menu

静かな色の旅 岩倉しおり(北海道)|連載「写真家が選んだ、最高の旅先」第6回

どんな思考回路で「最高の旅先」を選ぶのか。人それぞれだからこそおもしろい。15名が選んだBest Destinationには、熱き想いとたくさんのストーリーが詰まっています。誰かの旅をなぞりながら、「いつか自分の目で」とウィッシュリストに書き加える。そんな楽しみ方をしてみてください。全15回の連載、第6回は物語のような写真で心に響く情景をそっと写し出す、写真家の岩倉しおりさんが訪れた北海道です。

  • 作成日:
目次
GENIC SHOP:岩倉しおりコレクション

プロフィール

岩倉しおり

写真家 香川県出身、在住。うつろう季節のなかで、光を大切にしながら撮影を続けている。地元・香川県で撮影した作品を中心に、SNSで発表。写真展の開催のほか、CDジャケットや書籍のカバー、広告写真なども手がける。
愛用カメラ:CONTAX Aria、FUJIFILM GFX50R

岩倉しおりの記事をGENIC WEBで読む

静かな色の旅

音が吸い込まれていくような静寂のなかで、世界が少しずつ目を覚ましていく瞬間がある

雪に包まれた冬の北海道の静かな色の重なりに心が惹かれる

「初めて北海道を旅したとき、その想像を超える美しさに心を奪われました。写真で見ていた北海道と、実際に立って感じる光や空気の透明さはまるで違っていて、『ここに来た人しか見られない景色なんだ』と心から思いました。どこまでも続く大地と、遠くまで見渡せる空。音が吸い込まれていくような静寂さ。澄みきった空気や光の透明さ。その一つひとつが心を動かしてくれるのです。毎年1~2回は北海道に住む友人を訪ね、一緒に写真旅をしていて、いつも新しい感動があります。春や夏の写真を撮るのが好きでしたが、北海道に行ってからは、冬をもっと撮りたいと思うようになりました。雪に包まれた冬の北海道は特別です。夜明け前や日没後の淡い色がとても美しく、その静かな色の重なりに心を惹かれます。とくに早朝の光は本当に美しくて、静けさのなかで世界が少しずつ目を覚ましていく瞬間があります。光も空気も澄んでいて、心がおだやかになるような美しさです」。

刻一刻と空の色が移ろう様子は、見飽きることがない───

「湖や白鳥、ジュエリーアイスや霧氷など、北海道には美しいものが本当にたくさんあります。選びきれないけれど、おすすめは、美瑛、洞爺湖、屈斜路湖、豊頃町(ジュエリーアイス)。夜明け前の静けさや、日の出の光、そして夕日から日没後までのわずかな時間。光が変化していくその瞬間をよく撮っています」。

まだ見たことのない美しい景色が普段、眠っている時間のなかにもある

「旅先では、夜明け前や日没後の情景をよく撮りに出かけます。わたしにとって旅とは、新しい景色に出会うことであり、写真とは、静けさのなかにある美しさを見つけ、その瞬間をそっと残しておくためのものだからです。空がグラデーションに染まる時間、刻一刻と空の色が移ろう様子は、見飽きることがありません。夜明け前は人も少なく、静寂に包まれた時間を感じられるのも魅力です。朝早く起きて写真を撮り、朝ごはんを楽しんだ後はお宿でゆったり過ごします。夕方ごろから再び行動を始め、夕日から日没後まで撮影、そして夜はその土地のおいしいご飯を味わう。そんなリズムの旅が好きです。夜は晴れていたら星を撮りにいったりもします。みんなが眠っている夜の時間や、何気ない身近な場所にも、心を動かす瞬間がある。写真を通して、この世界には、まだ見たことのない美しい景色がたくさんあることを伝えていきたいと思っています」。

岩倉しおりが伝えたい「北海道の5つの魅力」

1. 広大な大地や独特の地形が「ここでしか見られない」景色を作り出している。
2. 光の質や空の色が特別で、その「透明感」に写真を撮るたびに心が震える。
3. 時間や天候によって光や色が変わり「何度行っても感動する」。
4. 「静けさと時間の余白」があり、静寂さが心を落ち着けてくれる。
5. 「行ききれないスケール感」。毎回、探検するような気持ちで旅ができる。

岩倉しおり 写真集『crescent』

誰かの心に静かに寄り添い、支える存在になれたら…そんな願いを込めて制作された、岩倉しおり、6年半ぶりの待望の写真集。
(ミツバチワークス)

GENIC SHOP:岩倉しおり 写真集『crescent』(送料無料)

GENIC vol.77【Best Destination 写真家が選んだ、最高の旅先】

GENIC vol.77

2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」

どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
永久保存版、GENICらしい、新しい旅のガイドブックの登場です。

GENIC SHOP

おすすめ記事

営みに宿る「生」 宮﨑美咲(インド)|連載「写真家が選んだ、最高の旅先」第5回

California Drift 延命悠大(カリフォルニア)|連載「写真家が選んだ、最高の旅先」第4回

次の記事