CP+主催フォトコンテスト「ZOOMS JAPAN 2025」ショートリスト8作品が決定 vol.1(佐藤幸浩、柴田祐希、竹腰隼人、藤井ヨシカツ)
「ZOOMS JAPAN」は、フランスのフォトコンテスト「Les Zooms(レ・ズーム)」にCP+が賛同し、新進写真家の世界進出を応援するため2015年から開催、今回で8回目を迎えるフォトコンテスト。昨年11月末で応募を締め切り、応募総数331作品の中から、フランス写真界の第一線で活躍する審査員の厳正な審査により、最終選考作品であるショートリスト8作品が決定しました。本記事 vol.1では佐藤幸浩、柴田祐希、竹腰隼人、藤井ヨシカツ、4名の作品をご紹介します。
グランプリ受賞作品は、CP+2025会場及び、本年10月にパリで開催される写真映像機器ショー「Salon de la Photo(サロン・ドゥ・ラ・フォト)」会場で展示。さらに、同イベント期間中に現地パリに招待され、フランス写真界のキーパーソンから、アドバイスを受ける機会を獲得できます。グランプリは、2月21日(金)に発表予定。
個展
・2024 愛知県 ジェイアール名古屋タカシマヤ「鎮守天降る所」
・2023 愛知県 ジェイアール名古屋タカシマヤ「寂として」
・2023 東京都 Double Tall – Art and Espresso Bar「世界を反転させて - hide and seek -」
・2016 愛知県 NIAgallery「FIGMENT」
・2015 愛知県 TORIDE「暉の森」
受賞歴
・2024 アメリカ New York Art Competitions「第6回 チェルシー国際写真コンペティション 2024」Cash Prizes Awards 受賞
・2022 イギリス「Quality Art Foundation Award」写真部門優勝
・2017 東京都 EMON PHOTO GALLERY「7th EMON AWARD PhotoCompetition」ショートリスト
・2017 東京都 The Artcomplex Center of Tokyo「ACTアート大賞展」優秀賞
・2016 東京都 国立新美術館「アジア創造美術展2016」新人賞
・2015 全国29展示会場「FUJIFILM“PHOTO IS”」小山薫堂推薦 100選入賞
ZOOMS JAPAN 2025写真賞の8人のファイナリストの作品には、「アイデンティティ」という共通のテーマが見受けられます。柴田祐希は、自らのルーツを辿ることでアイデンティティを探求し、佐藤幸浩はアイデンティティの奪取という視点からその問題に迫ります。同時に、宮田草介の作品は、すべての人間が同じ源から生まれ、凍りついた白い風景を流れゆく川として表現され、「余白」と呼ばれる反省の場を提示します。藤井ヨシカツは広島の記憶を通して、戦争の惨禍とその後の世代に与えた深い影響を描き、村岡亮輔は物体を人間と同じように分類し、それらが新たなルールに従ってハイブリッドな存在に変容する様を表現しています。村上賀子は、家庭という空間における女性たちを捉え、個性が顔か身体か、あるいはその両者の関係によって決まるのかという問いを投げかけます。竹腰隼人の作品では、個人的な記憶がネガポジ反転を通じてシュールな風景として表現され、現実とは見た目のものではなく、感情や感覚に基づく印象であるという視点が示されています。松本成弘の幻想的なセルフポートレートは、デジタル技術の進歩を駆使して、彼の子供時代の記憶を、時を超えた風景として再構築します。これらの作品群は、現代社会における自己の位置づけとその役割を模索する個人的な探求の跡を示しており、同時にその過程での疑念や不安、恐れが色濃く表れています。この現象は日本独自のものではなく、今日の写真表現における普遍的な傾向としても捉えることができます。
※敬称略