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ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)2026
1980年よりライカはLOBAを通じて世界各地で活躍する写真家たちの活動を称えています。そこでは特に、人間と環境の関係に焦点を当てた写真シリーズを対象としています。今年も例年と同様に、世界約48か国・130名以上の写真専門家が、それぞれ最大3点の作品シリーズを候補として推薦。その推薦作品を審査員が審査し、12名のファイナリストを選出しました。また、新人部門の賞である「ライカ・オスカー・バルナック・ニューカマーアワード」は、世界18か国28の国際機関および高等教育機関との協力のもとで選出されます。
2026年は新プログラム「LOBA Women Grant」が創設されました。既存のカテゴリーと異なり、この部門では選出されたプロジェクトアイデアが翌年のLOBAで作品として初披露される点が特徴です。「LOBA Women Grant」に応募した数多くの女性候補者の中から審査員が受賞者1名を選出し、そのプロジェクトの実現を支援します。
2026年10月8日(木)に一般部門と新人部門の受賞者、およびLOBA Women Grantの受賞者が発表されます。授賞式はドイツ・ウェッツラーのLeica Weltにて盛大なセレブレーションとともに行われます。
ファイナリスト
サヘル・アルゴッラ
Witnessing Gaza
Witnessing Gaza
パレスチナ人フォトジャーナリストのアルゴッラ(1997年〜)が2025年に発表した作品シリーズです。ガザ戦争の多面的で複雑な全体像を描き出しています。物資不足や飢饉から暴力や喪失に至るまで国際的なニュースの見出しを飾った光景だけでなく、報道機関では取り上げられることのなかった人間同士の交感の瞬間も捉えています。
トッド・アントニー
Todd Antony
Buzkashi
ニュージーランド人写真家アントニー(1975年〜)は、モノクローム写真シリーズを通じてタジキスタンで古来より続く伝統的競技「Buzkashi(ブズカシ)」をドラマチックな写真で記録しています。作品名でもあるペルシア語「Buzkashi(ブズカシ)」は、文字通り訳すと「山羊の引っ張り合い」を意味します。というのも、この競技は頭のない山羊の死骸を巡って争われるからです。中央アジアの遊牧騎馬民族の間で生まれ、今日でも、力強さと乗馬技術は、競技に参加する選手たちのアイデンティティを形づくる重要な要素となっています。
アヌーシュ・ババジャニャン
Anush Babajanyan®Martin Zinggl
The Aral Sea and the Battered Waters of Central Asia
かつてアラル海は世界で4番目に大きな内陸水域でしたが、ソ連時代の灌漑事業の影響によって現在ではその表面積の90%以上が失われています。アルメニア人写真家ババジャニャン(1983年〜)の作品シリーズは、環境危機を記録するだけでなく、ウズベキスタンやカザフスタンの地域社会が生き残るためにどのように適応してきたかを明らかにしています。地域の住民たちはラクダの飼育や塩水エビの収穫、養蜂を行い、コカラル・ダムの建設によって再生したアラル海北部で漁業を営んでいます。
ダミル・ファイズリン
Damir Faizulin®Anna Zakharova
Preserving Nature as Preserving Ourselves
ロシア人写真家ファイズリン(1986年〜)は、ロシア南部の北コーカサスに位置するダゲスタンの山々における自然や生活環境に焦点を当てています。その地に住む人々と自然との間にある危うい均衡が直面する危機を、ファイズリンは自身の写真を通じて浮き彫りにしています。彼の作品は現代における変化、ツーリズムの台頭、近代的な建造物の拡大、さらには長年にわたり築き上げられてきた構造や文化が顧みられなくなる状況を捉えつつ、同時にこの地域の美しさを称えています。
ウィリアム・ケオ
William Keo®Axelle Kane
Extramuros
現在のフランスを見つめるフランス人写真家ケオ(1996年〜)の作品シリーズは、大都市郊外に住む若者たちを主題としています。都市の外縁部は、社会構造に根差した暴力、経済危機の痕跡、そして1960年代から1970年代にかけての住宅政策の影響を色濃く感じさせます。しかし同時に、創造性と政治的革新の中心地でもあります。ケオは、ポストコロニアル時代において変化するフランスを、社会的、文化的、そして政治的な岐路に立つ姿として描き出しています。
スラヴァ・リュウファ
Slava Lyu-fa®Maria Lyu-fa
Inner Distance
サハ共和国の北極圏に位置するニジネコリムスク地区は、地理・時間・インフラのいずれの点から見ても、周囲から切り離された状態にあります。ロシアの最北東端にあるこの集落は、「人々、記憶、そして生き延びることの必然性によって結びつけられた、脆弱なシステムの一部である」と、ロシア人写真家リュウファ(1989年〜)は説明します。リュウファはこの作品シリーズで、同地区の様々な土地の姿を紹介しています。そこでは、漁師であれ研究者であれ、誰もが等しく気候と経済の変化に影響を受けながら、日々の暮らしを営んでいます。
2026年度ライカ・オスカー・バルナックアワード 情報
2026年10月8日(木)に予定されている授賞式の後、受賞作品およびファイナリストの作品はエルンスト・ライツ・ミュージアムにおいて2027年2月4日(木)までの期間、作品について詳細に説明するカタログとともに、大規模な写真展で紹介されます。ウェッツラーでの写真展を皮切りに、作品シリーズは世界各地のライカギャラリーや写真フェスティバルでも順次展示される予定です。LOBAは写真作品に授与される国際的に最も権威ある賞のひとつであり、賞金額においても世界有数となっています。一般部門の受賞者には賞金40,000ユーロと10,000ユーロ相当のライカカメラ製品が、新人部門の受賞者には賞金10,000ユーロと「ライカQ3」がそれぞれ贈呈されます。
・ウェブサイトでは、コンテストの概要が閲覧可能。
・過去の審査員と推薦者のインタビューも掲載されています。