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【街の被写体、それぞれの視点:8】細谷謙介 <一瞬の光を求めて>

光、人、風、感情。その日、その瞬間にだけ作り出される、偶然性を多分に秘めた路上の光景を、自分なりのテーマで切り取るフォトグラファーたちがいます。どこか遠くに出かけなくても、撮りたくなるシーンはすぐそこにある。
そんな気づきをくれる、多彩なストリートフォトグラフィーをご覧ください。街が紡ぐ物語の一部です。
8人目は、優しい視線で、光のある風景を切り取るフォトグラファー、細谷謙介さんです。

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細谷謙介

フォトグラファー 群馬県出身。中学生頃から写真を撮り始める。東京を拠点に活動中。洗練されていながらもどこかノスタルジックな写真は多くの人から支持されている。現在写真集を制作中。
愛用カメラ:Canon EOS 5、Nikon F3、PENTAX67Ⅱ
愛用レンズ:Canon EF50mm F1.4 USM、SMC PENTAX67 90mmF2.8

一瞬の光を求めて

偶然が織りなす刹那的な瞬間に惹かれて

「近所の公園を散歩していたらチューリップがそよ風に揺れながらキラキラしていてきれいだったので」。

「冬の朝の光が道に影を落としていました。小鳥が鳴いている道で撮影」。

「浅草橋のあたりだったと思います。歩き疲れて家に帰りたくなった気分と、夕陽がいい感じに混ざったムードに惹かれてシャッターを切りました」。

細谷さんにとって街にあふれる光の魅力とは?
「今回の写真は、時間の流れがまるでスローモーションのように感じる美しい光と対峙した時のもの。偶然その場所に光が差していた、”一瞬だけ”という再現されない感じがいいなと思っています。人為的にそうなっているのとは違って、その季節、その時間に太陽の光が差し込んできて、街のビルや窓ガラスなどにたまたま光が降り注いで美しく輝いている偶然の現象。それを自分が見ていただけのこと。そういう刹那的な瞬間に惹かれてるような気がします」。

「隅田川でたくさんの鳥たちが夕陽の中を心地良さそうに飛び回っていたシーン」。

「予感」のようなものを感じる光景に出会ったときシャッターを切る

冬の井の頭恩賜公園。
「寒い空気と暖かい日差しがあいまって、とても美しい光景でした」。

「古い思い出のある懐かしい街に久しぶりに行って歩いていて、なんとなくいいなと思った小道の一枚。どこか知らない道を歩いてみたり、何か物をじっくり眺めて観察してみたり、人の話をじっくり聞いてみたり。刺激を求めるというのとは違うかもしれませんが、”今まで気づかなかったこと、変化などを発見したい”という気持ちがあります」。

ストリートフォトグラフィーという視点で写真を撮っている意識はないと語る細谷さん。
「なんとなく”予感”のようなものを感じる光景や物を前にした時、シャッターを切ることが多いです。どんな場所でも、自分が見るものから受け取る”言語化し難い感覚”を瞬間的に撮る、というシンプルな行為に魅力を感じます。偶然その光景に巡り合って撮ることができたという、写真を通した体験が自分にとって重要だと思っているからです。なので構図や色の事よりも、感覚的な引っかかりやムードが投影されたような写真が自分らしいかなと思っています。ただ、撮影した時の自分のイメージを超えた何かが写真に写っていると、それもまた嬉しくなります。自分の写真にルールは設けず、言葉にできない、自分の中にある感覚を信じてシャッターを切りたいと思っています」。

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GENIC vol.63 【街の被写体、それぞれの視点】
Edit:Megumi Toyosawa

GENIC vol.63

GENIC7月号のテーマは「Street Photography」。
ただの一瞬だって同じシーンはやってこない。切り取るのは瞬間の物語。人々の息吹を感じる雑踏、昨日の余韻が薫る路地、光と影が落としたアート、行き交う人が生み出すドラマ…。想像力を掻き立てるストリートフォトグラフィーと、撮り手の想いをお届けします。

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