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都市の日常 KD

壮大な都心の風景、秩序あるビル群、色彩豊かな夜景、人々が行き交う駅。そこには、その日その瞬間にだけつくり出されるワンシーンがあります。人の生活に密着しているからこそ生まれる都市だからこその顔を、オリジナリティある表現で切り取る3名の作品とその想いをお届けします。
「都市が見せた瞬間-CITYSCAPE MOMENTS」3人目は、街に流れる情緒をドラマチックに写し出す、会社員で写真家のKDさんです。

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目次

プロフィール

KD

会社員・写真家 大阪府出身。海外のオンラインサロンにて写真を学び、写真家を志す。現在は商品撮影や、アスリート・アーティストの宣材写真、企業のSNS 用写真や動画などを撮影。夢は都内の有名美術館に展示すること。
愛用カメラ:Sony α7R III
愛用レンズ:FE 12-24mm F4 G

都市が見せた瞬間-CITYSCAPE MOMENTS

都市の日常 KD

「東京駅周辺で、早朝の光がビルの間を照らし出し、まさに都会を感じさせる瞬間でした」。

街灯が並ぶ規則性、光と影のコントラスト… 些細なことでも自分が感動した瞬間にシャッターを切る

「学生時代から見慣れた大阪駅周辺の眺め。時期が来ると光が差し込み、幻想的な影を映し出す。この写真は、まるで彼らが示し合わせたかのように等間隔に並ぶ奇跡的な瞬間でした」。

「おしゃれな街灯と無秩序に張り巡らされた電線が面白く、海外を感じさせました。街の温もりを感じさせる風景に、家族が待つ家に帰るのか、歩くサラリーマンが馴染んだストーリー性のある作品になりました」。

「元々構造物が好きで、建物や景色を楽しみながら写真を撮れるシティスケープ撮影に魅力を感じます。街灯が並ぶ規則性、光と影のコントラスト、職人の熱意を感じる瞬間、偶然飛んだ鳩……。些細なことでも自分が感動する瞬間はシャッターを切りたくなります。『この場所を撮りたい』と思ってその場所に赴くことはほぼありませんが、『こういう写真が撮りたい』というイメージは常に頭にあり、それがどこで実現できるかを探していることが多いです。だからこそ、そのイメージを超えて、なお自分らしい写真が撮れた時は嬉しくて、思わず誰かに見せたくなります」。

被写体や背景の要素を自由に選択できるのがシティスケープの魅力

「2024年春、再開発された新宿西口。忙しない人々の往来を長秒で表現し、どこへ行くのかという妄想を掻き立てられるような作品に」。

「シティスケープ撮影は被写体や背景の要素を自由に選択できるのが魅力だと感じます。看板や建物の角度一つをどのようにフレームに収めるか、もしくは収めないかも含め、考えるプロセスが非常にクリエイティブで面白いです」。

「上野周辺の冬、太陽が昇った瞬間、その圧倒的な光景に思わず手が震えました。日常の中に潜む非日常を切り取ったインパクトある作品になりました。一年でこのビルの隙間からこの高さで太陽が昇るのは数日あるかないかで、何カ月も前からどう撮影するか計画していたことを覚えています」。

KDさんらしいシティスケープ写真は?「意識してはないですが多くの方から主に3つをよく言われます。一つ目はスケール感。二つ目は『こんな場所あるんだ』『そう切り取るんだ』と感じさせる新鮮さ。三つ目は季節や時間帯がもたらす瞬間の美しさと、それに伴うストーリー性です。同じものを見ても感想は人それぞれで、だからこそ『自分はこう見ています』と伝えることは意味があると思っています。私の写真を見たその日から、その人にとってその場所の見え方が良くも悪くも変わるなら、それは写真をしていてよかったと思う瞬間かもしれません」。

GENIC vol.72【都市が見せた瞬間-CITYSCAPE MOMENTS】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.72

9月6日発売、GENIC10月号の特集は「Landscapes 私の眺め」。
「風景」を広義に捉えた、ランドスケープ号。自然がつくり出した美しい景色、心をつかまれる地元の情景、都会の景観、いつも視界の中にある暮らしの場面まで。大きな風景も、小さな景色も。すべて「私の眺め」です。

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