しふぉん
フリーランスフォトグラファー 1997年生まれ、佐賀県出身、東京在住。2018年夏にカメラを始め、現在は”なんでも撮りたくなっちゃう人”としてシティースケープやミニマルフォトをメインに様々なジャンルに挑戦している。一貫して”誰が見ても気持ちのいい写真”をテーマとして構図や色にこだわった写真を撮影。CURBONにてプリセット販売中。
愛用カメラ: Sony α7 Ⅲ
愛用レンズ: FE 24-105mm F4 G OSS
日常の中の新たな発見、そして、小さな幸せ
日常に埋もれている小さな喜びや美しさを伝えたい
真っ白で可愛いいロッカーを、正面から水平垂直構図で撮影。「白の美しさを意識して色の編集をしました」。
いたるところに隠れているミニマルを、意識的に探して
「あとから思えば、元々意図せずミニマル写真を撮っていたのですが、意識して撮るようになったのは2020年に入ってから。家のベランダや玄関から空を撮ったり、近所で場所が特定できない写真を好んで撮るようになり、その魅力にハマりました」と話すしふぉんさん。見慣れたものでも、しふぉんさんの手にかかると印象的な写真に変身します。
「空港という場所は私たちにとっては非日常ですが、空港で働く人やそこに存在するものにとっては日常。三分割構図で、左上の交点に三角コーンが来るように、白の点線が右下の角と揃うようにトリミングし、ミニマルに仕上げました」。
オリンピックのためのバルーン型カメラが、夏雲に浮かぶ様子を撮影。「2/3を雲、1/3を青空にし、バルーンを中央に配置。オレンジ色が映えるように、白い雲と重ねて切り取りました」。
構図も色味も誰が見ても”気持ちがいい“ものに
「ミニマルがどういうものか、についてはいまだに”これだ”という答えは見つけられていませんが、特に空のミニマル写真と、パステルカラーを掛け合わせた写真は自分らしいミニマル写真かな、と思っています。また、水平垂直を意識して撮影・編集をして、構図も色味も気持ち良く、よりフラットにミニマルな印象に仕上げるように心がけています。いかに無駄なものを画面に入れずに撮影するかを考え、編集後のイメージまで想像して撮っているんです。ミニマルは日常のいたるところに溢れていますが、意識していないと見逃すことがほとんど。自分のアイレベルだけで探すのではなく、たまに上を見上げたり、いろんなところに意識を向けるようにしています」。
「下に流れる川や立ち並ぶマンションはあえて写さず、橋の真ん中にスカイツリーを合わせて弓矢のように。日常に存在しているものも、切り取り方ひとつで非日常に見えるのが面白いなと感じます」。
「垂直水平を整えることで、ミニマルフォトらしさを引き出しています。日本では珍しい色と形のビルに、東京タワーという東京のシンボルが反射しているのがポイント」。
GENIC VOL.60 【ミニマルに切り取る日常】
Edit:Izumi Hashimoto
GENIC VOL.60
特集は「とある私の日常写真」。
当たり前のようでかけがえがなく、同じ瞬間は二度とないからこそ留めておきたい日常を、表現者たちはどう切り取るのか。フォトグラファーが、クリエイターが、私たちが、それぞれの視点で捉えた日常写真と表現、そしてその想いに迫ります。