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写真家 杉水五大とジュリエット・アニェルによる展覧会「隆起 UPLIFT」が東京 馬喰町で開催。屋久島の原生林を満たす“湿度”を写真と8mm映像で見つめる

写真家 杉水五大とジュリエット・アニェルによる展覧会「隆起 UPLIFT」が、東京 馬喰町のMIDORI.so Bakuroyokoyama Galleryにて、2026年10月23日(金)~11月7日(土)に開催されます。T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOの「Area Pickup Partnerships」の一環として、NPO法人屋久島国際写真祭が主催。2026年に屋久島で滞在制作を行った、杉水の写真とアニェルのスーパー8mmフィルム映像が紹介されます。2人の作品をつなぐもののひとつが、屋久島の森を満たす“湿度”。同じ空間に置くことで、屋久島の湿潤な環境を一つの風景として捉えるのではなく、身体、記憶、時間といった異なる層から見つめます。

Data

  • 開催期間:2026.10.23 ~ 2026.11.7
目次

プロフィール

杉水五大

写真家 鎌倉を拠点に活動。万物を結ぶ大気と水の循環である「湿度」を主題に制作する。20代から国内外を旅するなかで、湿度と人の感覚、その場所の空気との関係に関心を持つようになり、2023年頃から「湿度」を写真制作の中心的なテーマとする。
極限の静止から生じる身体的なブレを、環境との「交感の痕跡」として捉え、現在は和紙をはじめとする有機的な支持体も用いながら、画像をデータから「質量を持つ物質」へと還元する探求を続けている。2025年「YPF PHOTO AWARD」最優秀賞を受賞。同年、銀座で初個展を開催。

杉水五大です。今回日本とフランスという風土や背景が違う作家が、屋久島という同じ土地で製作したものを一つの空間で展示することで新たな感覚や視点がうみだされると信じております。
映像と写真という表現媒体も違うなか作家としてもとても楽しみにしております。
ぜひご観覧いただけましたら幸いです。

ジュリエット・アニェル(Juliette Agnel)

1973年フランス生まれ。フランス国立高等美術学校およびパリ第1大学で美術を学び、アナログ、デジタル、実験的画像など幅広い表現を探求する。世界を全体的な視点から捉え、写真を通して風景にひそむ不可視の霊性を追求。アルル国際写真祭で個展を開催したほか、フランスのジュ・ド・ポームやルーヴル美術館などで作品を発表。2023年、ニエプス賞を受賞。

ステートメント

タイトル「隆起 UPLIFT」は、海底からの隆起によって生まれた屋久島の成り立ちと、日本とフランス、写真と映像という異なる背景を持つ二人の作家が交錯することで生じる作用に由来します。
杉水は、撮影後の編集を抑え、楮(こうぞ)和紙を用いてイメージを「物」としての写真へ定着させます。「飽和する一歩手前」の余白を見出し、そこに漂う湿度を通して身体と風景の関係を探求します。
一方、アニェルは屋久島の苔と湿り気がもたらす静けさに着目。故郷ブルターニュの記憶とつながるその感覚を、スーパー8mmフィルム作品《ÉTERNITÉ(永遠)》の粒子や機械音、音楽とともに紡ぎ出し、鑑賞者を瞑想的な時間へと導きます。
二人を結ぶ「湿度」は、杉水にとっては身体と風景の関係を測る手がかりであり、アニェルにとっては記憶と時間へ分け入る入口です。二つの視点が響き合い、単一の風景を超えた新たな感覚と空間が立ち上がる場――それ自体を、本展では「隆起」として捉えます。

展示作品の一部と解説

ⒸGodai Sugimizu

本展では、2026年に屋久島で滞在制作を行った杉水五大とジュリエット・アニェルの作品を紹介します。杉水は写真、アニェルはスーパー8mmフィルムによる映像を通して、それぞれ屋久島の原生林と向き合いました。

二人の作品をつなぐもののひとつが、屋久島の森を満たす「湿度」です。

​大気と水の循環である「湿度」を主題に制作を続ける杉水は、屋久島の原生林で「不完全な飽和 — 生命の核(Core)を呼吸する」というコンセプトのもと、複数の作品を制作しました。

本シリーズでは、アルゴリズムによって100%に均質化・最適化された現代社会に対し、完全性を「10」としたとき、そこからあえて「1」を引いた「9」という減算のプロセスを取り入れています。対象を包み込むようにその周囲を巡りながら撮影し、完全に満たされる一歩手前にある「99%の湿度=呼吸の余白」を捉えることで、身体と風景、そしてそこに漂う目には見えない気配との関係を探ります。

杉水にとって、撮影だけでなく、写真を物理的な存在として立ち上げることも制作の重要な要素です。撮影後の編集は最小限にとどめ、現地で捉えた像をできるだけそのままプリントへと移していきます。楮・三又を原料とした和紙を用いて、紙の質感や色、写真との関係までを含めて作品を構成しています。デジタルデータとしてのイメージから、手触りや質量を持つ写真へ。支持体そのものも含め、写真が「物」として存在することを探求しています。

一方、アニェルが屋久島の原生林で目を向けたのは、数千年にわたり森を覆ってきた苔と、その湿り気のなかにある静けさです。腐植土の香りや湿り気は、彼女の内側に深い静けさをもたらすと同時に、かつてフランス・ブルターニュのアルレ山地で経験した感覚を呼び起こしました。その記憶から自然と立ち返ったのが、スーパー8mmフィルムというメディウムです。
12分の映像作品《ÉTERNITÉ(永遠)》では、モノクロフィルムの粒子、映写機の機械音、Christophe Rodomistoによる音楽を通して、「苔の沈黙」と屋久島の森に流れる長い時間を映し出します。アニェルは、鑑賞者を瞑想的な状態へと導き、苔と森がもたらす感覚の世界へと開いていくことを試みています。

杉水が「飽和する一歩手前」に身体と風景が交わる余白を見出すのに対し、アニェルは湿潤な苔のなかに蓄積された時間と静けさを見つめます。写真として像を定着させる杉水と、フィルムの映像と音によって時間を立ち上げるアニェル。二人の作品を結ぶ「湿度」は、杉水にとっては身体と風景の関係を捉える手がかりとなり、アニェルにとっては記憶や時間へと分け入る入口となっています。

本展では、この二つのアプローチを同じ空間に置くことで、屋久島の湿潤な環境を一つの風景として捉えるのではなく、身体、記憶、時間といった異なる層から見つめます。

展覧会タイトル「隆起 UPLIFT」は、海底からの隆起によって形成された屋久島の成り立ちに由来します。同時に、日本とフランスという異なる背景を持ち、写真と映像という異なるメディウムで制作する二人の作品を、同じ屋久島を起点として一つの空間に置くことで生まれる作用にも重ねられています。二つの異なる視点や表現が互いに作用することで、それぞれの作品だけでは見えてこなかった感覚や時間が浮かび上がり、新たな空間が立ち上がる。本展では、そうした二つの力によって生まれる場そのものを「隆起」として捉えています。

── 展覧会「隆起 UPLIFT」プレスリリースより

ⒸJuliette Agnel

ⒸGodai Sugimizu

ⒸGodai Sugimizu

ⒸGodai Sugimizu

ⒸJuliette Agnel

展覧会「隆起 UPLIFT」情報

開催日時

2026年10月23日(金)~11月7日(土) 12:00~19:00
休廊日:月・火曜

オープニングレセプション

2026年10月23日(金)18:00~20:00

入場料

無料

会場

MIDORI.so Bakuroyokoyama Gallery

  • 〒103-0003 東京都中央区日本橋横山町5-13 7F
  • Google Map

行き方・アクセス

<電車>
都営地下鉄新宿線「馬喰横山駅」から徒歩で2分
都営地下鉄浅草線「東日本橋駅」から徒歩で2分
JR総武線快速「馬喰町駅」から徒歩で2分

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