【撮影と表現のQ&A】古性のち／Q.美しい組み写真の秘密を教えて！

古性さんのSNSの投稿の中で、ひときわ印象的な組み写真。1枚ではなく、複数枚をまとめて見せることの魅力とは？「より写真の世界が広がり、その前後にあるストーリーを伝えることができると思います。動画とはまた違って、少し余白も残しつつ、1枚の写真よりも多くのことを伝えられる面白さがありますよね。違う写真を組み合わせることで、現実よりもファンタジーに寄った表現を楽しむこともできると思います。組み方にルールはありませんが、InstagramでもX（旧Twitter）でも、それぞれの写真の色味に共通点を入れるように。例えば、3枚の写真すべて赤が差し色になっているなど、リンクしている色があると、質感や素材感が違っても、1枚として見た時にしっくりくるような気がしますね。あとは、ごちゃっとした雰囲気の写真と、余白を大切にした写真のバランス。情報量の多い写真の隣には、被写体が中心にぽつんとある写真を組み合わせてみるなど、偏りがないよう気をつけています。撮影する時に、組むことを考えて撮ることは全くありませんがなるべくひとつの被写体に対し、寄りと引きを押さえるようにはしています。いつも写真のバランスや組み合わせを５パターンくらい作ってみて、SNSに載せた時にどう見えるか、プラットフォームの特性に合っているか、文字との組み合わせはどうか、などを見ながら最終的に選んでいます」。

｢組み画像を作る時はいつも、どの写真を組むか迷ってしまうな…と思っていて。写真を選ぶ際に、物語やコンセプトを取り入れたり、先にタイトルを付けたりすると選びやすくなるかな、と毎度感じています。例えば、『夏の忘れ物』だったり、『初めて喫茶店を訪れる女の子』だったり、なんでも良いのですが、そういうガイドラインみたいなものを自分で作ると写真を選ぶのも楽しいし、組みやすいです。トリミングは隣り合う写真同士、例えば動作が続いて見えるなど、何かしら繋がりが見えるように。画像を作成する時は『Picsart』というアプリをよく使っています。もっと使いやすいアプリがあるかもしれませんが、機能的に十分なので今のところ満足です｣。

｢3枚で投稿することもありますが、反応がよいのは4枚投稿。4枚の中に共通の差し色が入っていると、寄り引きのバランスをそこまで気にせずとも、うまくまとまる気がします。もしくは、4コマ漫画みたいなイメージで物語を組むのもおすすめです。X（旧Twitter）はZ目線とも言われますが、私は時計回りに見るほうがストーリー性を感じるので、写真は1枚目、2枚目、4枚目、3枚目の順でアップし、目線が左上・右上・右下・左下と流れるようにすることが多いです。裏アカ（鍵垢）を作って、本番前にテスト投稿。文字のバランスや目線の流れの気持ちよさなどをチェックして、本番に反映するよう心がけています。あとは文字量を多くとも１行くらいでシンプルに。これはコツというより、今のトレンドかもしれませんね｣。

GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】古性のち／Q.美しい組み写真の秘密を教えて！
Edit：Yuka Higuchi