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香港灯り物語 上田晃司(シカゴ)|連載「写真家が選んだ、最高の旅先」第14回

どんな思考回路で「最高の旅先」を選ぶのか。人それぞれだからこそおもしろい。15名が選んだBest Destinationには、熱き想いとたくさんのストーリーが詰まっています。誰かの旅をなぞりながら、「いつか自分の目で」とウィッシュリストに書き加える。そんな楽しみ方をしてみてください。全15回の連載、第14回は写真だけでなく動画にも精通する、フォトグラファーで映像作家の上田晃司さんが旅した香港です。

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目次
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プロフィール

上田晃司

フォトグラファー/映像作家 広島県出身、千葉県在住。米国留学で写真と映像を学び、CMやドキュメンタリーを撮影。写真家 塙真一のアシスタントを経て独立。ドラマティックなストリートフォトグラフィーを得意としながら、講演や執筆活動に加え、YouTubeで写真、旅、カメラについて情報発信をしている。ライフワークであるRoute66の写真集Vol.1~4が発売中。ニッコールクラブ アドバイザー、ニコンカレッジ講師。
愛用カメラ:Nikon ZR、Z8、Z6III、Z50II、F2、F3、Nikon SP復刻モデル、ニコノスV
愛用レンズ:NIKKOR Z 20mm f/1.8 S、50mm f/1.2 S、85mm f/1.2 S

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香港灯り物語 Hong Kong Light Stories

「九龍と香港島の絶景を望めるライオンロックから撮影。有名な観光地であるヴィクトリアピークとは異なり、ここから100万ドルの夜景を撮影するには1時間ほどのハイキングが必要だが、比較的低いビルが立ち並ぶ九龍側からの撮影が可能」。

170回訪れるうち、
街は進化をとげていった。
少し寂しい気持ちを抱えながら、
ただ、これからも静かに、
変化していく姿を見つめ、
撮り続けたい。

「2018年に撮影した夜10時頃の旺角(モンコック)の市場。閉まり静まりかえった中、家路を急ぐ人々の後ろ姿が素敵だった。香港の市場は人々の活気も魅力的だが、市場が閉まってからの静かな雰囲気の方が好みだ」。

「旺角のネオン街を撮影。ネオン看板は減少傾向にあるものの、このエリアにはまだその面影が残っている。徐々に減りつつあるので、香港を訪れた際は積極的にネオン看板を撮影したいと思う」。

カメラとレンズを使えば、
ありふれた日常も
映画のワンシーンのように
表現ができる。

「香港島の中環(セントラル)は、近代的な高層ビルが立ち並ぶ金融街で、サイバーパンクな写真を撮るのに最適な場所。中環と金鐘には、他にもフォトジェニックなスポットが数多く点在している。行き交うバスやトラムをぶらして撮影することで、香港ならではのBusyな雰囲気を表現できる」。

「香港島の中国銀行タワーを歩道橋から撮影。2014年ごろ撮影した写真だが、当時は中国本土からのPM2.5の影響で空が霞んでいた。夕日が差し込み、ドラマチックなワンシーンとなった。今となってはなかなか撮れない貴重な写真」。

「中環エリアとは違って、ローカルな雰囲気が漂う西環エリア。古き良き街並みや低層の住宅も多く残っている。通りを歩く親子の後ろ姿が素敵だったので撮影した一枚」。

「私の定宿があるジョーダンエリアの市場。2016年頃の撮影当時は、まだ良い感じにローカルな雰囲気が残っていたが、現在はきれいに整備され電気もLED化され、横看板はすべて撤去されてしまった。今となってはとても貴重な写真。この市場は今も営業しているので是非訪れてほしい」。

「2014年頃、今は無き、ジョーダンの屋台レストランの厨房を撮影した写真。トタンでできた店ですごく雰囲気があったが、コロナ禍で取り壊され、現在はシンガポールのホーカーみたいな店になってしまった。これもまた、2度と撮れない貴重なシーン」。

新旧の融合と、コンパクトで密度の高い街並みに魅了され毎月訪れるように

「香港へは、初めて旅した2012年から気づけば約170回ほど訪れています。行きすぎて、自分の住んでいる木更津よりも地元のように感じてきました。初めは興味本位で訪れたのですが、香港の新旧が融合した街並みと、街のコンパクトさに魅了され、毎月1回以上行くようになりました。東京から飛行機で4時間という距離に加え、フライトの便数も多いためアクセスしやすく、少しでも時間ができたらご飯を食べに行く感覚で日帰りすることもあります。香港の魅力は、小さな面積に都市機能をギュッと詰め込んだ、密度の高い街並みです。海と山に囲まれた狭いエリアに700万人もの人々が暮らしているため、高層ビルがひしめき合っています。夜にはサイバーパンクのようなネオンが輝き、まるで香港映画そのものです。初訪問の前にジャッキー・チェンの映画の世界を想像していましたが、実際にその通りでした。そして、飲茶や担々麺などの食文化も魅力のひとつです。しかし、時代と共に街は変わっていくため初めて旅した頃に比べてネオンはかなり減り、街中にあった看板もほとんど撤去されてしまいました。それでも、活気ある街、乱立する高層ビル群、街中を走る2階建てトラム、100万ドルの夜景など、香港は本当にフォトジェニックで魅力的です。ぜひ現地に足を運んで、ストリートフォトグラフィーと都市風景の撮影を楽しんでほしいです。帰国してもすぐに戻りたくなる不思議な感覚をもたらしてくれる、素晴らしい街だと思います」。

GENIC vol.77【Best Destination 写真家が選んだ、最高の旅先】
Edit:Izumi Hashimoto

GENIC vol.77

2026年1月号のテーマは「写真家が選んだ、最高の旅先」

どんな旅をしたらいい?
その答えは、As you like. お好きなように、自分らしく。ルートを持たない余白たっぷりの旅でも。行先を詰め込んだ時間割びっしりな旅でも。
だって、旅は表現だから。
さて、旅人でもある写真家たちが選んだ「最高の旅先」はどこでしょうか?何かがあなたの心を撫でたなら、そこは次の目的地かもしれません。
永久保存版、GENICらしい、新しい旅のガイドブックの登場です。

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