tomosaki
フォトグラファー 福井県出身。3年程前からカメラを持つようになり、コロナ禍をきっかけに地元福井の情景の魅力に改めて気がつき、本格的に写真家として活動を始める。2020年「東京カメラ部10選U-22フォトコンテスト」に入選。
愛用カメラ:Nikon Z 5
愛用レンズL NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
今日の君の輝きを切り取って
カメラが、私の青春を取り戻してくれた
友達と旅行に行くことが多く、その思い出をきれいに残したいという思いでカメラを始めたものの、一度は離れていたというtomosakiさん。
「でも、自粛期間中にSNSでAkine Cocoさんをはじめ、私の住む福井県のフォトグラファーさんの写真を見て感動して。それまで、福井県には撮るようなものは何もないと思っちゃってたんですよね。そこから私も本格的に写真を撮るようになりました。それが2020年の4月くらいです」。
5月から写真をTwitterに投稿し始めて、約1年半でフォロワー数は18万人以上に。青春を切り取った写真が魅力的だが、そこには自身の切実な思いが。
「私自身去年まで学生だったのですが、コロナの影響は大きく、思い出を作る機会がなくなってしまって。ただ、私はその時偶然カメラにハマって、青春を取り戻すことができたんです。私は自分の写真を通して、今の学生さんたちに特別なことがなくても日常は楽しめるんだよということを伝えたいんです」。
「卒業シーズンに依頼をいただいて。彼女たちの向かう方向に光を持ってくることで、未来は明るいぞというエールを込めました。被写体の方の『思い出に残った』『この写真を宝物にします』というような言葉は本当に嬉しいです」。
できる限り美しく写したい。思い出が輝くと、自分の人生も輝くから
tomosakiさんには、レタッチにもこだわりが。
「少し映画やアニメチックな雰囲気にすることで、写真に”思い出補正”をかけています。思い出が輝くと、自分自身の人生も輝くと思うから」。tomosakiさんにとって、写真とは?「楽しかった思い出をそのまま保存し、見返すことでその時の感情を呼び起こしてくれる、”感情のタイムカプセル”です」。
「グラウンドの白線ってエネルギッシュだと思います。白線をスタートラインに見立て、クラウチングスタートのポーズをとってもらいました。パワーを感じとって欲しい一枚です」。
「私が高校生の頃、部活の遠征によく使っていた駅。友達と過ごしたお気に入りの場所です。そんな自分の体験を写真に。長く伸びる影を入れ、黄色を強くすることによって、夕日の時間帯を強調しています」。
「福井県は路面電車がいっぱい通っていて、私達の生活に欠かせないもの。青春の一部になっています。えちぜん鉄道のカラーが夏のきれいな空にマッチ」。
「カーブミラーと海があれば、こんなに映える写真が撮れるし、楽しい時間が過ごせるんですよね。私が表現したいことがそのまま写真にできたと感じる一枚です」。
GENIC VOL.60 【エモーショナルな日々】
GENIC VOL.60
特集は「とある私の日常写真」。
当たり前のようでかけがえがなく、同じ瞬間は二度とないからこそ留めておきたい日常を、表現者たちはどう切り取るのか。フォトグラファーが、クリエイターが、私たちが、それぞれの視点で捉えた日常写真と表現、そしてその想いに迫ります。