旅の記憶を呼び戻す
つい3ヶ月ほど前のことだけれど、あっという間に月日がたってしまったような気がして、すでに少し遠い記憶の中を漂っている、西インド&南インドへの旅。
そんな時には、データフォルダを丁寧に見返して旅の記憶を呼び戻してみる。
写真や映像は記憶を鮮明に思い出させてくれる大切なもの。
今回は、このインドへの旅を振り返りながら、3回にわたって体験したことや写真・動画をシェアさせていただきます。
インドを訪れたのは4月。
とても暑いのかと思いきや、なんだかいい気候で、モンスーン前のちょうどマンゴーシーズン到来の時期。
道端には、たくさんのマンゴーが並んでいて、「ひとつくださいな」と言うと、目の前できれいにナイフで剥いてその場で食べさせてくれる。とろっと甘くてジューシー。
今回、メインのデスティネーションは西インドにあるファームと、南インドの街。「南インドはとても穏やかな場所だよ」と聞いていたので、全体的にのんびりした旅になるのだろうと思い、やっぱりクラクションが飛び交う活気のあるエネルギッシュな街並みが少し恋しくなり、インド旅のはじまりは、インド最大の都市ムンバイを選びました。
多様な宗教やカルチャーが混ざり合いながら、それらが生活の中に色濃く映し出されているインド。
私にとっては、そこにいる人々や街そのものがとても魅力的。
ムンバイでの滞在は1日のみだったけれど、いろんな人とコミュニケーションをとりながら散歩を楽しみました。
しあわせな香りのひと皿
私は、今回訪れた南インドや西インドの食をとても楽しみにしていました。
南インドはお米を主食としているエリアで、カレーは野菜が使われているものが多く、スパイス、ココナッツが効いていて、北インドのカレーよりもさらりとしていて毎日食べても飽きない味。西インドはお米とパンの両方を主食にしていて、ベジタリアンも多いと言われているエリア。
南インド風のカレーは、日本でも食べていたり、自己流で作ったりするので、本場で味わうのが楽しみでした。
まずは西インドのムンバイ。ここでも、最高のカレーに出会うことができました。
水を片手にヒーヒーと大汗をかきながら食べるしあわせなひと皿。
暑い中でも食欲がすすむ。
皿が空っぽになりそうになると、カレーやライスを次々と盛りに来てくれる。
店を後にする頃には身体がスッキリ。
なんだか細胞が喜んでいるようだ。
厨房では、チャパティ(小麦粉を平たく伸ばして焼いたもの)が作られていました。
ものすごい火力で一気焼き。
超絶技巧の料理人たちが、街の至る所で腕を奮っている。
チャイ屋さんも、みぃつけた。
今回の旅のファーストチャイは、はじめて飲むターメリックチャイ。
ナッツとすりおろした生姜がたっぷり入っていて濃厚な味。
ムンバイの家庭の食卓を彩る野菜たち。
私は、日本で二拠点生活をしていて、その一つの拠点である高知の野菜の魅力を発信しようと小さなプロジェクトをやっています。だから、世界のお野菜事情がとても気になるのです。
ここで野菜を少し調達。
プネー郊外にあるファームに滞在
そして、私たちはムンバイから3時間ほどの場所にある、プネー近隣にあるファーム「Baap Beti Farms」へと向かいました。
BAAP BETI FARMS
その土地の風土や食を感じられるファームステイは、今の私にとっては旅と切り離せないものになっています。
Baap Beti Farmsは、オーナーであるSneha(下の写真の向かって左)が自ら学んだパーマカルチャーについて実践するフィールド。
このファームがあることで、土が生まれ変わり乾いた大地にも蜂や蝶、微生物が再び戻る。
それだけではなく、人の雇用も生み出し、持続可能な循環につながっている。
ファームでの滞在中は朝昼晩、隣人のSita(向かって右)が最高なインドの家庭料理のおもてなしをしてくれました。
中でも、Poha(ポハ)は私のお気に入り。
お米を平たくして乾燥させたもので、水で戻してオニオンやコリアンダーやターメリックなどと一緒に炒めて食べる。軽くて食べやすいので朝ごはんにぴったり。
他にもピーマンのピーナッツ詰めや、ダル(豆のスープ)やオクラのカレーなどいろんな料理をいただけます。
今回はゆるっとした旅のVlogも作りたかったので、ファームでも撮影を楽しみました。
モンスーンの時期に飲みたくなるチャイ
庭から摘んだレモングラスと茶葉、生姜とミルクを合わせて鍋で煮出すチャイミルクティー。
他の地域ではあまりない、西インドならではのチャイで、暑くてじめっとしたモンスーンの時期に好んで飲まれているそう。
レモングラスのさわやかでエスニックな香りにスパイシーなジンジャーが最高においしい…。
あまりのおいしさに歓喜する私たちに、Sitaはにっこり微笑む。
周囲に広がるありのままの地球の姿
ファームから見える少し先には、ダム湖がありました。
6月~9月のモンスーンの時期は、乾いた大地に緑が広がる。
きっと今頃は視界いっぱい、グリーンの景色なのだろう。
湖の周りの地面をふと見ると、辺りには鉱石が散らばっていました。
郊外から離れているこの場所は、人以外の生物が多くすむエリア。
ここには、ありのままの地球の姿があるようでした。
ファームでの2日間の滞在中に、何度もチャイを飲み交わし過ごした時間も宝物。
旅の序盤に、さっそく一番の旅のハイライトになるかもしれないほどの濃い時間を過ごすことができたのでした。
次回は南インドのゴア、コチを訪れます。
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AOI
映像クリエイター/プロトラベラー
東京と高知を拠点に、旅とライフスタイルをカメラで表現するクリエイター。旅先や日常のワンシーンからインスピレーションを受け、独自の目線で切り取ったエモーショナルな作品を発信している。