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「Q.26 物語の主人公のようなポートレート、どうやって撮る?」岩倉しおり|Portrait Q&A 26/45

写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のPortrait Q&A特集。人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「ポートレートの答え」はここにあります。
今回の回答者は、うつろう季節と光を大切に、情景を写すフォトグラファーの岩倉しおりさんです。

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目次

プロフィール

岩倉しおり

写真家 香川県出身・在住。うつろう季節、光を大切にして撮影している。地元、香川県で撮影した写真を中心にSNSで作品を発表する他、写真展の開催、CDジャケットや書籍のカバー、広告写真などを手掛ける。2019年3月、初の写真集『さよならは青色』(KADOKAWA)を出版。
愛用カメラ:CONTAX Aria、FUJIFILM GFX50R、Sony α7C

Q. 物語の主人公のようなポートレート、どうやって撮る?

A. 素敵な情景を頭の中に思い描き、ファインダーを通して表現する

私にとってのポートレートは「人がいる美しい光景」

「撮影していると急に大粒の雪が降り出し、一瞬にしてきれいな雪景色に。歩くと足跡ができるのもとても印象的でした」。

「雪景色を撮りにいったのに結局降らず、諦めて帰る途中、静かに細かい雪が降り出し、急遽近くの池で撮影。とても好きな一枚になりました」。

「冬の海で夕暮れどきに撮った写真です。落ちていた氷の欠片が夕日に照らされて、今までに見たことのない美しい景色でした」。

「私はストーリー設定までは決めていませんが、“こんな情景、素敵だろうな”というイメージは、撮る前から頭の中でできあがっていることが多いです。そのイメージに近づけるために、試行錯誤しながら撮っているところがあります。ロケーション、光、構図……、何かを重視しているというより、全てのバランスかなと思っていて、どれも重要です。人をメインで撮るのではなく、この情景に人がいると素敵だなという感覚で撮影しています。私が撮りたいのは“人のいる美しい光景”で、頭の中でイメージしているものが、物語に出てくるようなワンシーンなのだと思います。ロケハンはほとんどしないのですが、日常のドライブ中などに、いいなと思うところを自分で把握しておき、こんな風に撮りたいというイメージと条件が合った時に、その場所へ行くようにしています。撮影前は、日の出・日の入りの時間や方角、月も同様に調べ、さらに月の満ち欠けもチェック。撮影中は、その情景に合った音楽をかけてリラックスすることもありますし、日頃からよく映画を観るなどして、撮りたい写真のイメージを膨らませています。イメージ通りのものができた時はもちろん、それ以上のものができると『カメラってすごいなー、楽しいなー』とうれしくなります。まずは、自分がどんなワンシーンを撮りたいのか、頭の中でイメージすることが大事なのかなと思います。きっと思い描いているだけでワクワクして、写真が撮りたくなってくるはずです」。

GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 物語の主人公のようなポートレート、どうやって撮る?

GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある

人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。

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