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【撮影と表現のQ&A】しふぉん/Q.赤外線写真の撮り方を教えて!

さまざまな写真家、フォトグラファー、クリエイターが登場するQ&A企画。
「知ることは次の扉を開くこと」。
今回は、さまざまな表現手法を使って作品を発表しているフリーランスフォトグラファー、しふぉんさんに質問です。

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しふぉん

フリーランスフォトグラファー 1997年生まれ、佐賀県出身。大学卒業後、東京を拠点に活動。2021年、初の写真集『白日夢』を上梓。一貫して“誰が見ても気持ちのいい写真”をテーマとし、構図や色にこだわりを持った写真を撮影。企業案件や観光PR案件、雑誌やwebサイトへの寄稿など幅広く活動。
愛用カメラ:Sony α7 III
愛用レンズ:FE 24-105mm F4 G OSS

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Q.赤外線写真の撮り方を教えて!

A.デジカメで撮る場合、3つの方法があります

「写真全体がピンクもしくは水色になるのを避けるため、赤外線を反射しやすい木々と赤外線を反射しにくい人工物などが混在している場所を選ぶのがポイント!」。

What’s 赤外線写真?

赤外線の分類の中で最も可視光線に近いとされている「近赤外線」と微量の可視光線を撮影した写真。撮影時はマゼンタ被りした状態となり、カラースワップ(色変換)を行うことで、赤外線を反射するものはピンクっぽく、赤外線を反射しないものは水色になります。植物などが淡いピンク色(モノクロでは白)になることをスノー効果と言います。

【方法1】通常のデジカメ + IRフィルター

デジカメの赤外線遮断フィルターから、ごく僅かに透過している赤外線を使用する方法。Kenko TokinaのPRO1DのR72や、FUJIFILMのシートフィルターなどのIRフィルター(光吸収・赤外透過フィルター)をデジカメに装着して撮影します。長秒露光が必要となり、日中でも三脚が必須。

【方法2】赤外線カメラ

通常センサーについている赤外線遮断フィルターを除去し、可視光遮断赤外線フィルターに置き換えてあるカメラ。

【方法3】フルスペクトルカメラ + IRフィルター <しふぉんさんの撮影方法はコレ!>

フルスペクトルカメラとは、赤外線遮断フィルターを取り除き、透明のガラスフィルターに置き換えたカメラ。可視光をカットせず赤外線も取り入れる方法です。レンズの前につけるフィルターによって撮れる画が異なり、赤外線写真においてはIRフィルターをつけて撮影。三脚は不要。

ホワイトバランスに気を付けてRAWで撮影

「撮影後の編集で、モノクロではなくカラースワップして淡いピンクと水色の写真にしたい時には、RAW撮影が必須です。カラースワップしやすくするためには、スノー効果の得られる植物と、その他の空などの色のマゼンタ色が若干異なるようにホワイトバランスを調整して撮影しておくと、編集がしやすくなります。カラースワップは通常Photoshopなどで色変換を行いますが、私は、Lightroomに赤外線写真用のプリセットを開発して登録してあるので、そちらで微調整して完成させることもあります」。

Information

初の作品集「白昼夢」(KADOKAWA)が発売中。

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