プロフィール

佐藤健寿
写真家 『奇界遺産』シリーズ(エクスナレッジ)は写真集として異例のベストセラーに。ほか著書に『世界』『PYRAMIDEN』、『CARGO CULT』など。TBS系「クレイジージャーニー」ほか出演多数。写真展は過去、ライカギャラリー東京/京都、高知県立美術館、山口県立美術館、群馬県立館林美術館などで開催。「佐藤健寿展奇界/世界」は全国で巡回し13万人を動員。
ステートメント

唐突に、ある光景を思い出すことがある。
およそ20年近くも世界をうろうろしていると、旅の中で見た膨大な光景が、いつしか記憶の中で混ざり合って、突然、頭の中でフラッシュバックするのだ。記憶の彼方から現れる光景は、いつも支離滅裂で、限りなく未知に近い。
引き出しの奥から突然出てきた古い写真のように、本来の場所から切り離されて、意味を失くした光景。ここはポンペイ島の蒸し暑いホテルか、ペルーのうら寒い安宿か、極寒のヒマラヤの山小屋か、ポルトガルの小さな教会か、薄汚れた西安の食堂か、あるいはネバダの砂漠、エリア51近くのモーテルだったか。
映画を見た夜、何気ないワンシーンがふいに蘇るように、フラッシュバックするのは、旅の最中は意識すらしなかった、名前も知らない景色ばかりだ。そして次には、それが果たしてどこに属すべきものだったかをしばし考える。自分は本当に、ここにいたのだろうか。
旅から帰って写真を眺めるたび、撮ることができたものよりも、撮れなかったもののことを考える。写真に写せなかったもの、あるいは写らなかったもの。何かを撮影するということは、それ以外の何かを切り捨てることと同義だ。
未知のもの/Unknown、忘却したもの/Forgotten、見過ごしたもの/Overlookedーーー写真が世界のネガとしてあるように、見えるものとは、常に見えないものの反照にすぎない。
── 佐藤健寿
展示作品の一部と解説

世界各地の"奇妙なもの"を対象に、博物学的・美学的視点から撮影を続けている写真家、佐藤健寿氏。およそ20年もの長きにわたり、世界を旅しながら、多様な文化や民俗、そして、その土地土地に生きる人々の姿を見つめてきました。
本展では、2003年の初期作品から2025年の新作まで氏の旅の軌跡を通して、摩訶不思議な世界だけでない、ニュートラルな視線で撮影された作品140点を展示いたします。
── キヤノンギャラリー プレスリリースより



佐藤健寿 写真展「U.F.O.」情報
開催日時
2025年5月15日(木)~6月24日(火)10:00~17:30
休館日:日曜・祝日
入場料
無料
会場
- キヤノンギャラリー S
- WEB
- 〒108-8011 東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 1F
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
JR山手線・東海道線・京浜東北線他「品川駅」直結、港南口から徒歩で約8分
京浜急行「品川駅」から徒歩で約10分