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プロフィール

Fujikawa hinano
写真家 東京都出身。大学生のときにカメラを始める。現在はブランドのルックブック、アーティスト写真、映画のスチール、雑誌などで活躍。「日常と非日常の中にある曖昧さ、そして感情を丁寧に表現したい」と考えシャッターを切っている。
愛用カメラ:Nikon F3、Nikon FE2、CONTAX TVS
愛用レンズ:Nikkor-S Auto 5cm F2など
Q. ポートレート写真がグッと面白くなる背景の選び方とは?
A1. 背景をワントーンでまとめる
背景をシンプルにまとめることで、おしゃれなミニマル写真に


「私の場合ですが、人物の服装の色味と相反する場所や、影が面白く出ているところ、そして背景の色が統一されているシンプルでいて少し癖のある背景を探すことが多いです。上の写真はそれぞれ背景がワントーンで、かつ形もミニマルで可愛いなと思って撮影しました」。
A2. 小道具を使うことで何気ない風景が特別なものに
見方を変えるだけで独自の世界観が完成する

「いつも通る道で撮影した作品。普段何気なく通り過ぎている道も、小道具や衣装、ヘアメイク、モデルさんによって変化し、独自の世界観を創造できます。大半の人が通り過ぎてしまうような場所も、よく見たら可愛い配色や看板があったり、面白い構図になる場所だったり、抜けがきれいな場所があったりと、見方を変えるだけで素敵な背景になる場所がたくさんあります。また、道でポートレート撮影するときは、通行人の迷惑にならないこと、他の方のお顔が写らない場所、背景に著作権が発生するイラストなどがないかも気にしています」。
A3. 被写体と相反する背景を選ぶ
新成人と歴史ある建物。ストーリーのある対比が面白い

「地方の道で冬に撮影した写真です。成人式の真新しい振袖と歴史を感じる古い建物が対比になっていることで情緒が出たと感じています。そういった被写体のストーリーを考えて背景を選ぶのも写真に奥行きを与える一手だと思います。また、撮影場所を決めずに撮影するときは、人通りが少なく、広い場所であれば、焦らずに面白いものを見つけることに全集中できます。そして自分のよく行くエリアから離れた知らない駅で降りてみるのもおすすめです。そこで出会うお店や道など、全てが新鮮に見えるので楽しいと思います。関東だと、神奈川の三浦や、群馬県、都内だと板橋区や北区などが好きです」。
A4. 鏡を活用する
ファインダーを覗いたとき、ときめくかどうかでシャッターを切る

「ミラーがある壁を見つけたので、それを利用して撮影。写真の中に2つの世界が生まれるのが鏡を使う面白さだと思います。自分の目で見たときに特に何も感じない風景・背景だとしても、一度ファインダーを覗いてみてください。写真となってからその先に見える世界があるので、ファインダー上で自分がときめくかどうかでシャッターを切るようにしています」。
- Model:
- 陶崎智 @to_mo_su
- イトウハルヒ @as_sakana.dot
- 麗怜衣 @uruwashirei
- Yukie @oyasumi_2020
GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. ポートレート写真がグッと面白くなる背景の選び方とは?
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.73

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