プロフィール
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ピーター・サザーランド
1976年生まれ。コロラド在住。ドキュメンタリー・フォトグラフィーのテクニックを使い、隠れた笑いや美を撮り続けているフォトグラファーでフィルムメーカー。2001年、ニューヨークのメッセンジャー達を撮ったドキュメンタリー映像「Pedal」を発表。サンダンス映画祭に出品され注目を集める。2003年には「Gator」ことマーク・ゲイター・ロウゴウスキーを中心にした1980年代のスケートボードシーンを追ったドキュメンタリー「Stoked : The Rise and Fall of Gator」で撮影監督を務めた。2004年に初の写真集「Autograf: New York City's Graffiti Writers」、2006年にDVD/フォトブック「Pedal」(共にPower House Books)を発表。以後、精力的に数多くの写真集を発売する傍、「i-D」「VICE」などのエディトリアル、「POPEYE」の連載、ノースフェイス、アディダス、ステューシー、デュラセル、フィルソン、スーリー、ラコステ、パラディウム、シュプリーム、ナイキなどの広告写真を手掛ける一方で、リチャード・プリンスや自身が興を持つアーティストや題材のドキュメンタリーを撮り続ける。
作品の一部と解説
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「ポルケ、ゲレンデを滑る」
ピーター・サザーランドは父親だ。それは一見、アーティストの創作活動には関係ないように思えるが、実はそうではない。親になると焦点が変わり自分の子どもが主役になるのだ。
子どもが直感的にコラージュを作り上げていく様子を見ていると、嫉妬すら覚えることがある。自分の青春時代の大切さを手放し、その代わりに一瞬の盗まれた時間や、記憶の断片のような、もっと儚いものに惹かれるようになるのだ。
ピーターのキャンバスには、このエネルギーが反映されている。それらは部屋に漂う音楽のように、雰囲気に満ちている。彼は絵画の革新を追い求めているわけではなく、使い古された親しみやすさに寄り添い、古びたバイカーの革チャップスや、スケーターのボロボロになったカーハートのパンツのように、生活感がある。
また彼は現実の世界やサブカルチャーを冒険する人で、若者文化の境界線を追いかけている。
彼は、自分と同じ道をハイキングしてほしいし、同じ斜面をスノーボードで滑り降りてほしいと思っているのだ。
ピーターがこの展示会用の作品を初めて送ってきたとき、冗談でこう言った。「君は『ジグマー・ポルケ』ならぬ『ジグマー・スロープス』だね!」これはうまく訳せないかもしれない(大抵のテキストメッセージはそうだ)が、その感覚は心に残る。ピーターのイメージへのアプローチは、アイデンティティ形成と結びついているように感じられる。彼はストリートサインの写真と、手描きのBlack Labelスケートボードのロゴを並置させるかもしれない。それによって、そのマークを自分のグラフィティの歴史へと引き戻しているのだ。それらの作品は抽象へと進んでいくが、同時にトラッパーキーパー(多彩な装飾が施されたバインダー)のように、外の世界のテクスチャも運んでくる。たとえば、空っぽのニューヨークの通りや、あるいはコロラドのヒッピー的な風景、例えばキノコの上のてんとう虫のようなものだ。
絵画は通常、孤立したオブジェクトとして扱われ、ギャラリーの中立的な空間にきちんと収められる。しかし、ピーターの絵画はじっとしていない。彼の作品は、落ち着きのない脚を動かす人や、5分だけ空いた父親が何かを作らずにはいられないような、そんなせわしなさを持っている。彼の作品は注意力の渦を巻き起こし、単なるイメージだけでなく、それを生み出す行為そのものをも捉えていく。これらの絵画は、彼の制作プロセスの真の手引書のように感じられる。数多くの月、火の輪、星々を伴い、彼自身の個人的な宇宙観そのもののようでもある。ピーターは普段は写真家だが、これらの作品の中では、彼自身の最も正直なイメージを生み出したのかもしれない。
── 美術ライター サム・コーマン
ピーター・サザーランド 展覧会「Sweater Weather」情報
開催日時
2025年1月28日(火)〜 2月18日(火) 12:00〜19:00
※1月28日(火)は12:00よりオープン
休廊日:月曜・日曜・祭日
入場料
無料
会場
GALLERY TARGET
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GALLERY TARGET
- 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-9-25 スクエア25 1F
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行き方・アクセス
<電車>
東京メトロ副都心線・千代田線「明治神宮前駅」4番出口から徒歩で5分
東京メトロ半蔵門線・銀座線・千代田線「表参道駅」A1出口から徒歩で6分