助川康史
鉄道写真家 1975年生まれ、東京都出身。真島満秀氏に師事し、業界で生きるための商業鉄道写真と、表現者としての鉄道写真の両方を学ぶ。現在はマシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ勤務。
愛用カメラ:Nikon Z 9/Z 6II
愛用レンズ:NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S/Z 24-120mm f/4 S/Z 100-400mm f4.5-5.6 VR S
Q.撮り鉄の面白さを教えて!
A.素晴らしい光景と列車が組み合わさった、一期一会の瞬間を撮れた時が喜びのマックス
アイドルに会えたような感覚でシャッターを切る。愛に理由はない(笑)
「鉄道写真に目覚めたのは、7歳頃。物心がつく頃から鉄道好きでしたが、母親がコンパクトカメラを買ったことをきっかけに、時折それを借りて近くの線路に撮りに行ったのを覚えています。今では鉄ちゃんが大好きな列車中心の"編成写真"から、テクニカルな"流し撮り"、四季折々の鉄道風景など、場面と状況に応じた撮り方で最も良いシーンを切り取るオールマイティな鉄道写真家だと自負しています。鉄道写真の魅力とは、一期一会の素晴らしい光景と列車が組み合わさり、思い描くような作品として撮れた時の喜びに凝縮されます。鉄ちゃんが多く集まるのは、非常に珍しい列車が来る場合が多いのですが、それは普段会うことが叶わない有名人に出逢える機会や、引退間近のアイドルの最後のステージを見届けるのとまったく同じ感覚です。愛に理由はありません(笑)。鉄道写真は、編成写真はもちろん、鉄道風景写真でも列車が来た瞬間しかシャッターチャンスがありません。自然現象などがいくら良い条件でも、列車が来なくては鉄道写真にならないのです。大自然などはさまざまな条件で風景が変わり、不変なものはありません。そんな刻々と変わる条件の中で『まだか、まだか』とドキドキしながら列車を待ち、自分の思い描いていた構図や風景の作品が撮れた時、さらには想像以上の光景に出逢えた時は至福の瞬間です。鉄道車両や鉄道施設はもちろん、季節の彩りや風土、地勢や人など、鉄道を取り巻くすべてのことに興味を持ち、それを理解して感動することを大切にしています」。
撮り鉄初心者におすすめの撮影機材
「初心者には、高速で走る列車を撮るのに適したカメラがおすすめ。AFが強く、高速連写ができる2000万画素クラスであれば十分です。また、緻密なバランスの構図を取るためには、手持ちではなく三脚が必須です。ただし、駅や人が多い公共の場所では使用を控えて」。
GENIC vol.67【撮影と表現のQ&A】助川康史/Q.撮り鉄の面白さを教えて!
GENIC vol.67
7月号の特集は「知ることは次の扉を開くこと ~撮影と表現のQ&A~」。表現において、“感覚”は大切。“自己流”も大切。でも「知る」ことは、前に進むためにすごく重要です。これまで知らずにいたことに目を向けて、“なんとなく”で過ぎてきた日々に終止符を打って。インプットから始まる、次の世界へ!
GENIC初のQ&A特集、写真家と表現者が答える81問、完全保存版です。