プロフィール
マーク・スタインメッツ
写真家 アメリカ、ジョージア州アセンズを拠点に活動。1986年にイェール⼤学の写真専攻MFA課程を修了。同じころ、ロサンゼルスにて、ゲイリー・ウィノグランドのもとで1年間制作活動を⾏っている。主な作品に「Summer Camp」や「The Players」があり、アメリカの⽇常の⾵景や若者の姿を、静かで抑制の効いたモノクローム写真で捉えている。偶然に導かれた瞬間に、好奇⼼と深い敬意を持って率直に被写体に向き合う作⾵は、観る者に静かで多様な解釈の余地を開くイメージを提⽰している。2018年には妻で写真家のイリーナ・ロゾフスキーと共にThe Humidを設⽴。写真を中⼼としたワークショップやレクチャー、作家同⼠の交流の場として機能するプラットフォームであり、アメリカ国内外のアーティストが集う実践的な場となっている。
ステートメントと解説、展示作品の一部をご紹介
今回展⽰する作品の⼤半は、私が20代だった1980年代後半から1990年代初めにかけて制作したものです。20代の写真家が、アンリ・カルティエ=ブレッソンやヘレン・レヴィットのように、⼦どもを被写体に選ぶことが多いのは、私や彼らにとって、それはすでに過去の時間であり、そして、よく知っている時間でもあるからだと思います。
⼦どもの頃、私は少年野球リーグに所属、サマーキャンプにも参加していました。少年野球やサマーキャンプは、チャールズ・M・シュルツの⼈気漫画「ピーナッツ」の中でも繰り返し描かれるテーマで、⼦どもの頃の私も熱⼼な読者の⼀⼈でした。どこかで「ピーナッツ」が、これらの被写体が芸術になりうるという⽰唆を、私の⼼のどこかに植え付けていたように思います。
私は、少年野球で⾒ることができる⼦ども達の何気ない動きや表情、ドラマ、そして道具のたたずまいにとても惹かれます。バットやユニフォーム、グローブ、ダッグアウトやフェンス。サマーキャンプもまた、キャビンや⾷堂、キャンプファイヤー、⽔泳といった、昔から変わらない馴染み深い⾵景があります。キャンプと野球の試合の光景は、静かで穏やかな空気が流れています。これらの写真は、今⽇の⼦どもたちが⽇常的に親しんでいるデジタルな気晴らしがまだ存在しなかった時代でした。その夏は果てしなく続くようで、私は、⼦どもたちの時間が無限に広がっているような感覚を抱いていました。
── マーク・スタインメッツ
1961年にニューヨークシティに⽣まれ、ボストン郊外で育ったスタインメッツは、1983年にロサンゼルスへ移住し、写真家ゲイリー・ウィノグランド(Garry Winogrand)と親交を結びました。その後、ジョージア州アセンズに拠点を移し、「アメリカの⽇常の⾵景や、そこに暮らす⼈々」を主題に、静かで抑制の効いたモノクローム作品を発表してきました。
本展「Summerʼs Children」は、スタインメッツが20代だった1980年代半ばから⻑年にわたり撮影してきた、《The Players》《Summer Camp》など、夏を過ごす⼦どもたちのシリーズによって構成されています。野球をする⼦どもたちのまなざしや試合前の緊張、キャンプで語らう⼦どもたちの姿。ここに写し出されているのは特別な出来事ではなく、どこにでもある時間の断⽚です。スタインメッツは、⼦ども時代特有のゆるやかに広がる時間の感覚を、丁寧にすくい上げています。
スタインメッツは1980年代半ば以降、⼀貫してモノクロフィルムによる制作を続け、⾃⾝の暗室で現像・プリントを⾏ってきました。柔らかな階調と豊かなディテールをもつプリントは、⼦どもたちの表情や⾝振りだけでなく、光や空気の密度までも繊細に描き出しています。本展では、ゼラチン・シルバー・プリント約25点をご紹介いたします。
── マーク・スタインメッツ作品展「Summerʼs Children」プレスリリースより
マーク・スタインメッツ 作品展「Summerʼs Children」情報
開催日時
2026年3月16日(月)~5月13日(水)11:00~18:00
休館日:日・祝日
入場料
無料
会場
PGI
- 〒106-0044 東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F
- Google Map
行き方・アクセス
<電車>
地下鉄大江戸線「赤羽橋駅」から徒歩で約5分
地下鉄大江戸線・南北線「麻布十番駅」から徒歩で約8分
日比谷線「神谷町駅」から徒歩で約8分