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プロフィール
橋本優
写真家/フォトグラファー 2000年生まれ、大阪府出身。ビジュアルアーツ大阪専門学校卒業後、フリーランスとして活動を開始。アーティストやライブ、ジャケット撮影、雑誌、webメディア、ルック撮影などで経験を積み、現在はアパレルブランドとのコラボレーションやアート作品を通して被災地への定期的な募金活動を行うなど、活動は多岐にわたる。
使い込むことで、もっと好きになっていきそうな予感がする
写真とは、自分自身が映る鏡のような、記録のような——。感情や熱を持ち、常に変化する生きたガラスのようなものだと感じています。以前はコントラストが高い写真や荒々しいモノクロ写真が好きでしたが、最近は淡くぼんやりとした光のような質感の表現も好きになりました。その表現を助けてくれるひとつが、富士フイルムの「写ルンです」。写ルンですの色味が大好きです。コンパクトで軽く、手軽にラフに撮れるスペックもありがたいと感じています。
写ルンですをこよなく愛していますが、実は富士フイルムのデジタルカメラを使うのは今回が初めて。フィルムカメラライクな重厚感のあるデザインは唯一無二で、実際に手にするのを楽しみにしていました。そして今回使用したカメラが、GFX100RFです。
カメラが軽いほど自分の目で見る世界に近い写真を撮れると、常々、感じています。その点、GFX100RFの軽さは、とても好ましいと感じました。この撮影を機に父と久々に出かけたのですが、重厚感をまとったフィルムカメラのようなボディに、「可愛いカメラで、なんか懐かしいな。ええやん」という、他愛もない会話ができたことも、今回うれしかった出来事でした。
もちろん見た目だけではなく、ボタンやダイヤルが大きく、配置もしっかり計算されていると感じます。シャッターを切る際、シャッターボタンに置く人差し指の位置と、ピントを合わせるために併せて行うAEL/AFLボタンの位置のバランスがよく、操作がとてもスムーズでしっくりきました。そのおかげで、撮りたい!と思ったのとほぼ同時に、瞬間的にピントを合わせることができました。
また、GFX100RFで驚いたのが圧倒的な描写力。RAWで撮影すると1枚【200MB】と表示されて、「嘘だろ?」と思いましたが、パソコンで書き出してみたところ、細部まできれいに写っていて納得です。いい意味で騙しが利かない、しっかりしたカメラであることを実感しました。今まで見えていなかった写真全体の雰囲気も、GFX100RFなら圧倒的なまでに感じることができるはず。それを体験すべく、大きく引き伸ばした印刷物を作ってみたいと強く思いました。
フィルムシミュレーションを使用すると、撮影時の選択肢が増え、世界が広がる感覚を覚えます。今までは編集のことを頭の片隅で思いながら撮影していましたが、その場で色を決められるようになると、そのときの気分に合わせて色を決めたり、豊富な種類からどれにしようかと考えたり、撮影がより楽しく、飽きがこないことも実感。撮って出しの時点で、かなり理想の色味であることも大きく貢献していたと思います。
フィルムシミュレーションは、他メーカーのカメラにはない、文字通りフィルムライクな色味にできる点が魅力です。とくに影の部分の表現は素晴らしく、まさにフィルム写真だと感じる独特の色味を出してくれる。使い込むことで、もっと好きになっていきそうな予感がしています。
My favorite フィルムシミュレーション
1:PROVIA
今回使ってみて、富士フイルムと言えばこの色味、と感じたのが「PROVIA」でした。もっともノーマルに近いフィルムシミュレーションで、人や風景、光、無機物など、どんな被写体にもマルチに対応できます。それでいて、ちゃんと“富士フイルムらしさ”がある。撮って出しですでに理想に近い表現ですが、そこからどう編集してもPROVIAのよさは残っているように感じました。
2:ACROS+ R FILTER
次いで使用したのが「ACROS+ R FILTER」で、とくに風景や空を写してみてほしいフィルムシミュレーションだと感じました。ほんの少しだけ青が濃くなるので、肌感としては冷たく感じますが、静寂を感じられる風景でよい表現をしてくれます。同時に、緊迫感があるような動きのある写真を生み出したい場合にも、よい働きをしてくれるのではと思いました。
3:MONOCHROME+ Ye FILTER
今回、普段あまり撮らない木々や植物をあえて撮ってみたのですが、「MONOCHROME+ Ye FILTER」の表現は注目に値するものがありました。ほのかに温かみがある淡い色がとても魅力的です。人肌を撮っているような、優しい質感で植物を撮れたのは初めての体験でした。また、コントラストを少し下げて淡く表現することで、温かみのある写真になります。生活、日常、親近感といった類のものに、自然に馴染む質感が生まれると感じました。
橋本 優さんが恋したフィルムシミュレーションの特徴
1:PROVIAとは?
プロ用のリバーサルフィルムのスタンダードタイプ「フジクローム・プロビア」がベース。多くの方が心地よく感じる色再現を追求し、風景から人物まで、あらゆる被写体に対応するオールマイティなフィルムシミュレーションです。
2:ACROS+ R FILTERとは?
"世界最高の粒状性 " と称賛されたモノクロフィルム「ACROS」がベース。豊かなシャドウディテール、高精細なシャープネスに加え、高感度では粒状感が増し、モノクロフィルムのような質感が得られます。レッドのフィルターは、吸収する波長が最も広く、コントラスト強調の効果も抜群。とくに青空と白い雲との強コントラストにおいて、白の明るさを維持したまま空を暗く沈めていくため、順光ではほとんど黒に近いほど濃く写ります。
3:MONOCHROME+ Ye FILTERとは?
モノクロ写真のモードに、通常のモノクロに加えて、コントラストを高める「イエロー(Ye)フィルター」を使用したような仕上がりに。ほか、同じくコントラストを高める「レッド(R)フィルター」、緑色を明るく、赤色を濃く表現する「グリーン(G)フィルター」もあり、表現意図に合わせた画質調整が可能です。
橋本 優さんが使用したカメラ
GFX100RF
2025年4月に発売した、1億2百万画素高速センサー「GFX 102MP CMOS II」と最新の高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載した、GFXシリーズ初となるレンズ一体型デジタルカメラ。富士フイルムが長年提供してきた写真フィルムやアナログカメラなどに由来する9種の多彩な撮影フォーマットを、シンプルな操作で切り換えられる「アスペクト比切換ダイヤル」を初搭載。被写体や撮影意図に応じて、アスペクト比をダイヤルで切り換えて選択するというアナログな操作感が、撮影体験をより楽しくさせてくれる。また、富士フイルムのデジタルカメラ初となる、精密なアルミの削り出し加工を施したカメラ軍艦部を採用。レンズリングやダイヤル類、底面プレートなど細部のパーツにも同様に削り出し加工を施すことで、カメラを手に持ったときに感じる金属の質感とデザインの統一感が一層高まり、所有する悦びを感じられる逸品に仕上がっている。新開発の35mmF4レンズ(35mm判換算28mm相当)が生み出す汎用性の高い画角と、最新のAI技術による被写体検出AF、高速・高精度AF機能により、趣味のスナップ撮影からルポルタージュ撮影などのプロの撮影現場まで、さまざまなシーンで卓越したパフォーマンスを発揮する。