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プロフィール
蜷川実花
写真家・映画監督 写真を中心として、映画、映像、空間インスタレーションも多く手掛ける。木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。2010年Rizzoli N.Y.から写真集を出版。『ヘルタースケルター』(2012)はじめ長編映画を5作、Netflix『FOLLOWERS』(2020)を監督。写真集120冊以上を刊行、個展150回以上、グループ展130回以上と国内外で精力的に作品発表を続ける。個展「蜷川実花展 : Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」(TOKYO NODE 2023年12月~2024年2月)にて25万人を動員。最新写真集に『Eternity in a Moment』。
展示作品の一部と解説
本展覧会は、京都国際観光大使も務めた蜷川実花が、時といのちの流れを感じる京都の街からインスピレーションを受け、「彼岸の光、此岸の影」をテーマに手掛けました。本展のために制作した作品にはCGではなく、全て現実世界の写真・映像を用いており、日常の中にある光と影にフォーカスした“光(こう)彩色(さいしょく)”、“影(えい)彩色(さいしょく)”で表現した空間となっております。光と影、彼岸と此岸、作家と鑑賞者、自己と他者など、相反するものの境界線が揺らぎ、視覚や感覚を通じて、自身の記憶や感情と共鳴する “百人百様”の体験ができます。展示は空間全体を使った全10作品で構成された体験になっており、映像によるインスタレーション、立体展示などを通し、鑑賞者が作品の中に入り込み、自身がまるで物語の主人公になったような全10話の”絵巻体験”へと誘います。
── 蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影 実行委員会 プレスリリースより
《 Flowers of the Beyond 》
4000本以上の彼岸花が織りなす真っ赤に染まった空間が、鑑賞者を包み込む作品。突如展開される全面真紅の空間は、色彩の劇的な変化により、異界に入ったことを認識します。彼岸の象徴である花々と共鳴し、鑑賞者に多様な感覚を呼び起こします。
《 Whispers of Light, Dreams of Color 》
約1500本に及ぶクリスタルガーランドが様々な光のなかで揺らめく空間を漂う体験。鑑賞者が空間に入ることで、その対流の影響でクリスタルは静かにゆらめきます。遠目では、いのちの集積体のように多様な光を帯びて輝いて見え、近づいてみるとクリスタルや蝶、星、ハート、目玉、イミテーションの宝石など多様なモチーフを発見することができます。
《 Silence Between Glimmers 》
人の背丈程度の大きな6枚のガラスパネルに、花畑、蝶、藤の花、桜、そして海中の光景などの光と影が織りなす写真と、オーロラフィルターが対となって配置された作品です。鑑賞者は作品の中に入ることで、自身の動きや視点によって、多様な光の表情がオーロラフィルターに映し出され、空間全体に揺らぎをもたらします。ガラスパネルに差し込む光は、記憶や感情、時間の流れを象徴し、ただ観るだけの場ではなく、光を通じて自己と向き合い、未知の内面的な世界を旅する体験につながっていきます。
《 Dreams of the beyond in the abyss 》
本展覧会のハイライトとなる深淵は、奈落のように天地が抜ける空間と、その空間を内包する造花が咲き乱れる空間より構成されます。外側に広がる空間は、深淵の中でありながら突然視界が開け、色鮮やかな花々が咲き乱れます。そこは黄泉の奥底のようでもあり天上の世界のようでもある。その中で体験を共有する鑑賞者同士も含めて、まるで彼岸の夢のような共同幻想が形作られます。
「蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影」情報
開催日時
2025年1月11日(土)〜3月30日(日)10:00〜18:00
休館日:月曜日
※最終入場は17:30まで
※月曜日が祝・休日の場合は開館
入場料
大人 2,300円
大学生・専門学校生 1,600円
高校生 1,100円
中学生・小学生 800円
未就学児 無料※保護者(中学生以上)の同伴が必要
会場
京都市京セラ美術館(京都市美術館)
- 〒606-8344京都市左京区岡崎円勝寺町124
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
京都市営地下鉄東西線「東山駅」から徒歩で約8分
京阪電鉄本線「三条駅」、京都市営地下鉄東西線「三条京阪駅」から徒歩で約16分
JR・近鉄・京都市営地下鉄烏丸線「京都駅」から、京都市営バスで「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ