プロフィール

坂東龍汰
俳優 1997年ニューヨーク生まれ、北海道育ち。2023年、第32回日本映画評論家大賞 新人男優賞(南俊子賞)受賞。近年の主な出演作は、映画『若武者』(二ノ宮隆太郎監督)、『ふれる。』(長井龍雪監督)、ドラマ『RoOT / ルート』(TX)、『366日』(CX)、金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』(TBS)など。25年1月17日に主演映画『君の忘れ方』(作道雄監督)が公開。
Q.11 撮られること、撮ることの相互作用は?
A. 撮られることを知っているからこそ、撮り手としての理想の姿をもてる

中2のときに祖父からカメラをもらって写真を始めたのですが、人を撮る楽しみを知ったのは、お小遣いを貯めて50mmの単焦点レンズを手に入れてから。それがもう革新的で。こんなに後ろがボケるの!?って(笑)。本当に美しくて、人を撮るのがめちゃくちゃ楽しくなりました。今も現場で誰かを撮ることをいつも楽しんでいます。
最近2回ほど仕事で人を撮ったのですが、そのとき初めて感じたのが、撮ることの責任感。絶対に撮れてないといけない。今まで自分を仕事で撮ってくれた人も、こういうプレッシャーの中にいたんだな、と改めて感じました。

撮り手としてこうありたい、と思うこともいくつかあります。ひとつめは、撮りたい画を叶えるためにピリッと集中する時間と、相手のいい表情をただ撮りたいという時間の強弱をつけること。ふたつめは、「笑って」って絶対に言わないこと。自分が言われるのがあまり好きではないから。あともうひとつ、何も言わないで撮る、というのもしたくない。もちろん、お互いが集中モードになってるような「いい静寂」というのもある。でも、この人自分に興味ないのかな?って思う静寂は好きじゃない。そういうのを感じちゃうときもある。だから僕はちゃんと「素直な気持ち」を伝えながら、相手に少しでもそんな想いを抱かせないように撮りたいな、って思います。

GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 撮られること、撮ることの相互作用は?
GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある
人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。