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新緑に包まれる福井の旅へ。第1回 美しい水に恵まれた「大野市」でパワーチャージ

Photo: 藤井音凛

東京から新幹線で約3.5時間、飛行機を使えば約3時間で行くことのできる福井県。その北東に位置する大野市、勝山市、永平寺町は、多くの魅力的な観光スポットがあるエリア。今回は、フォトグラファーの片渕ゆりさんと藤井音凛さんが、リフレッシュにぴったりの爽やかな風景を切り取れる新緑スポットを中心に、大野市、勝山市、永平寺町を巡りました。気軽に自然と歴史を満喫できる場所が盛りだくさんで、女子旅やカップル旅で楽しめること間違いなし。おすすめのスポットやグルメ、宿泊施設などを、エリアごとに3回にわたって紹介します。

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目次

第1回:雄大な自然に抱かれた歴史ある町「大野市」

Photo: 片渕ゆり

第1回は、1000m級の山々に囲まれた自然豊かな「大野市」。安土・桃山時代からの歴史をもつ城下町であり、美味しい湧水に恵まれた風光明媚な場所です。春にはビビッドなシバザクラが咲き誇り、景色を華やかに彩ります。大野市ならではの名物グルメも人気で、自然と歴史を感じながらパワーチャージできる町です。

新緑に包まれる福井の旅へ。大野市・勝山市・永平寺町に溢れる地球の恵でリフレッシュ

歴史が色濃く残る大野市でタイムスリップ

城下町散策で江戸時代に思いを馳せて

Photo: 片渕ゆり

Photo: 藤井音凛

「北陸の小京都」と呼ばれる大野市には、碁盤の目状に広がる通りがあります。中でもひときわ風情のある「七間通り」は、江戸時代から多くの店が軒を連ねていた歴史の残る通り。400年以上も続く朝市も、七間通りの見どころです。

Photo: 片渕ゆり

七間通りから程近く、お寺がずらりと並ぶ通りは、その名も「寺町通り」。風情溢れるこの場所には、中世以降に建てられたお寺が並んでいます。

Photo: 藤井音凛

木や石の壁が残る通りは、歩いているだけでタイムスリップした気分。歴史に思いを馳せながら、ゆっくりと散歩したくなる場所です。

Photo: 藤井音凛

町を囲む雄大な山々と盆地の地形のおかげで、一年中きれいな水がこんこんと湧き出るのが大野市のすごいところ。なんと、市内には10か所もの湧水スポットがあるんです。

Photo: 藤井音凛

城下町エリアの中にも、「御清水(おしょうず)」という湧水を汲める場所があります。水の透明度の高さにきっと驚くはず。

七間通り・寺町通り 基本データ

<住所>福井県大野市元町付近
<TEL>0779-65-5521(大野市観光協会)
<駐車場>城下町東広場駐車場、結ステーション多目的広場駐車場、元町会館駐車場 利用

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約40分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約35分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」から徒歩で約8分

「武家屋敷旧田村家」で一面の風車にうっとり

Photo: 片渕ゆり

「武家屋敷旧田村家」で誰もが目を奪われるのは、春から秋にかけて限定の風車棚。約二千もの風車がずらりと並んだその姿は、まさに圧巻です。カラフルな風車は見た目が美しいだけでなく、風が吹くとからからと涼しげな音を立て、耳も楽しませてくれます。

Photo: 藤井音凛

色とりどりの風車が並ぶ姿は、夏祭りのようなどこか懐かしい雰囲気。

Photo: 藤井音凛

風車が設置されているのは武家屋敷の外側ですが、中から撮るのもおすすめ。逆光になるので、シルエットが際立ちます。ひとつ100円で購入もできるので、手に持っての撮影も可能です。

Photo: 藤井音凛

昔ながらの日本家屋の中は、ひんやりとした風が吹き抜けます。心落ち着く空間で、ほっと一息つきたくなります。

武家屋敷旧田村家 基本データ

<住所>福井県大野市城町7-12
<TEL>0779-65-6212
<営業時間>平日 9:00~16:00
日曜・祝日 9:00~17:00
<休業日>年末年始 12月27日~1月4日、館内整理の期間
<駐車場>あり(9台)

入館料

大人 300円
中学生以下 無料
※令和4年の風車棚設置は4月29日(金・祝)~11月3日(木・祝)

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約40分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約35分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」から徒歩で約20分、タクシーで約3分

自然が生み出したユーモラスな「猫島」

Photo: 片渕ゆり

田んぼの中に突如あらわれる、猫のような姿。「猫島」という名前で呼ばれるスポットです。まんまるな顔にピンと耳が立ったようなユーモラスな形状に、思わず笑みがこぼれます。トトロのようにも見えると、地元の人にも評判です。映画の主人公になりきって、傘を持って撮影するのもおすすめ。

こちらのスポットは、なんと自然が生み出した偶然の産物だそう。林の中には「山伏岩」と呼ばれる巨大な岩があり、その岩のまわりに大きな木が2本生えてきたことで生まれた景色なんです。まさに、自然が生み出した奇跡!

Photo: 藤井音凛

時期によっては、水田で猫島のリフレクションを楽しむこともできます。広い空と猫島の緑が反射して、自然を感じる一枚に。

猫島(山伏岩) 基本データ

<住所>福井県大野市蕨生

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から 約45分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約40分
<電車>JR越美北線「下唯野駅」からタクシーで約5分

エネルギッシュに一面を彩る「シバザクラ」

Photo: 藤井音凛

大野市の春を鮮やかに彩るのは、目の覚めるようなピンクのシバザクラ。もともとは農家の方が雑草対策の一環として植えたものだったそう。それが広まり、いつしか大野市の春の名物に。今では大野市のいくつかの地区で見ることができます。今回訪れたのは「乾側(いぬいかわ)地区」と「小山(おやま)地区」。どちらの地区も、美しい山々と広い空をバックにシバザクラを撮影できるスポットです。

Photo: 藤井音凛

Photo: 片渕ゆり

シバザクラといえばピンクのものが有名ですが、実はピンクのほかに白と紫の種類もあるんです。淡い色がアクセントとなって、ピンクがより一層際立ちます。

Photo: 片渕ゆり

斜面いっぱいに咲き誇るシバザクラは、ポートレート撮影にもぴったり。エネルギッシュな色合いを画面いっぱいに切り取って。

乾側(いぬいかわ)地区 基本データ

<住所>福井県大野市下丁
<TEL>0779-66-3756(乾側公民館)
<駐車場>なし

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約35分
<電車>JR越美北線「牛ケ原駅」から徒歩で約15分

小山(おやま)地区 基本データ

<住所>福井県大野市飯降
<駐車場>なし

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約35分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約35分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」からタクシーで約8分

山ブドウ本来の美味しさを知る「白山ワイナリー」

Photo: 片渕ゆり

山ブドウを中心にワインを製造している「白山ワイナリー」は福井県内唯一の自家農園を持つワイナリー。一部は試飲も可能なので、実際に味わってお気に入りのワインを探せます。

Photo: 藤井音凛

ワイナリー内にあるショップからは、ワイン製造場の一部ものぞけるようになっています。

Photo: 片渕ゆり

カラフルなラベルに恐竜のイラストが描かれた可愛らしいワイン「Dinosaurs」。福井といえば恐竜が有名なので、お土産にもぴったりです。太古の地球を思い浮かべながら飲むワインは、いっそう美味しいはず。

Photo: 藤井音凛

山ブドウを使ったソフトクリーム「やまぶどうソフト」も味わえます。ぶどうの香りがしっかりありつつ、さっぱりとした甘さでなめらかな口溶け。雄大な山とぶどう畑を眺めながらいただくソフトクリームは格別です。
※4月下旬~11月初旬の期間限定販売

白山ワイナリー 基本データ

<住所>福井県大野市落合2-24
<TEL>0779-67-7111
<営業時間>9:00~16:30
<休業日>年末年始、1月~3月の日曜・祝日
<駐車場>あり(11台)

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約50分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約45分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」からタクシーで約15分

名水が生み出す大野市グルメを味わい尽くす

「お食事処しもむら」で大野市ならではの名物を

Photo: 藤井音凛

福井県グルメといえば「ソースカツ丼」が有名ですが、大野市のカツ丼はひと味違います。大野市の名物は、一般的なソースの味付けではなく醤油を使った「醤油カツ丼」。「お食事処しもむら」では、醤油カツ丼専用に作られたこだわりの醤油を使用しています。

Photo: 片渕ゆり

Photo: 藤井音凛

甘めであっさりとした醤油のおかげで、揚げ物とは思えないくらいのさっぱりとした仕上がりに。薬味の風味も加わって、ボリューム満点なのにどんどん食べられます。普段は揚げ物を食べない人でもぜひトライしてほしい一品です。

お食事処しもむら 基本データ

<住所>福井県大野市新庄15-22-2
<TEL>0779-65-2339
<営業時間>11:00~15:00(L.O. 14:30)
火曜・木~土曜 17:30~20:30(L.O. 20:00)
日曜・祝日 17:00~20:00(L.O. 19:30)
<休業日>月曜終日、水曜 夜の部
※その他臨時休業あり
<駐車場>あり(10台)

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約35分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約35分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」から徒歩で約20分、タクシーで約3分

旬の魚と名物グルメのアレンジを「うおまさcafe」で

Photo: 片渕ゆり

福井の魚市場で仕入れたばかりの旬の魚と、大野の名水で育った新鮮な野菜をふんだんに使ったメニューを堪能できる「うおまさcafe」。名物の「うおまさ特製ランチ」は栄養たっぷりで、ボリュームも満点。日本海で揚がった魚のお刺身は身が締まっていて旨味が凝縮されています。小鉢が並ぶお膳は華やかで、見た目も豪華です。

Photo: 片渕ゆり

Photo: 片渕ゆり

じつは、福井県は全国有数のそばの産地。うおまさcafeでは、大野市で育った風味豊かでもっちりとした食感のそばを味わえます。福井名物のカツ丼を鯖にアレンジした「熟成鯖の醤油カツ丼とおろしそばのセット」は、欲張りさんにおすすめ。鯖の醤油カツ丼はサクサク食感で、鯖の身もたっぷり。おろしそばは冷たいそばつゆでさっぱりとしていて優しい風味です。

Photo: 藤井音凛

食後のデザートとして人気なのは「黒ごまバナナジュース」。スムージーのような濃厚でクリーミーな食感で、しっかりとごまの香ばしさを味わえます。栄養たっぷりの黒ごまで、美味しくビタミンチャージを。

うおまさcafe 基本データ

<住所>福井県大野市明倫町9-10
<TEL>0779-66-2745
<営業時間>11:30~15:00 (L.O.14:00)
<休業日>毎週火曜
日曜日(不定休)
<駐車場>あり(10台)

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約35分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約35分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」から徒歩で約10分

飲むだけでキレイになれそうな発酵ドリンクをカフェ「きなり」で

Photo: 藤井音凛

Photo: 藤井音凛

大野市には古くから発酵文化が根付いており、多くのお店で発酵食品を味わうことができます。カフェ「きなり」もそのひとつ。発酵を生かしたフードやドリンクのメニューが豊富です。

Photo: 藤井音凛

イチオシのドリンクは「二色甘酒」。上半分がトマトジュース、下半分が甘酒でできており、赤と白の二色が美しいドリンクです。トマトの程よい酸味が甘酒のやわらかい甘さと絶妙にマッチ。

Photo: 片渕ゆり

季節のフルーツを使ったビネガードリンクも人気。フルーツとビネガーの生み出す爽やかな美味しさで、旅の中でたくさん歩いたあとのエネルギー補給にもぴったりです。

きなり 基本データ

<住所>福井県大野市明倫町11-8 Popolo.5(ポポロドットファイブ)内
<TEL>0779-65-3582
<営業時間>11:00~17:00(L.O. 16:30)
<休業日>毎週木曜、金曜
<駐車場>駐車場あり(6台、共同利用)

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約35分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約35分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」から徒歩で約8分

心のこもったおもてなしに癒される宿

一日一組限定、ほっとくつろげる「農家民宿このは」

Photo: 藤井音凛

Photo: 藤井音凛

ご夫婦が営む「農家民宿このは」は、一日一組限定で泊まれるお宿。自然豊かな「六呂師」エリアに位置し、心のこもったおもてなしと美味しいご飯が評判です。ここで過ごす時間を楽しみにしている常連のお客様も多いのだそう。館内に飾られているお花はどれも、庭で摘んできたもの。自然の中でのびのびと育った草花の姿に癒されます。

Photo: 片渕ゆり

Photo: 片渕ゆり

野菜をたっぷり使った夕ご飯は、すべて手作り。ご夫婦で育てた野菜や山菜もふんだんに使われています。天ぷらやおひたしなど、さまざまな調理法で山菜を味わえるのは、奥様がいろいろなレシピを積極的に試してきたおかげだそう。

Photo: 藤井音凛

Photo: 片渕ゆり

Photo: 藤井音凛

虫の声で眠りにつき、朝目覚めると鳥のさえずりが。すっきりと目覚めたあとは、美味しい朝ごはんをいただきます。窓の外の自然を眺めながら、手づくりで愛情たっぷりの朝ごはんをいただけば、自然と元気が湧いてくるはず。

農家民宿このは 基本データ

<住所>福井県 大野市南六呂師169-52
<TEL>0779-67-1217
<休業日>8月13、14日、12月28日〜1月4日
<駐車場>あり(5台)

行き方・アクセス

<車>北陸自動車道「福井IC」から約50分
北陸自動車道「福井北IC」から中部縦貫自動車道「大野IC」経由 約45分
<電車>JR越美北線「越前大野駅」からタクシーで約25分

雄大な山と美しい水に恵まれた「大野市」でパワーチャージ

Photo: 藤井音凛

風情漂う城下町を歩き、武家屋敷旧田村家で懐かしい風車を眺め、キャラクターのような猫島や、美しいシバザクラから自然のエネルギーを感じることのできる「大野市」。山ブドウのワインや旬のお魚、大野市名物の醤油カツ丼の美味しさに感動して、発酵ドリンクでキレイをチャージ。心のこもった民宿であたたかい雰囲気にほっと一息ついて、自然に囲まれて眠る。ゆったりと大野市で過ごす時間は、元気をくれるはずです。

越前おおの観光ガイド 大野市公式WEB

片渕ゆり(ぽんず)

フォトグラファー/ライター 佐賀県出身・東京在住。大学卒業後、コピーライターとして働いたのち、どうしても長い旅がしたいという思いからフリーランスに。2019年から旅暮らしをはじめ、TwitterやnoteなどのSNSで旅にまつわる文章や写真を発信している。著書「旅するために生きている」を上梓。

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藤井音凛(オリン)

フリーランスカメラマン 1999年生まれ、鹿児島県奄美大島出身。カメラ歴5年。看護学生時代にカメラを始め、2021年より本格的にカメラマンとして活動開始。心が揺らぐ言葉と写真を組み合わせた「オリンの世界」をSNS中心に発信中。一般の方から企業まで、それぞれの想いに寄り添いながらポートレート、商品、作品撮りなど幅広い分野の撮影を手掛ける。

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