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心を揺さぶる幻想的な「青」の世界 霧月傑

自分らしさを見つけ、それを多くの人に認知してもらうことは、たやすいことではありません。ブレないこと、続けること。それができる太い芯を持つ人だけが立てる世界。見るだけで「あの人の表現だ」とわかるような作風を持ち、SNSという広いキャンバスを使って作品を出し続けるフォトグラファー、クリエイターにフォーカスします。
「個性を作風に乗せてSNSで脚光を浴びる表現者たち」今回は、心を揺さぶる幻想的な「青」の世界を表現する、クリエイターの霧月傑さんです。

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目次

プロフィール

霧月 傑

クリエイター 東京都出身。父から贈られたコンデジをきっかけに、写真を撮るようになり、その後、自分で一眼レフを購入。会社勤めと並行して、商品PRやCDジャケットの撮影、動画作成、個人からの作品制作依頼などを手掛ける。自分で撮った写真に絵を描いたり合成したりするなどの創作作品でも自分の「好き」を表現しており、2022年には初の作品集『星になる時間』(KADOKAWA)を出版。
愛用カメラ:Canon EOS 6D
愛用レンズ:TAMRON SP 85mm F/1.8 Di VC USD、EF 135mm F2L USM

個性を作風に乗せてSNSで脚光を浴びる表現者たち

心を揺さぶる幻想的な「青」の世界

「雪解け水のリフレクションがあまりにも美しくて、感動した日。こんなに綺麗なリフレクションに出会え、こうして記録することができたことで、改めて写真をやっていて良かったと思った1枚です」。

胸がキュッとなるような作品をつくりたい

「夏に手持ち花火をしている姿が、魔法をかけているように見えたので、玉ボケのような光をペイントツールで描き、より幻想的な世界観を演出しました。現在の作風になるきっかけとなった作品なので、SNSのプロフィール画像はずっとこれにしています」。

「霧月傑として活動を始めた2020年頃、見ると胸がキュッとなるような、感情が揺さぶられるような作品をつくりたいと強く思うようになりました。そのうちに、霧月傑という人物が確かに存在していたことを残したいという気持ちが芽生え、SNSを発表の場に。InstagramやXで自分の“好き”を投稿するうちに、“煌めき”“青色”“幻想的”といった言葉で表現される世界が、『霧月さんらしい』とか『霧月ブルー』などと言われるようになっていきました。青色へのこだわりは、純粋に色として好きということもありますが、昼や夕方よりも夜が好きなことも理由のひとつです。夜は儚く、どこか寂しいような気持ちになります。まるで世界にたったひとり自分しかいないような感覚です。それを表現できる「あお」、特に「紺藍」「紺」「呉須色」のような深い青を好んでいます」。

「ネモフィラは何度か撮っていますが、この写真が特にお気に入り。真ん中にポツンと立っているネモフィラも可愛いですし、自分らしい色味が出ているのも気に入っています」。

編集をすることで、より幻想的な世界を演出

「入道雲が月光に照らされているような作品。昼間に撮影した写真をレタッチで夜のように見せています。そこに別で撮影した満月を合成しました」。

「そんな自分らしさの表現には、LightroomやPhotoshopによる、細かいレタッチ作業、特に色編集が必須です。青などの寒色は、ただ色温度をマイナスにするだけでなく、様々な調整を施しています。さらに写真+絵の作品の場合はペイントツールも使用し、表現したい世界を作り込んでいます。以前SNSに作品を載せた際、『今日一日辛かったけど、霧月さんの作品を見て心がスッと軽くなりました』と言われたことがあり、その言葉がとても心に残っています。同じような反応を時々いただくのですが、その度に作品を発表して良かったという気持ちになります。辛い時や悲しい時に私の作品を見てもらい、少しでもその気持ちに寄り添えたら嬉しいです」。

「夕方から夜に変わる静かな時間を表現したくて撮影。ススキを入れることで、儚さも感じさせる写真になりました」。

「被写体は100円ショップで買ったオーロラローズ。100円ショップの商品をどれだけ美しく撮ることができるか考えて撮影しました。煌めきや儚さ、凛とした美しさを表すことができた自信作です。自然光もいい感じに入り、最高の1枚に」。

GENIC vol.71【個性を作風に乗せてSNSで脚光を浴びる表現者たち】
Edit:Satomi Maeda

GENIC vol.71

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