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California Drift 延命悠大(カリフォルニア)|連載「写真家が選んだ、最高の旅先」第4回

どんな思考回路で「最高の旅先」を選ぶのか。人それぞれだからこそおもしろい。15名が選んだBest Destinationには、熱き想いとたくさんのストーリーが詰まっています。誰かの旅をなぞりながら、「いつか自分の目で」とウィッシュリストに書き加える。そんな楽しみ方をしてみてください。全15回の連載、第4回は誰かに喜んでもらえるポジティブな一枚を写すフォトグラファー、延命悠大さんが訪れたカリフォルニアです。

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目次

プロフィール

延命悠大

フォトグラファー 1996年生まれ、埼玉県出身、東京都在住。大学卒業後に都内スタジオに勤務。退社後に渡米して2023年に帰国後、日本を拠点に活動。2026年、写真集『66』を出版。
愛用カメラ:Hasselblad 500C/M、PENTAX SP(SPOTMATIC)、CONTAX
愛用レンズ:Hasselblad Makro-Planar CF120mm F4、Super-Takumar 50mm F1.8

California Drift

“Freedom”なカリフォルニアで、心の赴くままにシャッターを切った

「LAで初めてのドライブの帰り道に撮影。右端の男性が楽しそうにしているのを撮りたくて、急いでカメラを取り出してギリギリ間に合いました。何も考えずに撮れたお気に入りの一枚」。

「LAXでの一枚。空港に差す光が綺麗で、ちょうど家族がいたので撮影。お父さんの笑顔が、この写真を好きな理由」。

「ルート66を横断し、最終地点のサンタモニカに到着した時に出会ったおじいさん。旅の最後ということもあり、思い出深い写真」。

「2ヶ月ほど住んでいたLAのパサデナ。光が当たった時にはどの家も輝いていて、当時はいろいろな家を撮影して回っていました」。

風や光、人々の気配に導かれながら、広いカリフォルニアの中をゆるやかに漂っていた

「2021年12月から1年半、留学で滞在したカリフォルニアはとても思い入れのある場所。特にLAは初めて住んだ異国の地で、一番好きな街。そもそもはNYに行きたかったのですが、いったん手前にあるLAに行っておくか、くらいの軽い気持ちで訪れました。行く前のLAのイメージは、ビーチ!アメリカの湘南!といった感じでしたが、いざ行ってみると、臭い!汚い!車がないと生きていけない!俺はここでは生きていけない!と思いました(笑)。ですが、住んでみるとご飯は美味しく、そして個性的な人だらけ。毎日本当に楽しくて、とにかく自由。人はもちろん、空気や街並みなど、あらゆるところで“Freedom”を感じられる場所。写真を撮るのにもとても適している街で、最終的には本当に好きになりました。今回のテーマである“California Drift”は、カリフォルニアを漂うように旅した時間を意味しています。目的地があるわけではなく、ただこの土地で心の赴くままにシャッターを切っていました。その時の自分は、風や光、人々の気配に導かれながら、広いカリフォルニアの中をゆるやかに漂っていたように思います。そこには、言葉にできない美しさがありました。LAのキュレーターの方に写真を見てもらったところ、『とにかく撮れ』と言われ、いろいろ考えて撮るということをやめて感覚的にひたすらシャッターを切るようになったのですが、そこから自分の写真が撮れるようになった気がします。また、カリフォルニアの光の綺麗さに惹かれ、光の見方が変わったことも大きな変化です。人生観で言うと、カリフォルニアへ行ったことで、変化というよりも答え合わせができたという感覚です。それまでの考え方や行動が、このままで良かったと思えるような経験ができました」。

カリフォルニアでは、それまでの考え方や行動がこのままで良かったと思えるような答え合わせができた

「ルート66を横断途中に通った、廃退したモーテル街。廃れている街にも光が当たり、道の先は地平線まで続いています」。

「知り合いの愛犬が、車の中からこちらを見ている様子。フロントガラス越しに見える犬の表情と、反射で多重露光のようになっているのがお気に入り」。

「ローズボールマーケットで出会った男性。この方もカメラマンでLeica M6を首にぶら下げていて、Hasselbladを持って歩いていた自分と話が合い、その流れで撮影」。

「ローズボールマーケットの雑貨屋さんの前で。後ろ姿にかかる光が、彼女の表情を見せてくれている気がします」。

誰かの人生において、少しでも意味がある写真を撮りたい

「写真を撮る上で大切にしているのは、人に喜んでもらうこと。自分が撮った写真が誰かの人生において少しでも意味のあるものになるなら、それはいい写真であり、撮る理由になる。そういう写真を撮っていきたい。これは旅撮影でも同じで、自分らしい旅の写真とは、ポジティブなものだと思っています。旅先で多く撮るのは、人とスナップ。純粋に人が好きで、この世界の誰かの一日のワンシーンに『今日、カメラマンから声をかけられて写真を撮ってもらって、すごく嬉しかった』と言ってもらえるなら撮る意味があると思い、人を撮ります。スナップに関しては、日常に溢れている一瞬一瞬の景色を少しでも良いと思えるように切り取ることで、あとあと見返した時にいろいろな発見があって面白いので撮ります。シャッターを切りたくなる瞬間は、偶発的な出来事が起こっている時。そして、被写体に対して光が当たっていて、背景が落ちている時。その瞬間を、キョロキョロ歩いて探します。自分が撮りたいと思っていたものではないもので、撮りたいものを撮れた時に喜びを感じます。見てくれる人に伝えたいのは、もっと自由でいいということ。ポジティブでもネガティブでも、何かしらの響きみたいなものを感じてもらえたら嬉しいです」。

GENIC vol.77【Best Destination 写真家が選んだ、最高の旅先】
Edit:Satoko Takeda

GENIC vol.77

2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」

どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
永久保存版、GENICらしい、新しい旅のガイドブックの登場です。

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