』(TISSUE Inc.)、川上なな実写真集『すべて光』(工パブリック)、『レテに浮かんで』(TISSUE Inc.)など作品集多数。
蓮井元彦
蓮井元彦
写真家 1983年、山形県生まれ。東京都で育つ。2003年渡英、Central Saint Martins Art and Designにてファウンデーションコースを履修した後、London College of Communicationで写真を専攻。卒業後、07年帰国。以降、東京を拠点に活動する。2013年に4年間の日常生活を記録したスナップ写真からなる写真集『Personal Matters』をイギリスの出版社Bemojakeより出版。その後、『Deep Blue – Serena Motola』などの私家版小冊子の発表を経て2019 年、続編の『Personal Matters Volume II』(Bemojake)を出版。2020年には写真集『for tomorrow』(Libro Arte)、2021年には『写真はこころ』(Printed Union)、2023年に『VIATOR SWELL』(Libro Arte)を出版する。G20大阪サミット 2019では、京都・東福寺で行われたティーセレモニーに際し制作された図録の撮影を手がける。
小野啓
小野啓
写真家 1977年、京都府生まれ。2001年立命館大学経済学部卒業。2003年ビジュアルアーツ専門学校・大阪写真学科卒業。2002年より日本全国の高校生の肖像を撮り続け、写真集『青い光』(2006年・ビジュアルアーツ、青幻舎)を経て、『NEW TEXT』(2013年・赤々舎)を発表。その他の写真集には『暗闇から手をのばせ』(2017年・silverbooks)、『男子部屋の記録』(2019年・玄光社)、『モール』(2022年・赤々舎)などがある。『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ)、『アンダスタンド・メイビー』(島本理生)など文芸書の装丁写真も数多く手がける。
徳永彩
徳永彩
フォトグラファー。1996年に活動開始。Bibliothèque Nationale de France、神戸ファッションフォトミュージアムなどに作品が永久収蔵されている。現在は、ライフスタイル・人物・料理・ビューティーの撮影をメインに、広告・カタログ・雑誌等の分野で活動。写真展に1995年、「Autori tratti al femminile」展 出展 (museo ken damy / イタリア)2009年、「10's Green」展 (emon photo gallery)、2016年に個展「photogenic!」(GALLERY SPEAK FOR)を開催。
渡邊りお
渡邊りお
フォトグラファー 1999年生まれ。山梨県富士吉田市出身。東京都在住。2021年より独学で写真を始める。2022年、(株)アマナにアシスタントフォトグラファーとして入社。2024年独立。商業写真と並行しながらネガカラーフィルムでのスナップ撮影などを行い、暗室でのプリント、展示を行い制作活動をしている。2024年、初の個展「on the long hill」(same gallery)を開催。
「LONG SEASON : PHOTOGRAPHERS SLIDESHOW」情報
開催日時
2024年8月24日(土) 17:00〜21:00
※事前予約可(当日参加可能)
予約方法
件名に「LONG SEASON事前予約」と必ず記載し、名前、連絡先(連絡のつきやすい携帯番号など)を明記の上、yoyaku@al-tokyo.jpにメールで申し込み。
※予約受付は平日のみ。
*先着順(混雑時は立ち見になる場合があります)
*ドリンク販売有り
参加料
2,000円(税込)
会場
AL
- 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3-7-17 1F
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
東急東横線「代官山駅」から徒歩で7分
JR山手線「恵比寿駅」から徒歩で12分