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犬と人の暮らしを巡る旅 中道智大|連載「好きを追いかけて」第2回

“好き”は、地図にない場所への道しるべ。目的地は違っても、旅の根っこにあるものはきっと同じ気持ち。それぞれの想いが、旅のかたちをつくっていきます。その過程にこそ物語が宿る、3名の“好き”を巡る旅の話です。全3回の連載、第2回はフォトグラファーで映像クリエイターの中道智大さんの犬と人の暮らしを巡る旅です。

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目次

プロフィール

中道智大

フォトグラファー/映像クリエイター 1988年生まれ、千葉県出身、北海道在住。ドッグトレーナーとして活動後、より自然や動物の魅力を伝えるためフォトグラファーに転身。現在は北海道標茶町の、7000坪ある元狼の森で、大型犬4頭と暮らしながら自然や動物などの写真・映像を発信している。2025年冬には世界最強の犬と言われる、トルコのカンガル犬を巡る旅を収録した写真集『Kangal』を発売。愛犬の写真撮影、全国出張を随時受付中。
愛用カメラ:Nikon Z9、Leica M6、PENTAX67
愛用レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S、smc PENTAX 67 105mm F2.4、Summicron M f2/28mm ASPH.

犬と人の暮らしを巡る旅

世界で最も厳しい環境に暮らしている犬の暮らしを、自分の目で見たかった

「この旅で最もお気に入りの、正面から走ってくるグリーンランドドッグとエスキモーの写真。犬たちの表情が溌剌としていて、本能を発揮している時の犬は最高に良い顔をするな、と改めて思った瞬間」。

「白夜の中、深夜12時近くになると少しだけ日が傾きます。今日の寝床となるテントを犬たちの側で作っている様子」。

「村にいるとても立派な体躯のグリーンランドドッグ。かつての南極物語のタロジロは、絶滅してしまった樺太犬という犬種なのですが、グリーンランドドッグとの繋がりがあり、もし樺太犬が今でも生きていたら彼のような姿なのかなと撮影しました」。

「10時間近く走り続けた直後。犬たちは心底疲れ果て、そのまま重なってすぐに眠りについてしまいます」。

仕事をして本能を発揮している犬の顔はとても生き生きとしていて美しい

「ドッグフレンドリーな文化が根付いた街で暮らす犬の様子が見たくて、2016年にアメリカ西海岸へ旅に出ました。そして2023年には、世界中の犬と人々の生活を撮影するプロジェクトを本格的にスタート。幼い頃にテレビで見た“モンゴリアンバンカール”に会うためモンゴルへ旅したのを皮切りに、トルコの“カンガル犬”、韓国の“珍島犬”を巡り、今年は絶滅した樺太犬との繋がりを持つと言われる“グリーンランドドッグ”に会うためにグリーンランドへと向かいました。世界中の『仕事をする犬と人の暮らし』を撮影する上で犬ぞりは絶対に外せないテーマだと考えていたからです。そこでは目に映るすべてが、これまでの常識を覆す光景の連続でした。果てしなく広がる凍てつく氷原を犬ぞりで移動するエスキモーたち、アザラシの狩猟、白夜の気候、そして冬にはマイナス40度にもなる極限の世界。日本の生活とは全く異なる現地の文化に、尽きることのない興味を抱きました。想像以上の寒さと白夜によって時間感覚もおかしくなりました。しかしそれ以上にエスキモーの狩猟文化や、グリーンランドドッグたちの並外れた能力を目の当たりにし、またこの地へ訪れたいと思いました。自然の中で本能を発揮し仕事をする犬たちの姿はとても生き生きとして、ただただ美しいものです。この経験から、いつか自分も猟犬やソリ犬と共に暮らし、彼らの本能を最大限に生かせるような生活を送りたいと願うようになりました。仕事をする犬と暮らす人々との出会いは、犬と人間の関係の原点を見せてくれたように感じています」。

犬が暮らすルールを見ることでなんとなくその国の雰囲気も知ることができる

「チュレムという村で出会った巨大なカンガル犬。カンガル犬の大きさがよくわかる一枚」。

「犬大国トルコの雰囲気がわかるように、路上にいるストリートドッグを撮影」。

「都会であっても田舎であってもどの町にも犬が当たり前にいて、トルコ人たちはその環境を受け入れています」。

かわいさだけじゃなく、自然の中に生きる犬の本当の強さや魅力を知って欲しい

「家畜が水を飲むために移動しているとき、天敵から襲われないように家畜を守りながら行軍するモンゴリアンバンカール。1000年以上も続く、遊牧民とバンカールの深い繋がりを表現」。

「夜、ゲルの周りで、月明かりと共に休んでいるモンゴリアンバンカール。彼らには犬小屋もなく、雨でも風でもこうしてゲルの周りで休み、天敵の襲来があると一斉に吠えて追い払いに行きます」。

GENIC vol.77【好きを追いかけて】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC vol.77

2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」
どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
永久保存版、GENICらしい、新しい旅のガイドブックの登場です。
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