空想喫茶トラノコク
クリエイター Kon、7、ツッチー、ユーピケの4人組ユニットによる、SNS上の理想の喫茶店「トラノコク」。いつか現実の喫茶店を開くことを夢見ながら、YouTubeチャンネル「空想喫茶トラノコク」も開店中。
愛用カメラ:Canon 80D、Canon EOS RP
愛用レンズ:Canon RF35mm F1.8 MACRO IS STM
心の拠り所になる“空想喫茶”
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「厚焼きのホットケーキが食べたい!と思って作りました。四角いバターにはちみつをかけ、一番食欲がわくシーンを再現」。
ほっと一息つける居心地のいい場所を作りたい、と同じ会社の仲間が集まってスタートした“空想喫茶トラノコク”。「最初は、自分たちの居場所を作るために始めました。自分たちが食べたいものに妄想や憧れというスパイスを効かせて撮影し、SNSの中で開店している空想喫茶。今では、多くの人が訪れてくれる喫茶店になりました。僕たちは4人のユニットですが、一人ではないからこそ、ここまで続けてこられたのだと思います。4人とも撮影や編集、配信まで一貫してできるのですが、リサーチする人、開拓する人、お菓子を作る人、喫茶を撮る人、という感じで得意分野を役割分担できることがメリットです」。
料理だけではなく、料理を作る場所の空気も切り取る
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「大好きな粉チーズをたっぷりかけて食べるミートソースが、最高なのです」。
「撮影でこだわっていることは、“居心地の良さ”。心の拠り所になるような喫茶店を作りたいと願っているからこそ、料理を作る場所の空気感を大切にしています。そして、写真の中に“懐かしさ”を散りばめています。昔、週末にお母さんが作ってくれたフレンチトースト、おばあちゃんが教えてくれた手作りクッキー。トラノコクが作る料理や写す瞬間は、決して特別なものではないかもしれないけれど、日常的で、過去の記憶と結びついています。その記憶は、僕たちと他の誰かとの“共感”という繋がりを作ってくれます。写真は、楽しかった時間を思い出させてくれるもの。その記憶を忘れないようにしたくて、僕たちは写真を撮り続けています」。
Rule 01:食べたいと思うものを撮影する
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「プリンの弾力と、カラメルのとろーり感を閉じ込めたいと思って撮影。撮影するための料理でも、やはり目指すのは美味しいものを作って食べること。ここにこだわらないと、写真を撮っても美味しそうには見えないので」。
「日々、食べたいものや撮影したいもののアイデアをメンバーでシェアしていますが、みんなの頭の中にほぼ同じイメージが揃ったものが、“トラノコクの食べたいもの”。特に、どこか懐かしい感じがするホットケーキやナポリタンは、たまに無性に食べたくなるメニュー。そんな感覚をみなさんと共有したくて、ついつい登場回数が多くなっています」。
Rule 02:写真と同じくらい、会話も楽しむ
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「お昼くらいに集まって、食事をしながらどんな撮影にするか毎回話し合います」。
「撮影前には美味しいご飯やお菓子などを用意して、みんなでコミュニケーションを取ります。食後にコーヒーや紅茶を飲みながら話していると空気が自然と和らぎ、心地よく撮影を始めることができます。撮影中でも意識しているのが、会話。『これ、すごくかわいい!』『うまくできたね』...そんな些細な言葉を口に出していくことで、そこから思わぬアイデアが生まれたりします」。
Rule 03:自然光を意識する
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「器を窓際に置いて、色がしっかり出るように意識。ミルクを垂らして広がっていく瞬間は、とても愛おしく感じます」。
「基本的に、自然光で撮影。カーテンなどで直射を緩和させて、全体的にふんわりとした優しい光を取り入れることで、料理本来の色味や形を写すことができるんです」。
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「クリームソーダ系は逆光で、氷や水滴の輪郭を出すことを心がけています。クリームソーダは、僕らが子供の頃に味わっていた懐かしさの根源のようなもの。初めてTwitterに投稿した作品が、クリームソーダの動画でした」。
写真の中に懐かしさを散りばめることで、「共感」という繋がりが生まれる
Rule 04:シチュエーションを想像する
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「コーヒーを淹れる時間。お気に入りの豆と気分に合わせたカップで、ゆっくりとした食後のひとときを想像して撮影」。
「例えば、2人で食べている場面、夕方にほっと一息ついている場面...。その情景が想像できるような画作りを意識しています。テーブルに座った人の目線になることで、どんなシーンが魅力的に感じられるかを常に模索しながら撮影します」。
Rule 05:全力で遊ぶ
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「映画で見た、魔法でマフィンを浮かせるシーン。夢のようなシチュエーションを撮影で再現」。
「撮影のアイデアは、ふとした会話から生まれることがほとんど。昨日見たテレビとか、最近面白かったアニメ、美味しかったお菓子...。そんな他愛もない会話から着想を得たレシピを、ユーモアを交えて全力で撮影します。そして撮影後は美味しいご飯を食べ、ボードゲームや映画鑑賞など、全力で遊びます。そうすることで、撮影は必ず楽しい思い出になります」。
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「小さい頃に読んでいた絵本に出てくるトラをイメージ」。
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「青がきれいなバタフライピーティーを、海に見立てたところから始まった一枚。わたあめで雲を表現しました」。
GENIC vol.64【写真家人生にルールあり!5Rules】
edit:Satoko Takeda
GENIC vol.64
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GENIC10月号のテーマは「写真と人生」。
誰かの人生を知ると、自分の人生のヒントになる。憧れの写真家たちのヒストリーや表現に触れることは、写真との新たな向き合い方を見つけることにもつながります。たくさんの勇気とドラマが詰まった「写真と歩む、それぞれの人生」。すべての人が自分らしく生きられますように。Live your Life.