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不完全さとの距離感/古屋呂敏のFocal Length Vol.34

古屋呂敏<連載コラム>第3月曜日更新

その瞬間を永遠にしたいと願いながら、シャッターを切る。
心の揺れるままに、心の色のままに。
自分だけに見えていたその一瞬の世界は、
写真に残すことでさらに愛しく想えるものになる。
だから僕は、きっと永遠に写真を撮り続ける。

───俳優、カメラマンとして活躍する古屋呂敏の「Focal Length」。
連載を通して、写真だけではなく、
人との距離感、 生きるスタンスなど
さまざまな「焦点距離」をお届けします。
【撮影&テキスト:古屋呂敏 撮影機材:Nikon Z8】

  • 作成日:

Focal Length
今回のテーマは、「不完全さとの距離感」。

写真を始めたばかりの頃、多くの人が最初にぶつかる壁がある。

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

それは、「完璧な写真」を追い求めるあまり、自分の写真に自信を失ってしまうことだ。
構図、光、色、機材、技術。
すべてを正解へ近づけようとするほど、自分の写真には足りないものばかりが目につく。
きっと、多くの写真家が振り返ったとき、「あの頃の自分もそうだった」と思い当たる瞬間があるのではないだろうか。

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

けれど、不思議なことに、なぜか目を奪われ、何度も見返したくなる写真は、必ずしも完璧な写真ではない。

今回は、ポートレートを通して、その「不完全さ」に触れていきたい。
仕事で人物を撮影するとき、多くの場合、ヘアスタイリストやメイクアップアーティストなど、それぞれの分野に特化したプロフェッショナルとともに、一瞬の「完璧」をつくり上げていく。
丁寧に整えられた髪。
美しく仕上げられたメイク。
そして、被写体が最も輝く瞬間。

さらにポストプロダクションでは、跳ねた髪を一本一本丁寧に整え、白目の充血を消し、肌の質感や光のバランスまで細かく調整していく。
ここには書ききれないほど多くの工程を経て、一枚の写真は完成する。

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

もちろん、そうして生まれる写真も私は好きだ。
多くの人の技術と想いが重なって完成した、美しい一枚だから。

しかし同時に、完璧であるがゆえに、どこか少しだけ遠く感じてしまう瞬間がある。
人は不完全だからこそ、その人らしさが生まれる。
整わない前髪。
少し外れた視線。
意図しない表情。
わずかな隙。

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

そんな「整っていない部分」にこそ、その人だけが持つ温度や気配が宿ることがある。
写真にも同じことが言える。

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

完璧ではないからこそ、その一枚にしかない空気が生まれる。
そして私は、その空気にこそ、人の心を惹きつける力があるのではないかと思っている。

古屋呂敏(ロビン)がNikon Z8で撮影した写真 作例

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

Z8 + NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

最近、人物を撮影するときはNikon Z8を使用することが増えた。
でも、ちょっとした旅にはZfを手にとってしまう。
違うボディー、違う気分。
やっぱり写真は面白い。

プロフィール

古屋呂敏

俳優・フォトグラファー 1990年、京都生まれ滋賀/ハワイ育ち。2016年より独学でカメラを始める。Nikon Zf、Z8を愛用。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。MBS/TBS「恋をするなら二度目が上等」(2024年)などに出演。俳優のみならず、フォトグラファー、映像クリエイターROBIN FURUYAとしても活動。2022年には初の写真展「reflection(リフレクション)」、2023年9月には第2回写真展「LoveWind」、2025年6月、ニコンプラザ東京 THE GALLERY、2025年7月、ニコンプラザ大阪 THE GALLERYにて、写真展「MY FOCAL LENGTH」を開催。写真集に『MY FOCAL LENGTH』(ミツバチワークス)がある。

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