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プロフィール

Nana*
フォトグラファー スティルライフフォトを中心に、広告撮影、動画撮影、アートディレクション、プロップスタイリング、グラフィックデザインなどのクリエイティブ制作に携わる。パーソナルワークとして2013年から暮らしをテーマに写真を撮り続けている。2018年よりNHK文化センター青山教室「AURORA写真塾」講師。著書に『the moment of SLOW LIVNG 写真で紡ぐ、暮らしの時間』がある。
愛用カメラ:Sony α7 IV、Nikon F3
愛用レンズ:FE 85mm F1.4 GM II、Planar T* 1.4/50 ZF.2、Makro Planar T* 2/100 ZF.2
- Instagram @necozalenky_life @necozalenky_ / Threads / X / WEB
ヴィンテージのある暮らし
ミッドセンチュリーへの憧れを写真でも表現したい

「『フィルムカメラで切り取る、ヴィンテージのある暮らし』をテーマに写真をセレクトしました。昔からミッドセンチュリーへの憧れが強く、それを写真でも表現したいと思っています。憧れの対象は、インテリアだけでなく、プロダクト、ファッション、音楽なども。まだまだ未完成ではありますが、当時を自分なりの表現で再現できれば良いなと思っています。タイムスリップしたかのような錯覚に陥ることができれば、それが完成と言えるのかもしれません。家具や食器などは流行には左右されず、自分が本当に好きなもの、一生好きでいられるようなものを選ぶようにしています。インテリアは特にこだわりが強く、20年の時を経て購入に至るようなこともあります。ヴィンテージのものは、逃すと二度と手に入らないこともあるので、出会い(縁)も大切にしています。日常の写真は誰かに見せるのが目的ではないのであまり公開していませんが、暮らしの愛用品など、ものを撮る時にはそのものの魅力を伝えたいので、それが最大限に伝わるよう意識して撮影しています」。
タイムスリップしたかのような錯覚に陥ることができれば、それが完成と言えるのかもしれない



日常の写真は、整えすぎずその時の空気感も切り取りたい


暮らしを写真に残していくことは、ライフワークそのもの



ルールで固めすぎないことがルールかもしれない
「現在、フード系の撮影をメインにしています。2年近く毎月撮影しているものでは、広告らしいフード写真というよりも暮らしの中にある『食』をテーマに調理シーンなどを切り取っていて、自分のライフスタイルの延長線上のようで、とても楽しく撮影しています。仕事は客観的な視点で細部を詰めて丁寧に撮りますが、日常は心が動いた瞬間に主観的な視点で切り取ることが多いです。ありきたりですが、光が美しいと感じた時にシャッターを切りたくなります。また日常での写真は、あえて整えすぎず、その時の空気感を切り取りたい。普段のテーブルフォトとは違い、その時流れる空気感を大切にしたいので料理を撮っていても美味しそうに料理を撮ることが目的ではないことが多いです。ルールで固めすぎないことがルールかもしれません」。ズバリ、写真とは?「暮らしそのもの。ライフスタイルを表現するための手段であり、また自分が大切にしているもの、好きなもの、良いと思うものなどの魅力を伝えるための手段の一つです」。
GENIC vol.74 【Life is Beautiful. 私の愛する暮らし】
Edit:Megumi Toyosawa
GENIC vol.74

2025年4月号の特集は「It’s my life. 暮らしの写真」。
いつもの場所の、いつもの時間の中にある幸せ。日常にこぼれる光。“好き”で整えた部屋。近くで感じる息遣い。私たちは、これが永遠じゃないと知っているから。尊い日々をブックマークするように、カメラを向けてシャッターを切る。私の暮らしを、私の場所を。愛を込めて。