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プロフィール

倉本侑磨
フォトグラファー 1983年生まれ、静岡県出身。2010年独立、2012年Pygmy Company設立。雑誌やカタログでのファッションやアーティスト撮影など幅広く活動中。一般の人を撮る倉本写真館プロジェクトも実施。
愛用カメラ:Canon R5、Nikon F3、KODAK PIXPRO FZ55
愛用レンズ:Canon RF85mm F1.2L USM、RF24-240mm F4-6.3 IS USM
- Instagram @kuramoto.yuma_works @kuramoto_shashinkan / WEB
Q.12 アウェイな現場で、最大のパフォーマンスを発揮するには?
A. 開き直って、ポジティブに楽しむ。
計算通りではなくても、面白いことが生まれる可能性がある

「時間がない表紙撮影で、山﨑さんとは初対面…というちょっとプレッシャーがかかる現場。山﨑さんはクールに見えるのに、喋ったらすごく人間味がある印象。撮られている時と話している時のギャップが、とても魅力的だと思いました」。
「僕にとってのアウェイというのは、いろいろと制約がある現場のことです。たとえば、外国人アーティストだと15分しか撮影時間がないとか、中には撮られたい気分じゃなくて協力的ではない人もいます。場数を踏むと相手のテンションがわかるので、状況によっては、撮りたかったカットを諦めることもあります。その上で、諦めたものに代わる要素を、たった15分とか30分の中で別の何かで取り返しにいったりします。追い込まれて頭が真っ白になりそうな時ほど、アドレナリンが出てその状況を楽しんでいるかもしれません。『俺が登れなかった山はない!』と自分に言い聞かせて、ポジティブに変換できるプレッシャーを発動する感じ(笑)。最終的にその時を楽しめないことは損な気がして、開き直ってメンタルを切り替えます。その結果、僕の言葉使いが少し変わったりすることで相手のスイッチも変わるとか、いくつか効果的だと思うテクニックがあるのですが、それらは今までの経験で培ったものです。とはいえ、すべてを自分のコントロールのもとに撮っている訳ではありません。計算通りではなくても面白いことが生まれる可能性を楽しむことで、結果的にいい写真が撮れたり、僕自身も学ばせてもらえることがたくさんあります」。

「 あえてライトの照明を1発にして、レンズの奥にある丸を見ていただくようお願いしました。カメラの奥をぐっと見ることで、とても強い目線が撮れた一枚」。

「バスケットボール選手2人の表紙撮影。先輩の比江島さん、後輩の河村さんというキャラや立ち位置をこの一枚で表現しました」。

「草原で泣いてもらうシーンの後に撮ったカット。泣いた後の目が赤らんだ状態の笑顔に、なんとも言えない魅力を感じました」。
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. アウェイな現場で、最大のパフォーマンスを発揮するには?
Edit:Satoko Takeda
GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある
人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。