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NEON TOUR 中村治

記憶が灯る夜の街を旅する写真家、中村治。通り過ぎてきた時代や物語、そして記憶を見つめ直す、全国各地のネオンのある風景を撮るプロジェクト「NEON TOUR」について、伺いました。

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目次

プロフィール

中村治

写真家 1971年生まれ、広島県出身。1995年、ロイター通信社北京支局の現地通信員として写真を撮ることから写真家としてのキャリアをスタート。帰国後、写真家、坂田栄一郎氏に4年間師事。2019年、福建省の山間部に点在する客家の村とそこに生きる人々を撮影した写真集『HOME-Portraits of the Hakka』(LITTLE MAN BOOKS)を上梓。同作で第20回さがみはら写真新人奨励賞を受賞。2021年、東京周辺のネオン風景を撮り集めた写真集『NEON NEON』(LITTLE MAN BOOKS)。
愛用カメラ:Canon EOS R5、Sony α7R V、α7R Ⅳ
愛用レンズ:Canon TS-E24mm、TS-E45mm

NEON TOUR

全国各地のネオンのある風景を撮る

「2023年に撮影した『バンコクナイト渋谷』。コロナ後、ネオンを灯してきた多くの店は閉店していったが、2021年春頃から新たなネオンをよく目にした。一見、海外かと見間違える風景の奥に『サイゼリヤ』の看板が見えるのがおもろしい」。

ネオンを巡る旅は、変わりゆく街の来歴をたどる、時間旅行であった

「レトロを現代の文脈において独特な感性で再解釈している、原宿の『#FR2梅』。提灯をネオンと併用している店舗は、ファッション業界で初でないだろうか」。

「ネオンの風景を撮り始めたのは2019年。街を歩いていて、昔ながらのネオンがLEDに置き換わっていることに気づき、自分が残すしかない、と勝手な使命感に駆られ撮り始めました。そこから、東京周辺のネオン風景をまとめた『NEON NEON』という作品で、写真展を開きました。その後、5年かけて全国を巡り、各地で出会ったネオンの光景を『NEON TOUR』として発表しました。ネオンは設置条件が良ければ30年以上灯り続けるものもあります。建物や風景を俯瞰してみると、その時代の空気感が漂っているのがわかります。ネオンを巡る旅は空間的な移動であると共に、時空を超える旅でもあったという実感から名付けました」。

「2023年に横浜に開校した日本初のeスポーツ専門高校。ネオンは奥の壁の文字だけで他は蛍光管を使った照明だが、電脳空間を可視化する空間デザインになっていて面白い」。

「こだわりの強い車好きが集まる愛知のダイナー『K’s Pit』。この風景に合わない原付バイクが店前に停められているのが、本当はおおらかな土地柄を感じさせる」。

「『酒蔵力 大宮西口店』。提灯は江戸時代から広告照明として使われてきたという。その系譜が酒蔵力のネオンにはある気がする」。

通り過ぎてきた時代や物語、そして記憶を見つめ直すプロジェクト

「『NEON TOUR』でネオン作品にいったん区切りをつけましたが、今後は10年単位でゆっくり撮っていきたいです。現在は古代史をテーマにした作品、そして中国の都市風景なども撮り始めています。今後、写真集の制作、写真展を開催予定です。時間をかけて、同じテーマで写真を撮り続けていくと、関心の変化や、手法の変更などが必ず起こります。その過程自体をまた楽しみたいと思っています。オリジナルプロジェクトは私にとって必要不可欠なライフワークです」。

Photo Book『NEON TOUR』

LITTLE MAN BOOKS

Amazon:中村治 写真集『NEON TOUR』

GENIC vol.76 【NEON TOUR】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.76

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