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プロフィール
野口花梨
フォトグラファー 1999年生まれ、大阪府出身。高校で写真部に入部したのをきっかけにカメラを始め、高校時代は地元の職人などを訪ね撮影・取材を行う。2023年、日本大学芸術学部写真学科卒業。農業や暮らしをテーマにした都内出版社の社員カメラマンとして約3年間勤め、 2025年に独立。「わたしが撮りたかった女優展 in PARCO 2019〜2023」、上白石萌歌 写真集『かぜとわたしはうつろう』などの参加経歴を持ち、ポートレートが高く評価されている。
半逆光ぎみの、やわらかい光に惹かれる
写真は私にとって、行動の幅を広げてくれるものです。写真を始める前は、旅行もそれほど行きたいと思ったことはありませんでしたが、今では遠い海外も含め、いろいろな場所に行って、そして写真を撮りたいと思うようになりました。異国の地は建物ひとつとっても日本とは異なり刺激的。海の広さも、その場所がまとう空気の色さえも異なります。すべてが刺激となり、写真を撮ることがとても楽しいです。
普段もなるべくカメラは持ち歩くようにしていて、人も自然も、被写体はあまり関係なく、光がきれいだと感じたときにシャッターを切っています。半逆光ぎみの、やわらかい光に惹かれます。
富士フイルムのカメラを使うのは、今回がほぼ初めて。“ほぼ”というのは、以前少しだけ使う機会があったからです。一時的な使用でしたが、コンパクトなのにとてもよく撮れるな、と感じたことが印象に残っています。
今回X-H2を使用して、改めてそのことを実感しました。本当にボディが軽くて、使用したのがすべて単焦点だったこともあり、レンズもコンパクト。軽やかな気持ちでシャッターを切ることができ、機動力にすぐれていると思いました。レンズのボケ感がとてもきれい。片手でカメラを持ち、反対の手で前ボケアイテムを持っての撮影もとてもしやすかったです。
普段は描写優先で中判カメラを使用しているのですが、X-H2はAPS-Cセンサーでも描写の質感がよく、写真全体におけるバランスが良いと感じました。ポートレートではとくに肌の質感が大切になりますが、階調がなめらかで、シャープだけれどシャープすぎない描写がとても好みでした。X-H2は目で見たままの表現に近い表現をしてくれて、それでいて、ちゃんと雰囲気も残るカメラです。
写真の色表現は、撮影のときに感じた色、温度感を大切にしています。色が温かいね、と言っていただくことが多いですが、編集の段階では青を意識しています。写真を作品にするにあたり、編集作業はとても大事です。そのため普段は、レタッチすることを前提に撮影し、編集ではどうフィルムライクにしていくか、デジタル特有の表現を抑えていくかということを考えて作業しています。
ところが今回は、フィルムシミュレーションのおかげで、パソコンに取り込んだ段階で、ほぼそのままいける描写でした。実際撮影中も、仕上がりのイメージが見えやすく、撮っていて気持ちがいいし、現場での判断もしやすかったです。編集作業もまた、普段の半分くらいの時間で終わり、描写の美しさを実感しました。20種類と多彩なため、ちゃんと自分の好みに近いフィルムシミュレーションを選べるのも、満足度が高い理由だと感じます。
My favorite フィルムシミュレーション
多種ある中から、自分の好みに近い、やわらかい描写をするフィルムシミュレーションを、お気に入りとして選びました。REALA ACEとPRO Neg. Std、CLASSIC CHROMEの3つです。
1:REALA ACE
やわらかさの中でも、黒が締まる発色のいいフィルムシミュレーションでした。人物の肌が明るくなり、頬に赤みが出ます。シャドウは締まるため、ポートレートの撮影にとても合っていると感じました。そのままでも素敵ですが、編集で色温度や色被り、彩度を少し調整すると、REALA ACEのよさが引き立ち、見違えるような作品になると感じました。
2:PRO Neg. Std
PRO Neg. Stdは、比較的写実的な描写をしてくれます。今回使ったなかでは一番クセがなく、目で見ているのに近い。コントラストは意外と控えめで、黒が締まりすぎることがありません。人物の肌も生っぽく、被写体をそのまま残したいようなときに選んでいました。
3:CLASSIC CHROME
編集の軸をしっかり作ってくれる、もっとも自分に馴染むフィルムシミュレーションです。全体的に彩度がそこまで高くなく、編集で青ベースにしても肌の色がきれいに出ます。ノスタルジックな印象になり、人物の撮影にとても使いやすいと感じます。
野口花梨さんが恋したフィルムシミュレーションの特徴
1:REALA ACEとは?
世界初の「第4の感色層技術」を導入したネガフィルム「REALA ACE」がベース。目で見たままに近い忠実な色再現を目指し、さまざまなシーンにおいて使いやすくしながらも、階調にメリハリを持たせることで立体的な表現が得られます。
2:PRO Neg. Stdとは?
プロ用ネガフィルム「PRO160NS」がベース。階調と肌色のやわらかさが特徴で、作りこまれたライティングでのポートレート撮影に適しています。また、ニュートラルな階調により、撮影後に画像加工を行う際にも最適なフィルムシミュレーションです。
3:CLASSIC CHROMEとは?
20世紀のグラフジャーナル誌に使われた写真のような色再現を目指したフィルムシミュレーション。彩度は低め、暗部の階調は硬めに設計されており、ドキュメンタリータッチでリアリズムを求める写真を撮る際などに最適です。
野口花梨さんが使用したカメラ
X-H2
Xシリーズ第五世代となるX-H2は、スピードと高解像という2つの進化を遂げたXシリーズのフラッグシップモデル。新開発となる裏面照射型約4020万画素「X-Trans™ CMOS 5 HR」センサーと、高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載し、Xシリーズ史上最高画質を実現している。高画素を生かしたハイクオリティな写真のみならず、高精細な8K/30Pの映像を撮影可能。Xシリーズの静止画・動画撮影の領域をさらに拡大し、幅広いニーズに応えてくれる。高剛性ボディに5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正機構も採用している。写真と映像両方で、APS-Cというフォーマットを超えた圧倒的な高画質を提供し、表現を追求するクリエーター達に新たな可能性を切り開く。