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ワクワク大陸オーストラリアへ。「ノーザンテリトリー」でアウトバックアドベンチャーな旅を

入国規制が緩和され、渡航が可能になったオーストラリア。世界的に有名な観光地の多いオーストラリアは、久々の海外旅行で行きたい国の一つという人も多いのではないでしょうか?今回紹介する、オーストラリアの中央北に位置するノーザンテリトリーは、先住民アボリジナルの人々の精神が根付く、手つかずの大自然が広がる聖なる場所。オーストラリア政府観光局がおすすめの「キングス・キャニオン(Kings Canyon)」、「ウルル(Uluru)」、「アリス・スプリングス(Alice Springs)」とその周辺の観光スポットを、旅行写真家のYUUKIが巡ってきました。体験した現地ツアーやアクティビティ情報もレポートと共に紹介します。現地の空気を身近に感じて、近い将来のオーストラリア旅行に向けてイメージを膨らませてみてください。

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日の出から日没まで「キングス・キャニオン」を満喫

世界遺産の地・ウルルから車で3〜4時間の場所に位置する「ワタルカ国立公園」は、2万年以上にわたってルリジャ族(アボリジナル部族の一つ)が住んでいる場所です。その約150mの砂岩の崖の上にある「キングス・キャニオン」は、4億年の歳月をかけて形成された大自然の驚異です。日本ではドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』のロケ地としても有名。ウルルからキングス・キャニオンへのツアーが多く催行されており、ウルルと併せて訪れたいスポットです。

キツイ!けど感動の体験がそこに!「キングスキャニオンリムウォーク」

約270mの断崖、キングス・キャニオンの頂上までのハイキングコース「キングスキャニオンリムウォーク(Sunrise Rim Walk with Kings Canyon)」。このリムウォークは、約6kmの道のりを3〜4時間かけて、日の出と共に変わっていく景色を楽しみながら歩くハイキングコースです。

最初に「ハート・ブレイク・ヒル」と呼ばれる約500段の急な階段を登らなければならないので、スタート直後が一番大変...! しかし、頑張って登った先には、今までに経験したことのないような、360度見渡す限りの絶景が待っています。日本では見られない、壮大なスケールの景色に心奪われることでしょう。
この階段を登った後は多少のアップダウンはありますが、比較的平坦な道のりを景色を楽しみながら散策します。あまりの美しさにシャッターを切る手が止まりません!

キングス・キャニオン(ワタルカ国立公園) 基本データ

<住所>330 kilometres via the Red Centre Way, 450 kilometres via the Stuart and Lasseter Highways and Luritja Road, Kings Canyon, Northern Territory, 0872, Australia

行き方・アクセス

<車>アリス・スプリングスから約450km、4~5時間

「バギーステーションツアー」で爽快な冒険の旅へ

キングス・キャニオンの絶景を堪能した後は、バギーでのドライブ「バギーステーションツアー(Buggy Station tour at Kings Creek Station)」を楽しみます。Kings Creek Stationは、日本でいう道の駅のような施設で、キャンプサイトやコンビニのような売店、レストランなどがあります。さまざまなアクティビティも用意されているので、旅の途中に立ち寄るのにおすすめのスポットです。
ツアーでは、バギーに乗ってボコボコの岩場や広大な砂漠の大地を思い切り走ることができ、爽快感抜群!アウトバックでの生活やStationでの日常業務を学んだり、広大で素晴らしい景色を楽しんだり、本格的なオフロードの冒険ができます。運転はツアーの人にしてもらうこともできるし、日本の運転免許証があれば自分で運転することも可能です。

「アボリジナルカルチャーツアー」で先住民の生活を実体験!

先住民アボリジナルの文化を体験することができる「アボリジナルカルチャーツアー(Karrke Aboriginal Cultural Experience and Tours)」。知識豊富なガイドが、昔からこの地域に住む人たちの狩猟採集生活の習慣を紹介する、約1時間のツアーです。アボリジナルアートの代表的な手法であるドットペインティングで描かれた模様や記号についての解説もあり、文化的背景を学べます。

アボリジナルの人々が伝統的に食べてきたブッシュフードと呼ばれるオーストラリア原産の植物や薬草についての紹介も。目の前にさまざまな種類のブッシュフードが並び、砂漠といってもこんなにもたくさんの食物が手に入ることに驚きます。

地元の木で作られたクラップスティックやネックレス、武器など工芸品制作のデモンストレーションを見ることもできます。模様を一つ一つ焼きながらつけていく工程を見学していると、あまりにも丁寧な作業につい見入ってしまいます。

まるで砂漠のオアシスのような「キングス ・キャニオン・リゾート」に宿泊

キングス・キャニオンのすぐそばにある「キングス・キャニオン・リゾート(Kings Canyon Resort)」。ノーマルなルームタイプに加え、コテージやグランピング、キャンプサイトなどがあり、さまざまな宿泊体験ができます。広大な敷地内にはプールやテニスコート、レストラン、雑貨店なども併設されていて、まるで一つの村のよう。施設内を散策しながら歩くと色々な発見があります。

ノーマルなタイプの部屋はシンプルで設備も十分に揃っています。シャワーの水圧も良く、快適な夜を過ごせます。

サンセットタイムにはカータイプのバーがオープン。ミュージシャンによる演奏を聴きながら踊ったり、サンセットを眺めたり、他の宿泊客と交遊したりと、楽しい夜を過ごせます。

この場所からのキングス・キャニオンはとても美しく、刻々と変わる姿を写真に収めなければ!という衝動に駆られること間違いなしです。

砂漠の月の下でロマンティックなディナータイムを

日が沈んできたところで、砂漠の月の下でディナータイムを。キングス・キャニオン・リゾートが提供しているディナープラン「Dining Under a Desert Moon」ではサンセットと共に変わる景色を楽しみながら過ごす、ここでしかできないアウトバック・ダイニング体験が味わえます。
サンセットと共に変わる景色を堪能しながら、旬の地元食材を使った5品のコース料理と、ペアリングされた地元産ワインを楽しみます。

レストラン前の芝生の上に、前菜とスパークリングワインが運ばれてディナータイムがスタート。その後、満天の星の下、隠れ家的なディナーテーブルへ移動して、ロマンティックな時間を過ごします。

メイン料理は、シェフが目の前の焚き火で焼き上げてくれる、カンガルーのステーキ。とても柔らかくて美味しく、そしてヘルシーなのも嬉しいポイントです。

キングス・キャニオン・リゾート 基本データ

<住所>Luritja Road Watarrka National Park, Northern Territory 0872, Australia
<TEL>+61 8 7210 9620
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<車>アリス・スプリングスから約4~5時間、ウルルから約3~4時間

先住民の聖地、世界遺産「ウルル」へ

高さ約348m、周囲約9.4kmもある世界最大級の砂岩の一枚岩「ウルル」。別名「エアーズロック」とも言われ、「大地のへそ」や「地球のへそ」と呼ばれることも。「ウルル=カタ・ジュタ国立公園」には、ウルルの他、20km以上にわたって広がる36以上の巨大なドーム型の岩から成る「カタ・ジュタ」もあります。
どちらも2万2千年以上前からこの土地に住んでいるアナング族(アボリジナル部族の一つ)の人々にとって、深い精神性を持つ神聖な場所です。1987年に国立公園に登録され、同時に世界遺産(自然遺産)に登録されました。1994年には先住民の文化遺産としての価値を併せ持つ複合遺産に。

先住民アナング族のガイドツアーでウルルの本質を知る

ウルル=カタ・ジュタ国立公園の入り口までの、風景を楽しみながらのドライブも旅の1コンテンツ。 砂丘の上にそびえ立つウルルは、圧倒的な存在感を放ち、近づくにつれてドキドキ感が増していきます。

アナング族によるガイドで、クニヤ散策路をウォーキングするツアー「SEIT OUTBACK AUSTRALIA」。知識豊富な先住民から直接話が聞けるという貴重な体験ができます。ガイドと一緒に歩きながらウルルの麓を目指します。
途中、先住民の伝統的なロックアートを見ることも。アボリジナルの人々は生活の知恵や教えを伝授するために、岩肌に壁画として残していました。ノーザンテリトリーにはこのような貴重なロックアートが多数残っているので、出会えたら、どのようなことを伝えたかったのかを想像してみるのも楽しいかもしれません。

ウルルの麓にある、アナング族が使用していた半永久的な水場「ムティジュルの泉」。この泉には伝説があります。
昔々、ウルルにはクニヤ(ニシキヘビ)とリル(毒蛇)がいました。ある日、クニヤの甥であるクカクカが掟を破りリルに殺され、それが戒めだと知らなかったクニヤが怒り、リルを殺しました。しかしクニヤもリルの毒に侵され、クカクカをムティジュルの泉に運んだあと息絶えます。クニヤはワナンビと呼ばれる虹色の蛇に姿を変え、今もこの泉に住み、水を枯らさないように守っている。そんな伝説です。雨の時のムティジュルの泉は、雨水が滝のように岩場から激しく流れ落ち、とても砂漠とは思えないほど迫力満点です。

大昔、現在ウルルがある周辺地域には8000m級の山脈があったと考えられています。造山活動と雨風による侵食で現在の姿になったと想定されていて、地表に出ているのは岩の全体のわずか5%と言われているそう。95%が地下に埋まっているなんて驚き!
このツアーは少人数制やチャーター向けに催行しているので、ゆっくり自分のペースで回りたい、写真を撮りたい、という人におすすめです。
数年前にウルルへの登山が禁止となり、残念に思った人もいるかもしれませんが、実際に訪れて歴史に触れると考えが変わるかもしれません。ウルルに昔から住み、所有しているアナング族は、ウルルとその周辺のエリアを神聖な場所とし、長い間、全面的なウルル登山の禁止を要請していて、ツーリズムとしてもそれを尊重しました。実際、登山のないツアーでも十分に楽しめ、どれだけアナング族がウルルを大切にしてきたかを肌で感じることができます。

ウルル=カタ・ジュタ国立公園 基本データ

<住所>Lasseter Highway, Uluru NT 0872, Australia
<TEL>+61 8 8956 1128 (8.00~17.00)
<営業時間>8:00~17:00
<休業日>なし
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<車>アリス・スプリングス空港から車で約45分

SEIT OUTBACK AUSTRALIA 基本データ

<TEL>+61 8 8956 3156

「アリス・スプリングス」でアウトバックの大自然と街を探索

オーストラリアの中央部「レッドセンター(Red Centre)」にある、唯一の都市「アリス・スプリングス」。地元では短く「アリス」と呼ばれています。
オーストラリアの内陸部に広がる砂漠を中心とする広大な人口希薄地帯「アウトバック」を象徴するような町で、先住民アボリジナルの文化や芸術、息を呑むような美しい自然が広がる、オーストラリアの魅力を思う存分に体験できるエリアです。
街の広場は先住民がアート作品を販売していたり、ショップやレストランが充実していたり、自然だけでなく街らしい姿も楽しめます。

「マクドネル山脈」の赤くそびえ立つ「スタンドレー峡谷」に感動

アリス・スプリングスをまたぐように、南西に約200kmにわたって連なる青虫のような山々「マクドネル山脈(West MacDonnell Ranges)」。4WDが使用できる道路や淡水の天然プール、キャンプ場もたくさんあり、さまざまな楽しみ方ができるスポットです。

今回は、ガイドと一緒にウェスト・マクドネル公園を歩いて、マクドネル山脈の自然を楽しみながら「スタンドレー峡谷(Standley Chasm)」へ向かうウォーキングツアーに参加しました。先住民が伝統的に食してきたハーブやフルーツなどの「ブッシュフード」を学びながら進んでいくと、まるで山脈の裂け目のようなスタンドレー峡谷に到着。

高さ約80m・幅約9mの絶壁の間を歩くことができる、スタンドレー峡谷。砂漠の太陽に照らされ、燃えるような赤い壁がそびえ立つ様は圧巻です。正午近くには太陽が割れ目の真上を通過する、大自然のライトショーを見ることもできます。

ツアーの最後に、ブーメランペイントのワークショップに参加。もともとアボリジナルの人々には文字言語がなく、情報の記録や伝達のために絵文字を描いて表現をしてきたそう。ワークショップでは絵文字のガイドを参考にしながら、彼らの狩猟用具であるブーメランに、自由に絵文字をペイントしていきます。アボリジナルアートに触れながら、文化的な理解を深められるイベントです。

ウェスト・マクドネル公園 基本データ

<住所>Alice Springs, Northern Territory, 0870, Australia
<TEL>+61 8 8951 8250
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<車>アリス・スプリングスから車で約20分

スタンドレー峡谷 基本データ

<住所>Alice Springs, Northern Territory, 0871, Australia
<TEL>+61 8 8956 7440
<営業時間>8:00~17:00
<休業日>なし
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<車>アリス・スプリングス空港から車で約45分

「アリス・スプリングス・ターフクラブ」で蟻入りのジンを初体験

マクドネル山脈の麓にある競馬場「アリス・スプリングス・ターフクラブ(Alice Springs TurfClub)」。オーストラリアで最も美しい競馬場のひとつに選ばれたこともあるほどの景観を誇ります。
1階のラウンジにある「Restaurant 1690」からはマクドネル山脈の景色が眺められ、バーでは蟻入りの一風変わったジン「GREEN ANT GIN」を体験することも。古くからオーストラリアでは貴重な栄養源とされている食用蟻GREEN ANTが瓶の底に数匹入っていて、オーダーしたカクテルに蟻が入っていたらラッキーなのだとか。気になる味は…、レモンの風味のような酸味があり、とても飲みやすいです!日本ではあまり出会えないので、オーストラリアで見かけたらトライしてみて。

アリススプリングスターフクラブ 基本データ

<住所>Pioneer Park, South Stuart Highway, Alice Springs, Northern Territory, 0870, Australia
<TEL>+61 8 8952 4977
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<車>アリス・スプリングス空港から車で約10分

主要観光スポットへのアクセスが良い「クラウン・プラザ・アリス・スプリングス・ラセッターズ」に滞在

マクドネル山脈の麓にあり、アリス・スプリングスの街中から数分、アリス・スプリングス空港からも車で約10分の好立地にあるホテル「クラウン・プラザ・アリス・スプリングス・ラセッターズ(Crown Plaza Alice Springs Lasseters)」。コンパクトな部屋からキャンプサイトまで幅広いルームタイプがあり、旅のスタイルに合わせて選べるのが特徴です。部屋はシンプルで清潔感もあり、無料Wi-Fiなど必要な設備は整っています。
屋外プールもあるので、暑い砂漠の中を歩き回った体をリフレッシュするのにも最適。他にも、バーやレストラン、カジノ、24時間利用可能なフィットネス施設なども併設した、おすすめのホテルです。

クラウン・プラザ・アリス・スプリングス・ラセッターズ 基本データ

<住所>93 Barrett Drive, Northern Territory, Alice Springs, 0870, Australia
<TEL>+61 8 8950 7777
<駐車場>あり

行き方・アクセス

<車>アリス・スプリングス空港から車で約13分

ノーザンテリトリーで今まで体験したことのない冒険の旅を

世界遺産でありアボリジナルの人々の聖地でもある「ウルル」ではアナング族によるガイドツアー、「キングス・キャニオン」ではハイキングやバギーで絶景体験、「アリス・スプリングス」ではアウトバックの大自然と街を満喫。ワクワクするような冒険がたくさん待っているノーザンテリトリーでは、先住民と直接触れ合えるツアーも多く、オーストラリアの歴史・文化についての知見を深められ、新たな一面を発見できます。ここでの旅を通して、より一層オーストラリアが好きになることでしょう。

ノーザンテリトリーとシドニーの旅をダイジェストでお届け!

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オーストラリア政府観光局

YUUKI

1984年生まれ、和歌山県出身。デザイナーとして勤務後、独立。春夏のみのブランド「TADO」を運営するNALALA LLC.のfounder。また、ブランディングディレクターの他、観光PR、ホテルや広告の撮影など、写真家としても活動している。

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