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【透明感を追い求めて:5】Fujikawa Hinano

見る人の心にスッと寄り添う、透き通るような"素肌"の美しさ。
なぜ見る人の心を惹きつけるのか。そこに宿る"透明感"の正体とはいったい何なのか。
第一線で活躍する写真家たちが切り取った、一瞬のきらめきの先にあるそれぞれの透明感。そしてそこにある想いに迫りました。
5人目は、温もり、色彩、感情...その人の美しさを引き出す写真家、Fujikawa Hinanoさんです。

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Fujikawa Hinano

写真家 東京都出身。WEBメディアでの撮影、ブランドのルック撮影、映画のスチールなど、幅広く活躍中。日常の中にある曖昧さ、そして感情を丁寧に表現することを心がけている。http://hinanofujikawa.com
愛用カメラ:NIKON F3、NIKON FE2、NIKONF4、CONTAX TVS、GOKO MACROMAX Z 3200
愛用レンズ:Nikkor S Auto 5cm F2、Nikkor S Auto35mm F2.8など

そのままでいいよ。

「脚にオーラのようにかかる光が神々しくてシャッターを切りました。女性の体ってパーツだけでも十分美しくて、見る人に何かを訴える力がありますよね」。

「碧さん(@konpeki_no)とにこさん(@__25g___)をモデルにした“ふたり”という作品です。バーコードのシールを使ったのですが、二人だけの秘密であり、ある意味一緒に秘密を共有している共犯のような世界を表現したかったんです」。

女性の素肌の魅力は「肌の温度」が伝わってくること。そして透明感とは「気持ちのいい朝の光のようなすっきりした状態」で、それを引き出すために、透き通った柔らかい光を意識することを心がけているそう。

「カジタヒカルさん(@hikaru08_)をモデルにした1枚。黒髪のロングの理想的な女の子が、目線ひとつ動かすだけで雰囲気が変わり、さらに引き込まれる表情になる。小さな変化を写していったものです。私からみた女の子の魅力みたいなものを詰めこんだ写真です」。

自分を愛してあげている人はみんな美しい

「私は様々なものを撮りますが、その中でも“素肌”を撮る撮影は自分にとっても大切な撮影です。内に秘めたものを見せていただく以上、私も内側を見せるべきだと思いますし、撮らせていただく以上その質感を壊さずに、より美しく見せたいです。そのためにはなるべく近い距離感で撮りたいので、派手な装飾はせず、被写体の方と私だけでゆっくり時間をかけて撮っています。パーソナルスペースにいきなり入り込みすぎないこと、素敵だと思ったところは直接ストレートに伝えるなど、独りよがりにならず、被写体の感情と一体化することが大事だと思っています。

あとは、その人の美しい部分を私が見つけ出し、シャッターを切るだけです。素肌を撮ることで伝えたい想いは“そのままでいいよ”ということ。日々、外ではみんなそれぞれが様々な問題と戦っていて、気を張ったり、劣等感を抱えたり、傷付いたりすることもあると思います。そういった日々のいろいろなモノを取り除いた状態=素肌、を撮ることで、”無理しなくていいし、そのままが超素敵だよ”と伝えたい。自分を愛してあげている人は、みんな美しいと思っています。

フィルム写真って粒子が入るので質感はざらっとするのですが、なるべくクリアな空気感を写したいと考えて撮っているので、見る人に透明感を感じていただけたら嬉しいです」。

温度感・質感・柔らかさ。彼女たちのありのままを映し出したい

「手が好きでよく撮影します。光と影のコントラストから生まれる“鈍くなる境界線”を表現しました」。

「後藤さくらさん(@ssa9ra)との撮影。“幸せは優しくて、暖かい”そんな幸せに包まれた後の余韻が残る優しい香りをイメージした作品」。

Fujikawa Hinano Instagram
Fujikawa Hinano Twitter

GENIC vol.62 【表現者たちのファインダーのその先に、透明感を追い求めて】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.62

テーマは「素肌と素顔を写す」。
人の美しさを大切に写しとった「素肌」と「素顔」の世界をお届けします。「性」ではなく「生」を感じる、神秘的で美しい森に迷い込んでしまったような写真たちと、そこにある撮り手の想いに迫ります。

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