プロフィール

コハラタケル
フォトグラファー 1984年生まれ、長崎県出身。
建築業を経てフリーのライターとして経験を積み、その後フォトグラファーに転身。SNSを含むweb媒体での広告写真を中心に活動する傍ら、山本文緒『自転しながら公転する』や、島本理生『あなたの愛人の名前は』文庫版など、書籍カバーにも写真が採用されている。2023年にはライカギャラリー東京・京都にて写真展『撮縁』を開催。
「展示が成長したあとの姿だとしたら、これは(写真集)その前の姿」

今回、「孵化する前に」というタイトルなのですが、その意味を製本に込めるためには三つ目穴綴じである必要がありました。
僕は里杏さんのモデルとしての最後の個展会場を成長したあとの姿として捉えました。
写真集は里杏さんの素肌の部分と彼女が洋服を作ったり、絵を描いたりするときに使う道具や生活空間を撮影した写真で構成されています。彼女が活動する上でこれまで準備をしてきた空間です。
展示前の制作過程の写真集 ⇨ 生まれる前の場所 ⇨ 「孵化する前に」
こういう流れでタイトルを考えました。
製本方法には無線綴じや中綴じ、ツインリング製本や和綴じなどなど様々な製本方法がありますが、三つ目穴綴じは名前の通り綴じ目が3箇所しかありません。
製本をお願いしているイニュニックの山住社長からも「糸の種類によってはすぐにほどける可能性がある」と言われました。
もちろん今回は、ほどけづらい糸を選んでいるのですが、「(いつでも糸をほどいて)すぐに前に進めるように」という想いも込めて三つ目穴綴じの製本方法を選びました。
また、綴じ糸の色は卵の殻をイメージし、乳白色であるオフホワイトを選んでいます。
── コハラタケル


コハラタケル 写真集「孵化する前に」情報

書名:孵化する前に
著者:コハラタケル
サイズ:H220mm x W220mm
ページ数:56P
製本:三つ目穴綴じ
価格:3,800円(税込。本体3,455円)