蜷川実花プロフィール
写真家/映画監督 写真を中心として、映画、映像、空間インスタレーションも多く手掛ける。木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。「ヘルタースケルター」(2012)、「Diner ダイナー」(2019)はじめ長編映画を5作、Netflixオリジナルドラマ「FOLLOWERS』を監督。最新写真集に「花、瞬く光」。クリエイティブチーム「EiM : Eternity in a Moment」の一員としても活動している。
新たな時代へ、日常の一瞬の中での普遍性を、人々と未来につなぐ自然生命の儚い美しさを、100万色もの色彩で表現
これまで、写真家・映画監督として、コントラストの強い鮮やかな「極彩色」の作品が特徴的だった蜷川実花。
パンデミックを機に、世界とよりピュアに向き合うことでその美しさをあらためて実感し、光に包まれた「光彩色」の新たな表現が生まれました。作品づくりの主語も「I」から「WE」に大きく変化。2022年東京都庭園美術館の「蜷川実花 瞬く光の庭」で発表された、夢かと見まがうような現実の一瞬を映し出す写真や、ダイナミックな映像インスタレーションは、新機軸として大きな話題となりました。
TOKYO NODEの個展と本展ではさらに発展し、日常にある多様な色を最大限引き出し、人が識別できる最大数と言われている100万色もの色彩による作品が発表されています。
世界から色が消えたような無彩色の作品から始まり、さまざまな生活のシーンや季節の変化、自然生命の儚い美しさを、日常に溢れるエネルギーや色彩で写真に表現。自然のいのちの力と多様な豊かさ、枯れた花々が落ち、種子が散りゆく生命の終わりと再生の始まり。観る人は自身の体験や感情と結びつき、普遍的な心象風景として、永遠の存在へ、未来へと思いを馳せることができるでしょう。
今回の作品はすべて日常の延長線上にある何気ない場所で撮影され、普段目にする日常の景色でも少し見方を変えるだけで全く異なる美しさや情感に出会えることを示しています。
また2023年、小山登美夫ギャラリー前橋での個展で評判を呼んだインスタレーション作品「残照」も、新たに自立した立体作品として発表されています。
蜷川実花の花々はいつも強くて眩しすぎる。彼女をそれほどまでに突き動かすものは何なのか。その眩しすぎる艶やかな世界に至るまでに、どんな暗闇を通ってきたのか。彼女の作品が輝きを放つのは、誰もが直面する日々の葛藤もパンデミックも戦争も、すべて一旦受容して、それでもなお、『いま、ここ』を生きようとしているからなのか。激しく揺れ動くその感情の根底を、本展では見られるだろう。
森美術館館長 片岡真実
日々の移ろいから普遍的な美しさに気づき、世界と自身の存在のつながりを実感する大きなきっかけとなり得る作品展です。
蜷川実花展「Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」情報
開催日時
2023年12月23日(土)~2024年1月27日(土)11:00~19:00
休廊日:日・月曜、祝日
※冬季休廊 2023年12月28日(木)~2024年1月8日(月・祝)
入場料
無料
会場
小山登美夫ギャラリー六本木
〒106-0032 東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
行き方・アクセス
<電車>東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木駅」から徒歩で4分
- 【お問い合わせ先】
- 小山登美夫ギャラリー六本木
- 03-6434-7225
- tomiokoyamagallery.com