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【#スランプから抜け出す写真の処方箋:1 】6151

写真を撮っていくうちに必ずぶつかる壁、そしてハマる闇。どう壊すのか、抜け出すのか?
そんな、悩めるみなさんを救うべく、6151さん、高橋伸哉さん、酒井貴弘さんに質問!
3名の人気フォトグラファーが送る、成長痛を治すための特効薬。今回は、フォトグラファーの6151さんが写真に関するお悩みにお答えします。

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6151

フォトグラファー 東京都出身。Instagramをきっかけにフリーランスに転身。Hanako(マガジンハウス)で国内外を巡るトラベル記事を連載中。共著「インスタグラム商品写真の撮り方ガイド」(技術評論社)「Instagram あたらしい商品写真のレシピ」(玄光社)。
愛用カメラ:Sony α7R Ⅲ、Leica Q2など
愛用レンズ:FE 24-70mm F2.8 GM、Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 MC VMなど

現状に満足しない人だけが変わり続けることができる

広告撮影や、執筆活動、フォトワークショップなど、様々な分野で活躍中の6151さん。15歳のときに買ったコンパクトフィルムカメラ「Canon IXY」がカメラにハマったきっかけなんだそう。「それまで空や空間のスケッチをするのが好きだったんですが、カメラを通して見る世界の楽しさを知ってすっかり魅了されたんです。そこから始まった私の写真のキーワードは”自由”。何にも縛られないということ。何かにとらわれているような感覚が苦手なので自由で気まま、気分、決めごとを作らないで、ただ今感じていることを感じたままに写真で残したいな、と。楽しいなら”らしさ”なんてどうでもいいなぁと思っています」。

Q. 「普段の何気ない瞬間」を、より雰囲気良く撮るために意識していることは?

A. 構えすぎずに、その瞬間の「想い」を大切にする

「いいな」と思ったときにいつでもシャッターを切れるように、カメラは常に手の届く場所に置くようにしています。写真を撮っているときに喜びを感じるというより、喜びを感じたときに写真を撮っている、というのが私のスタイル。感情が動くタイミングを逃したくないから、カメラをしっかり構えて撮ることよりも、今この瞬間の「想い」を大切にして、記憶と記録が自分の中で、より強く結びつくようにと意識しています。たとえば、朝焼けや夕焼けの刻々と変わりゆく空の色は"刹那"という言葉がよく似合うなぁ…なんて、そういった情緒的な瞬間に写真を撮る。私には、「世界は今日も美しいよ」ってことを、自分の大切な人に伝え続けたいという気持ちがあるのですが、そんな「想い」を大切にシャッターを切ると、何気ない日常の写真の雰囲気も変わってくるのかもしれません。

Q. 他人と比べて自分の写真が好きじゃなくなったときの対処法はありますか?

A. 自分にしか撮れない写真と、自分が撮りたい写真。この2つは違うかもしれないと気づくこと

わかります…。私も、眩しい誰かの足元にも及ばない自分を見て、悲しく悔しく挫折しそうになることがある。もうやめる!なんて思うことも頻繁にある。そして恐ろしいことにこれは一生続く、上には上がいる、ずーっと。でも、これは幸福なことなのかもしれないと、あるとき気づきました。
だって、現状に満足しない人だけが変わり続けることができるから。比較できるってことは、もう自分でも不足に気がついているのでは?
そんなときは、自分に足りないと感じているものを素直に取り入れることが重要です。そして「好き」を撮り続けていくこと。あなたの好きという気持ちはあなたにしか伝えられません。私は自分の写真が好き。ピンぼけでも、上手に撮れてなくても愛おしいモノたちとの大切な時間が写っています。私が残したいのは自分と誰かとの間にある記憶で、写真はそれを呼び起こすための記録でしかない。大事なことはどんな時間を過ごしたか、だけ。良い時間を過ごせたのなら誰かと比べる必要なんかないんです。自分にしか撮れない写真と、自分が撮りたい写真はきっと違うんです。どちらを大切にするかは自分で決められるから、誰かの時間じゃなくて自分の時間を見つめていきましょう。

Q. “自分の写真"という統一感を出すためのアドバイスをお願いします

A. なぜ統一感を出す必要があるのか?というところから考えてみましょう

私は統一感のない写真を撮るタイプだと自負しているのですが、そう人に伝えると「そんなことない」と返ってくることが多いんです。統一感を出そうなんてまったく意識していないから、そう言われると不思議で首を傾げてしまいます。仕事もあり、いろいろな被写体を撮っていますが、それでも見る人によっては「統一感がある」と感じるのだそう。それにはさまざまな要素があると思うのですが、「色」でまとめると統一感が出やすいのかもしれません。私は、海や湖など水のある風景や空、朝方の光など青色を見ていると感情が揺れるので、被写体にもよく青が登場します。そうやって好きな被写体を撮り続けることで、自然と統一感が出てくるのかもしれません。”自分の写真”を見つけるときに何よりも大事なのは「続けること」。情熱を燃やし続ける「努力」が要になります。感情の赴くままに表現するのがいちばん続けやすいので、らしさとか統一感にはこだわらないのがいいのかもしれません。

Q. 最近のベストショットを教えてください

A. 目の当たりにした現実と感情がリンクしたような一枚

ここ最近で撮った、いちばん好きなシーンです。いつもは通らない自宅のそばの小道を「今日は歩いてみよう」と向かった先で見つけた秘密の場所。夏の日差しが強く、木々が風に揺れ木漏れ日がきらきらと眩しかった一瞬をスマホで撮影しました。光の効果のように見えているのは、レンズについた日焼け止め。まるでソフトフィルターのように光が拡散していました。写真の中でシーンが完成していたにもかかわらず、目の当たりにした現実と「日々を尊ぶ」感情がリンクしたような仕上がりになり、改めて写真って楽しいなと感じた一枚です。

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GENIC VOL.60 【スランプから抜け出す写真の処方箋】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC VOL.60

特集は「とある私の日常写真」。
当たり前のようでかけがえがなく、同じ瞬間は二度とないからこそ留めておきたい日常を、表現者たちはどう切り取るのか。フォトグラファーが、クリエイターが、私たちが、それぞれの視点で捉えた日常写真と表現、そしてその想いに迫ります。

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