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プロフィール
haru
サラリーマン カメラ歴10年。イベント関係の仕事で記録係に任命され、Canon EOS Kiss X2とキットのズームレンズを使用。せっかくなら良い写真を残したいと試行錯誤するうちに、徐々に写真の虜に。EF50mm F1.8 STMを購入してから、単焦点レンズのボケ感にハマり、今でも単焦点レンズばかりを愛用している。自身の写真作品や、Lightroomのプリセットをオンラインショップで販売中(https://harustop.booTh.pm/ )。
愛用カメラ:FUJIFILM GFX 50R、FUJIFILM X-T1
愛用レンズ:Mamiya SEKOR C 80mm F1.9、SMC PENTAX67 105mmF2.4、Super Takumar 55mm F1.8
個性を作風に乗せてSNSで脚光を浴びる表現者たち
記憶を呼び覚ます「なつかしい」風景
「今年の桜の時期は、よく晴れてくれたので撮影がしやすかったです。背景の桜の前に浮き出るようなオレンジのミラーが際立ち、特に左右確認の文字に斜めに光が入ることで、写真にメリハリが出たと思います」。
「小学校を見ると、それだけで懐かしくて様々な記憶が蘇ります。この写真は、その当時の目線になるように、少し低い位置から撮影しました」。
見る人が導き出してくれた私らしさの方向性
「公衆電話は、テレホンカードを財布に入れていた時代を思い出します。今でも見かけるとつい撮影してしまいます。この時は右から光が射していたので、その光で写真を斜めに二分するような感じに撮ろうと思いました」。
「実は私の作品の自分らしさは、SNSで見てくれる人たちが導き出してくれたものです。最初は特にカメラの知識もないまま、猫の写真を友達と見せ合うために始めたInstagramでしたが、次第にそこに掲載することをモチベーションに撮影するようになりました。今の作風に定まるまでには、被写体も機材も色々と試しましたが、投稿して好評だった写真の傾向を絞っていくと『なつかしい写真』というイメージが浮かんできたので、このテーマに絞って撮ろうと決めました。主に子どもの頃の下校風景や田舎の実家の風景など、何気ない記憶を思い出させるようなものを探して撮影しています」。
「この写真はFUJIFILM GFX 50RとMamiyaの80mmを使い始めたばかりの頃に撮影したものです。自然光だけで偶然ライティングが完成しており、光の当たり方次第でこんなに綺麗に撮れるということに気づいた1枚でした。光と影をより意識しながら撮るようになったきっかけです」。
自分の思い出をなぞるからこそ生まれる自分らしさ
「子どもの頃、電車の先頭車両から外を見るのが好きでした。その昔のおぼろげな記憶といった雰囲気を出したいと思い、逆光でフレアを出しつつ、淡い雰囲気で車掌さんのシルエットを撮影しました」。
「なつかしさを意識して撮る際には、どうしても自分の過去の記憶がベースになるので、それが自然と自分らしさにつながっているのかもしれません。自分のテーマを表現するために、デジタル写真をフィルム風に仕上げています。そして編集する際の自由度を上げるためにISO感度はできるだけ上げずに撮っておきたいので、明るい単焦点レンズを使用しています。ボケ感によって雰囲気を出したいという意図もあります。写真を見てくれた人からの『思い出が蘇りました』とか『フィルム写真だと思いました』というコメントはテンションが上がります。共感が多いことは、いい写真が撮れるようになったんだなと思える気がするからです」。
「昔ながらのタバコ屋さんはかなり減りましたが、たまに現役のお店を見かけます。ここは古いガムの商品台も現役で使っていたので、興奮して撮影した思い出があります。お店の方の趣味を感じられる小物類も豊富で、レトロ好きにはたまらない風景を切り取ることができました」。
「夏祭りは子ども時代の楽しみのひとつで、特に金魚すくいは必ずやっていました。夏の日差しの雰囲気を撮りたくて、あえて日が当たる屋台を探して撮影しました」。
GENIC vol.71【個性を作風に乗せてSNSで脚光を浴びる表現者たち】
Edit:Satomi Maeda
GENIC vol.71
2024年7月号の特集は「私の写真世界」。
写真は生き様が反映されるアート。何を感じ、何を受け取って生きてきたのか。写真に投影されるのは、自分自身です。自分らしさとはいったい何なのか?その回答が見つかる「作品」特集。私の写真世界へようこそ。