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Serenity -静けさと穏やかさと 遠山真太郎 | 連載 Best Destination 写真家が選んだ、最高の旅先

どんな思考回路で「最高の旅先」を選ぶのか。人それぞれだからこそおもしろい。15名が選んだBest Destinationには、熱き想いとたくさんのストーリーが詰まっています。誰かの旅をなぞりながら、「いつか自分の目で」とウィッシュリストに書き加える。そんな楽しみ方をしてみてください。全15回の連載、第3回はミニマルな写真を得意とする気鋭のフォトグラファー、遠山真太郎さんが訪れたスイスです。

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目次

プロフィール

遠山真太郎

フォトグラファー 1992年生まれ。東京都出身・在住。都内スタジオ勤務を経て、2019年より矢吹健巳氏に師事。2023年独立。雑誌や広告、ジャンルを問わず活動中。
愛用カメラ:Nikon D850、Nikon FM
愛用レンズ:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8 ED、NIKKOR-Q Auto 135mm F2.8

Serenity -静けさと穏やかさと

絵葉書で見るような美しい風景も、実際は距離感を失うほどスケールが大きくて圧倒された

「掲載写真は一枚絵で見て面白いものも選びました。今回の旅で一番忘れられない眺めといえば、ツェルマットで宿泊したホテルのバルコニーから見たマッターホルンの朝焼け。前日に着いた時は頂上付近が曇っていて山全体を見ることがなかったのですが、早起きして待っていたら、雲ひとつない山頂が赤く輝いているマッターホルンを見ることができ、感動しました。一番良い状態の朝焼けは10~15分程度だったと思います」。

「ツェルマットの標高2500mを超える場所にあるホテル『Riffelhaus 1853』とスイスらしい山岳風景を撮影したもの。ハイキングの途中で近くを通っただけなので宿泊はしていないのですが、天気が良ければ最高の景色を体験できると思います」。

風景を眺めているだけで旅そのものの意味を思い出させてくれる国

「2024年7月上旬、妻と新婚旅行でスイスを訪れました。スイスを旅先に決めたのは、妻が子どもの頃から行ってみたい国だったというのが一番の理由ですが、私自身、自然や山が好きなことや姉家族が住んでいたという縁のある場所だったこともあります。今回は約1週間の旅でチューリッヒ、マイエンフェルト、ベルン、ツェルマット、ジュネーブと各都市1、2日程度滞在しながら、主に鉄道で移動。もともと行き当たりばったり旅が好みなこともあり、宿だけ予約しておいて、具体的にどこに行って何をするかは現地で決めながら過ごしました。スイスを『最高の旅先』として挙げたのは、街も人も穏やかで、広大な自然とそこに流れる平和な空気感が自分の性格に合っている気がしたから。私にとって旅とは人生の小休憩であり、自分を整える時間で、そこで受ける刺激から新たな視点を得られる絶好の機会でもありますが、スイスはただ風景を眺めているだけで、旅そのものの意味を思い出させてくれるような国でした。行く前は、絵葉書で見るような美しい風景を想像していましたが、実際はスケールの大きさに圧倒され、距離感を失うほど。雄大な自然にただただ魅了されました。もしスイスを訪れるなら、とにかく自然の壮大さを体感してほしいです。絵になる風景ばかりなので、つい写真を撮りがちになりますが、自分の目でもゆっくりと落ち着いて堪能することをおすすめします。次は冬の季節に訪れて、雪に覆われた街や山を撮影したいですし、今回、時間の都合で行けなかった都市にも足を運んでみたいと思っています」。

街も人も穏やかで、雄大な自然とそこに流れる平和な空気感が自分に合う

「ふと立ち寄ったツェルマットの教会の中から外を撮影したもの。窓から外を眺めた際、窓に曇りガラスのようなニュアンスがあったため、絵画のように見える山々が面白く思えて、シャッターを切りました。スイスを訪れたのは今回が初めてでしたが、ヨーロッパの他の国と比べて感じたのは圧倒的な治安のよさ。そのおかげで旅中、余計なストレスを感じることもなく、写真を撮る時もリラックスできました」。

「『アルプスの少女ハイジ』の舞台になっているマイエンフェルトで、道端にあった噴水を撮影したもの。マイエンフェルトに限らず、スイスにはたくさんの噴水があり、デザインもさまざま。ここの噴水はお花もきれいで形も素敵だったので、シンプルに絵になるなと思い撮影しました。ちなみにお水も冷たくて美味しかったです」。

「ツェルマットの中にあるMountaineers’ Cemeteryは山で命を落とした登山家たちのための墓地。とても丁寧に整備されており、穏やかで神秘的な空間でした。ひとつひとつの墓碑のデザインもユニークなものが多く、滞在中に何度も足を運んだ場所です」。

「首都ベルンを流れるアーレ川を撮影したもの。日光浴をしたり、水に足をつけながら会話したりしている人たちが多くいて、自然と調和するこの光景は地元の人たちにとって日常の一部になっているのだなと感じました」。

Swiss Favorites

街と自然の距離感

大都市でもすぐそばに緑や川、湖があり、人と自然が無理なく共存している。

静けさと穏やかさ

観光地でも騒がしいと思うことがなく、現地の人々も穏やかで平和な空気が流れている。

多言語社会

地域によって使われている言語が違うため、同じスイスでもちょっとした文化や雰囲気の違いを楽しめる。

GENIC vol.77【Best Destination 写真家が選んだ、最高の旅先】

GENIC vol.77

2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」

どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
永久保存版、GENICらしい、新しい旅のガイドブックの登場です。

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