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【顔のないポートレート #4】megtronik

普段、顔やその表情が物語ることはとても多い。けれど、時には顔が見えないからこそ、その場の空気や思いをより強く感じるということが、確かにある。それは一体どうしてなのだろう?
今回は、あえて顔を写さずに写真を撮る、5名の表現者をフィーチャー。それぞれの思う、顔と表現の関係についてお話を伺いました。
#4は、光や湿度、瞬間の美しさを写し込むフォトグラファー、megtronikさんです。

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megtronik

フォトグラファー 埼玉県出身、東京都在住。自然の中に遊びに行くことが多く、思い出をきれいに残したくて一眼レフを購入。それをきっかけに写真を始め、色や質感にこだわりフィルムカメラで作品を撮るようになる。自然を楽しみながら景色や植物を含めた撮影をすることが好き。
愛用カメラ:PENTAX LX、Olympus PEN-FT
愛用レンズ:Super Takumar 55mm F2、G.Zuiko Auto-S 40mm F1.4

あなたが見つめているものを、私に教えて

「蜘蛛の巣についた雨粒がとてもきれいだったので、雨粒を中心に撮っています。雨上がりの世界の美しさに惹かれました」。

「口元だけを写し、目は写さないことでいろいろと想像できる写真に。紫陽花のバランスを見てイメージ通りの場所を見つけて、花を傷つけたくないので、そっと隠れてもらいました」。

どんな表情をしているの?想像をかき立てる写真が撮りたくて

映画のワンシーンのような写真を、フィルムカメラで捉えるmegtronikさん。見た人にストーリーを感じてほしくて、あえて表情を見せない写真を撮ることが多いそう。
「この人はどんな表情をして、なにを見ているんだろうと考えてもらいたくて。過去にどこかで見た景色とリンクしたり、自分が見たことある景色のような感覚になっていただけたらいいですね」。

「被写体の友人が白い服を着ていたので、お花に包まれた夢の世界のようにしたくて。雪柳に囲まれている感じにしたかったので、空洞になっている場所を探して入ってもらいました」。

megtronikさんの作品は、自然の中で撮影されたものが多い。
「日本の四季はそれぞれの良さがあるので、それを撮らないなんてもったいないと思うんです。季節ごとに咲く花や光の強さ、空気感、湿度も写しこむ気持ちで撮影しています」。

「口元だけで色っぽさを出したいなぁと思いながら撮りました。寝転んでお花を抱え込むようにしてもらい、口元にお花がくるように。撮影は友人と遊びながら撮ることが多いです」。

写真を撮る上でのこだわりは?
「撮影中は、撮りたいイメージに合う太陽の向きを探しながら撮っています。顔が写っていないからこそ、見えている部分のシルエットや髪の動き方がすごく重要になってくるので、微調整したり、被写体の人に動いてもらったりもしています。あえて感光させた写真も撮るのですが、これは昔の映画のシーンが移り変わる瞬間のようなイメージ。写真は瞬間を切り取るものですが、感光させることで続いているシーンの一瞬であることが強調される気がして。ストーリーがイメージできる、シネマティックな写真が撮れたらいいなと思っています」。

表情を見せないことで、この写真を見た人のどこか懐かしい景色とリンクしたら嬉しい

「実はこれ縦写真なんです。いつもこの植物が星のようだなぁと思っていたので、星を捕まえるような構図にしたくて、横から手を伸ばしてもらいました」。

「秋の光のやわらかさや、心地よさを写したくて、すすきの穂が光で透けるような角度を探しました。人のいない景色も好きですが、顔は写っていなくても人が入ることで、景色の表情が変わると思うんです」。

「友人との散歩の途中、木道と木漏れ日がとてもきれいだったので、足元だけを切り取りました。とても楽しかった気持ちを写したくて」。

megtronik Instagram

GENIC VOL.59 【顔のないポートレート】

GENIC VOL.59

特集は「だから、人を撮る」。
最も身近にして最も難しい、変化する被写体「人」。撮り手と被写体の化学反応が、思ってもないシーンを生み出し、二度と撮れないそのときだけの一枚になる。かけがえのない一瞬を切り取るからこそ、“人"を撮った写真には、たくさんの想いが詰まっています。泣けて、笑えて、共感できる、たくさんの物語に出会ってください。普段、人を撮らない人も必ず人を撮りたくなる、人を撮る魅力に気づく、そんな特集を32ページ増でお届けします。

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