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2026年度ライカ・オスカー・バルナックアワードが開催中。厳正なる審査を経てファイナリストが決定(2/2)

ライカカメラ社による国際写真コンテスト「ライカ・オスカー・バルナックアワード(LOBA)」が開催中。LOBAは世界的な権威を誇る写真コンテストで、1980年から始まり、今回は46回目となります。世界約48か国・130名以上の写真専門家による推薦をもとに審査が行われ、12名のファイナリストが選出されました。今年は一般部門・新人部門に加え、女性写真家のプロジェクトを支援する新プログラム「LOBA Women Grant」が創設されました。特に傑出した写真家として選ばれたファイナリストたちの作品を紹介します。

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目次
2026年度ライカ・オスカー・バルナックアワードが開催中。厳正なる審査を経てファイナリストが決定(1/2)

ファイナリスト

ヴァレリー・メルニコフ

Valery Melnikov®Alexandra Anikeeva

Mariupol – Open Wounds

ロシア人写真家メルニコフ(1973年〜)による作品シリーズでは、ウクライナの港湾・工業都市マリウポリに住む人々が主題として描かれています。2022年2月末から始まったロシアによるウクライナ侵攻と都市の包囲に伴い、容赦ない戦闘が続き、民間人にも甚大な犠牲者が出ました。メルニコフが現在取り組んでいるドキュメンタリープロジェクトは、戦争が街に残った住民たちに与える、耐え難い人道的影響に焦点を当てています。

04. Local resident Daniel (18) was wounded in the arm during a shell explosion near his house, Mariupol, Ukraine 2022. From the series“Mariupol – Open Wounds”
© Valery Melnikov/LOBA 2026

07. The Azovstal plant was the site of the fiercest fighting and was completely destroyed during the fighting between Ukrainian and Russian armed forces, Mariupol, Ukraine 2022.From the series “Mariupol – Open Wounds”
© Valery Melnikov/LOBA 2026

09. Local residents, father and son, are leaving the city, Mariupol, Ukraine 2022.From the series “Mariupol – Open Wounds”
© Valery Melnikov/LOBA 2026

ベネディクト・レンチ

Benedikt Renč®Tess Rencova

Cairo

チェコ人写真家レンチ(1982年〜)は自身の作品シリーズで、エジプトの首都と、そこで劇的に進む変化に対する独自の視点を提示しています。彼の目標はありのままの日常を捉えることにあります。「この荒々しく手つかずの現実をいまだ生きる最後の世代を記録したいと思いました」とレンチは語ります。「今、埃と石に囲まれたこの場所にいて、カイロが見分けのつかないほど変貌する中で失われてゆくひとつの雰囲気を、自身の手でとどめておきたいと思いました」。

01. Cairo, Egypt 2025. From the series “Cairo”
© Benedikt Renč/LOBA 2026

02. Cairo, Egypt 2025. From the series “Cairo”
© Benedikt Renč/LOBA 2026

13. Cairo, Egypt 2025. From the series “Cairo”
© Benedikt Renč/LOBA 2026

エリオット・ロス

Elliot Ross®Miguel De Leon

A Question of Balance

米国最大の先住民族保留地ナバホ・ネーションでは、水は決して当たり前のものではありません。米国南西部が史上最悪の干ばつに見舞われる中、台湾系アメリカ人の写真家であるロス(1990年〜)は民族的な境界線によって分断された水供給の物語に光を当てています。一人当たりの水使用量という点で見ると、ユタ州ワシントン郡で裕福なコミュニティが過剰な量の水を消費している一方で、その対角線上に位置するナバホのコミュニティは、日常生活に必要な水を欠いています。

06. The 2.4-hectare swimming pool in a housing estate is one of the ten largest in the world, Washington County, Utah, June 2024. From the series “A Question of Balance”
© Elliot Ross/LOBA 2026

07. Linda washes her hair with water from Goulding, half an hour’s drive away,Monument Valley, Arizona, June 2024. From the series “A Question of Balance”
© Elliot Ross/LOBA 2026

08. Florence Neztsosie, aged 90, has no running water and has only had electricity in her kitchen for two weeks, Navajo Mountain, Arizona, December 2025. From the series “A Question of Balance”
© Elliot Ross/LOBA 2026

アニー・サッカブ

Annie Sakkab

We Used to Watch the Rivers Go By

ヨルダンにおいて水は単なる物理的資源ではなく、石や土、さらには歌のなかに現れる「記憶」でもあります。「ある資源への好奇心として始まったことがやがて自分自身の歴史と受け継いできたものをより深く探求する営みへと変わり、何世紀にもわたる変化と困窮によって形づくられてきたこの国における、自らのルーツを探す旅となりました」。パレスチナ・ヨルダン系写真家サッカブ(1969年〜)は次のように語ります。「これは単なる水に関する研究ではなく、人々についての物語でもあるのです」。

02. Against the backdrop of a swirling sandstorm in the Wadi Rum desert, 71-year-old Mohammad Al Zawaideh navigates the landscape, Jordan 2025. From the series“We Used to Watch the Rivers Go By”
© Annie Sakkab/LOBA 2026

14. In the northern reaches of Jordan’s “Black Desert” sisters Maisa and Mona Al Bnayyan pose for a portrait in their family kitchen in the village of Jbayya, Jordan 2026. From the series “We Used to Watch the Rivers Go By”
© Annie Sakkab/LOBA 2026

15. Water scarcity in Jordan disproportionately affects lower-income neighbourhoods and refugee camps, unlike larger cities, where access is more regular, Jordan 2023.From the series “We Used to Watch the Rivers Go By”
© Annie Sakkab/LOBA 2026

デイヴィッド・スラーデク

David Sládek

People of Šumiac

旧チェコスロバキアで生まれ、イギリスとアイルランドを拠点に活動する写真家スラーデク(1976年〜)は20年近く前にスロバキアの小さな山村シュミアツに第二の故郷と呼べる場所を見出しました。それ以来、スラーデクはこの村の人々の生活や日常、そして伝統を記録し続けています。彼にとってこのモノクローム写真シリーズは、地元住民と、同じくその地に住みながらも、一本の小川によって物理的に隔てられているだけでなく、社会的にも完全に疎外されているロマという、二つの集団をつなぐ一種の架け橋となるものです。

03. Šumiac, Slovakia 2019. From the series “People of Šumiac”
© David Sládek/LOBA 2026

06. Šumiac, Slovakia 2021. From the series “People of Šumiac”
© David Sládek/LOBA 2026

08. Šumiac, Slovakia 2023. From the series “People of Šumiac”
© David Sládek/LOBA 2026

ライラ・アンマリー・スティーブンス

Laila AnnMarie Stevens®Amber N. Ford

Clayton Sisterhood Project

祖先を追憶したいという切なる思いに着想を得たアメリカ人写真家スティーブンス(2001年〜)は、自身の作品シリーズを通して、規範にとらわれない現代の親族関係や、力強く自信に満ちた黒人女性たちが後に続く世代へと残す遺産を探求しています。作品の中心に据えられているのは、写真家の2人の姉妹と4人の姪たちが自ら築き上げた生き方です。彼女たちはニューヨークのクイーンズからノースカロライナ州クレイトンに購入した一軒家に移り住み、共同生活を送っています。

01. Three generations: Geneva, Jennifer and Shantell, Bayside, Queens 2022.From the series “Clayton Sisterhood Project”
© Laila AnnMarie Stevens/LOBA 2026

05. Anaïs in front of a gallery of framed photographs of her women-majority family,Rego Park, Queens, New York 2021. From the series “Clayton Sisterhood Project”
© Laila AnnMarie Stevens/LOBA 2026

12. Stevens Family Portrait, South Jamaica, Queens, New York 2021. From the series“Clayton Sisterhood Project”
© Laila AnnMarie Stevens/LOBA 2026

2026年度ライカ・オスカー・バルナックアワード 情報

2026年10月8日(木)に予定されている授賞式の後、受賞作品およびファイナリストの作品はエルンスト・ライツ・ミュージアムにおいて2027年2月4日(木)までの期間、作品について詳細に説明するカタログとともに、大規模な写真展で紹介されます。ウェッツラーでの写真展を皮切りに、作品シリーズは世界各地のライカギャラリーや写真フェスティバルでも順次展示される予定です。LOBAは写真作品に授与される国際的に最も権威ある賞のひとつであり、賞金額においても世界有数となっています。一般部門の受賞者には賞金40,000ユーロと10,000ユーロ相当のライカカメラ製品が、新人部門の受賞者には賞金10,000ユーロと「ライカQ3」がそれぞれ贈呈されます。

・ウェブサイトでは、コンテストの概要が閲覧可能。
・過去の審査員と推薦者のインタビューも掲載されています。

Leica Oskar Barnack Award 2026 WEB

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