増田さんにとっての日常とは?
「私にとっては、写真を撮ることが日常。基本的には撮っていないことがないので、すべての生活が日常で、非日常との境目はないと思っています」という増田さんが日々、撮っている理由は、“好き”と思った瞬間を“忘れたくない”から。「逆に写真が自分の“好き”に気づかせてくれて、新しい世界を教えてくれる。私が写真を撮るのは、その先に“好き”があるからです」。日常には、作品としての写真と思い出写真の2種類があるという増田さん。「特に思い出写真を残すことはすごく大事で、見返すことも大事。忘れてしまう瞬間はたくさんあるけれど、きれいな夕日だったり、友達の笑顔だったり、自分が“好き”だったことが何かを思い出させてくれるから。フォルダを遡っていると、“あー、この日こんなことをしたな”と思い出せるのがいいですね。同じ瞬間には二度と戻れないけれど、そのときの匂いや感情などが蘇ってきます。日常は誰かのためにじゃなく、自分のために残すもの。そこに自分が感じた瞬間が詰まっていれば、写真に残す意味になると思います」という増田さんに、“好き”で“忘れたくない”日常をPEN E-P7で撮り下ろしていただきました。
写真家 増田彩来がPEN E-P7で切り取った日常
印象的な“目”を主役に、麦わら帽子から漏れる光と影を表現
モデルの平井珠生さんと好きな場所で撮ろうと話をして、2人が好きな海で撮影することに。「彼女に好きな服装で来てほしいと依頼したところ、麦わら帽子をかぶってきてくれました。これはその帽子の影と、隙間から出ている光が目に入った瞬間が好きで、撮影した1枚。私自身引き込まれてしまうくらい表情も素敵で、お気に入りのカットです。目を一番見せたかったので、顔全体が主役になりすぎないよう、少し上から撮影」。この日の撮影はすべて、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8のレンズを使用。「つけてみたら楽しくて!ボケ感もきれいですし、目で見ている世界と同じくらいの画角なのに、全然違う世界が広がって、テンションが上がりました」。
好きなものに囲まれたハッピーな雰囲気をまるごと切り取って
「今回は平井さんが好きなものを持って海へ行こう!ということで、この日の小物はすべて彼女が持ってきてくれたもの。相談しているときに、変なフルーツが好きという話で盛り上がったので、フルーツは2人で買いに行きました。好きなものを全部詰め込んだら、どんな世界になるのか、あまり細かく内容を決めずに撮影に臨んだのですが、置いてみたら思っていたよりも可愛くて、不意に撮った1枚です」。液晶モニター画面をタッチすると、そこにピントが合うタッチAFシャッターで撮影。「全体の空気感まで撮りたかったので、レジャーシートの基地を真ん中にくるように配置。夕方5時くらいで、長く伸びた影も可愛いと思い、影も見える位置から撮りました」。
急な波で濡れながら笑っている瞬間をタッチAFシャッターで
「水中にいるときは違う世界にいる感覚。水の中しか見えない世界があり、写真でしか切り取れない瞬間がある」という、“水”が大好きな増田さん。「平井さんがスイカを持って海に入ったときにちょうど波が来て、濡れながら笑っている瞬間が素敵で撮影しました。海の真ん中にいる感じが好きだったので、彼女を中央に配置。砂浜は写したくなかったので、私も海に入って、海以外は写さないように高い位置にカメラを構えています」。このとき活躍したのがチルト式モニター。「太陽が眩しくて画面が見えづらいなと思ったので液晶モニターを動かして、タッチAFシャッターで狙って撮りました。普段はファインダーを覗いて撮影しているので、きれいな液晶モニターで確認しながら撮れることが新鮮でしたね。寝転がって見上げて撮るときや、低い位置から撮影するときも、見やすくて便利で感動しました!」。
スイカ割りをした楽しい夏の思い出をただ残したくて
「わかりやすく“夏”をしてみようとスイカ割りをして、楽しかった瞬間をただただ残したくて撮影しました。この写真は自分の思い出なので、あえて何も考えず、目で見たそのままの視点で。これもタッチAFシャッターで撮っています。初めは液晶モニターを見ながらの撮影に慣れず不思議な感じがありましたが、すごくきれいで見やすくて、すぐに確認できて、本当に便利でした!」。 このときは撮影のためではなく、リアルにスイカ割りを楽しんだそう。「目隠しは用意していなかったので目をつぶって、その場に落ちていた細い木の枝を使ってやったのですが、4回目くらいに目を開けてようやく割れました(笑)」。
目元に眩しい西日が差すべストモーメントをキャッチ
「割ったスイカを一緒に食べようとしていたところ、ふと見たときに平井さんの目に西日が当たっている、その瞬間が本当に美しくて。撮るつもりはなかったのですが、思わずカメラを手に取りました。目を特に強調したかったので、あえてスイカで口元を写さないようにし、目に光が入っている瞬間を静音モードで撮影しています」。同じ画角で何枚も撮ることはあまりしないという増田さん。こちらも決め打ちで撮った1枚。「いつも撮りたいイメージをかためて、アングルを決めてから撮ります。これは狙った写真が撮れるまで何回かシャッターを切りました」。
光と被写体が生み出すキラキラした“動”の瞬間を静音モードで
「“好き”と思った瞬間にシャッターを切ります。すべての写真に共通して思っているのは、静止画の中に動いている瞬間を詰めこみたいということ」という増田さん。「浮き輪でプカプカ浮いてたとき、きれいな光が重なった瞬間があって。光の中にいる平井さんが“好き”で撮りました。キラキラしている部分が、ちょうど顔あたりに来た瞬間を狙っています」。この写真も静音モードで撮影。「止まって狙って撮るときは、シャッター音がないほうがより“瞬間”を捉えられると思います。シャッター音で被写体が構えてしまうと、静止画になってしまって“動”が詰め込めないから」。
ふと光が透けた一瞬を写し出した“顔のないポートレート”
平井さんが何かを拾おうと、下を向いたときに撮った写真。「髪がぱさっと目に被って、光が透けた瞬間が好きで。あえて顔ははっきり写さず、でも表情が想像できるような写真にしたいと思いながら、静音モードで撮影しました」。普段はレンズのピントリングを回して撮っている増田さんにとって、便利だったのはタッチAFシャッター。「すごく速く、撮りたいところにフォーカスが合うのが、すごいですね。撮りたい瞬間、ここに合わせたいという瞬間を逃さずに撮れたと思います。フィルムカメラと2台で撮っているときも、さっと持ち替えてすぐに撮れるし、動きながら瞬間を切り取るような撮影に向いているなと思って、とても欲しくなりました!」。
静かに佇む被写体はシルエットで、暮れなずむ空を主役に
海よりも空を主役にしたという1枚。「日が暮れて染まっていく空の色と、そこに平井さんが立っている空気感が好きで撮りました。海よりも空を写したいと思って、視点をかなり下げて撮っています。空があって、そこに人がいる、というその空気まで切り取りたくて、人物はシルエットにして、空を広めに」。この写真もすっかりお気に入りの静音モードで撮影。「フィルムカメラだとシャッター音があるので、どうしてもモデルさんが意識してしまいますが、このカメラは音を消せるので、より自然な表情で、身構えていない被写体が撮れました。デジタルカメラでしか見えない世界が、そこに映っているのではと思います」。
増田さんが「OLYMPUS PEN E-P7」を使ってみて感じたこと
普段はフィルムカメラを使っている増田さんにとって、今回初めてのPENシリーズ。「見た目がとても可愛くて、持っているだけでテンションの上がりそうなカメラだなと思っていましたが、その通りでした。周りからも可愛いとほめられて、うれしかったです」。実際に手にしてみて、「こんな軽いんだ!とびっくり。私はすべての写真で、“瞬間”を撮りたい、静止画のなかに“動”を残したいと思っているので、とにかくその瞬間に間に合うかどうかを大事にしているんです。その点、PEN E-P7は軽くて、使いやすくて、すぐに撮れる。逃したくない瞬間をしっかりとおさえられるところが本当にいいなと思いました。機能性が高く、操作性も手軽で、普段カメラに触れていない方でも気軽に撮影できると思います。持ち歩くのにも便利なので、旅行にもよさそうですね。友達が笑った瞬間も逃さず、思い出を残せます」。特に気に入った機能は?「静音モードは被写体さんに撮る瞬間を意識させずに撮れるので、より自然な表情を捉えられました。あとは液晶モニター。画面に映っている景色がとても美しくて、撮っていてワクワクしますね!」。
増田彩来
写真家・映像作家 2001年生まれ、東京都出身・在住。カメラ歴4年目。中学生のときにフィルムカメラに目覚め、高校在学中、SNSに投稿した写真がきっかけで写真家として始動。2019年より映像作家としても活動している。2021年9月、個展「écran」を開催したばかり。
次はフォトグラファー・酒井貴弘さんの登場です。
増田彩来さんがPEN E-P7をバトンタッチするのは、フォトグラファーの酒井貴弘さん。今年の春に開催された写真展「私が撮りたかった女優展 Vol.3」にともに参加されていたお2人。増田さんに酒井さんの印象を、増田さんにお聞きすると……、「プライベートでもとても仲良しです。酒井さんのお子さんが生まれたときには写真を撮りに行ったほど。人物の魅力を写し出すフォトグラファーさんという印象ですね」とのこと。いよいよ最終回となる次回、その酒井さんがPEN E-P7で切り取った日常写真をお届けします!
酒井貴弘
フォトグラファー 1986年生まれ、長野県出身。関東を拠点とし、ポートレートやスナップを中心に、広告案件やタレント・モデル撮影、ファッションの分野で活動。俳優やアイドルの撮影に強みを持ち、SNSのフォロワー数は延べ13万を超える。
リレーに使用したカメラ「OLYMPUS PEN E-P7」商品情報
「OLYMPUS PEN E-P7 ボディー」
オープン価格
カラー:シルバー/ホワイト
「OLYMPUS PEN E-P7 14-42mm EZ レンズキット」
オープン価格
キット内容:
ボディー(シルバー/ホワイト)
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
※装着されるレンズはボディー色ホワイトの場合はシルバー、ボディー色シルバーの場合はブラックとなります。