menu

「Q.39 子どもにカメラを向けるとき、気をつけたいことは?」大畑陽子|Portrait Q&A 39/45

写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のPortrait Q&A特集。人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「ポートレートの答え」はここにあります。
今回の回答者は、ストレートに被写体と向き合う、フォトグラファーの大畑陽子さんです。

  • 作成日:
目次

プロフィール

大畑陽子

フォトグラファー 1983年生まれ、埼玉県出身。スタジオアシスタント、フリーアシスタントを経て独立。人物写真を中心に雑誌や広告、web等で活動中。被写体のエネルギーが写るような写真を得意とする。2022年、写真集『Nana』出版。2025年1月、埼玉県吉見町にスタジオ「日々、写真製作所」オープン。
愛用カメラ:Canon EOS R5
愛用レンズ:SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM、SIGMA 35mm F1.4 DG DN SE

Q1. 子どもにカメラを向けるとき、気をつけたいことは?

A1. 頑張らない!粘らない!

光の使い方や構図、コミュニケーションの取り方などの工夫で、一度の撮影でも多くのバリエーションが撮れるように

「足でふみふみされているのにこんな安心感のある良い表情をしているところに、私と息子の関係性がよく写っていて、見返すたびにたまらない気持ちになる1枚です」。

「座っている子どもたちがきれいでした。二人の表情もなぜかキマっていて。娘はなぜかお兄ちゃんの小学校のジャージを着ているので、私にとって違和感のある写真となっていて、気に入っています。また、感情に温度感のない子どもの写真は親にしか撮れないものだと思っていて、この写真からは親と子の関係性も伝わります」。

「子どもの写真って、いつどんなときに、どう撮っても良いものになります。なぜなら子どもって、すべてが美しくて、それは写真にも自然に写るものだから。撮る側は、気張らずにシャッターを切っていいんです。その上で気をつけたいことは、子どもを構えさせないことです。子どもに素の美しいままでいてもらうことが大切だと考えていて、それはプライベートの撮影であれば尚更です。頑張ったり粘ったり、つまり良い写真を撮ろうとしないことで、かえって思いもよらない良い表情が撮れるものです。仕事で子どもを撮るときは、笑顔になってほしければ撮影者が笑顔でいること。これは大人でも子どもでも一緒ですが、こっちがガハハと笑うと相手も自然に笑顔になってくれます。私の撮影のモットーは、『あれもこれも見せようとせず、見せたいものを一つ決めてそれを撮る』ことです。これを撮りたい!という一つ、それだけを信じて撮ることが、子どもの撮影でも大切だと思っています」。

Q2. 子どもを撮るためのテクニカルポイントは?

A2. ファインダーを覗くこと!

「いつもの何気ない風景が写っています。二人のどうでもいい感じが心地よくて好きです。パジャマだし(笑)」。

「ファインダーを覗くと構図が決まりやすくなり、シャッターを切る回数も抑えることができます。相手を飽きさせず、瞬間を撮れる。そして何より、写真を“なんとなく”で撮らなくなります。写真がうまくなる方法でもあります」。

information:スタジオ「日々、写真製作所」オープン

2025年2月、埼玉県吉見町に、農協の米倉庫だった築60年の物件をリノベーションしたスタジオ「日々、写真製作所」をオープン。「腰を据えてポートレートを撮っていきたい」という思いのもと、写真館として一般の方にも開かれた場所となる。

日々、写真製作所

GENIC vol.73【Portrait Q&A】Q. 子どもにカメラを向けるとき、気をつけたいことは?
Edit:Chikako Kawamoto

GENIC vol.73

2025年1月号の特集は「Portrait Q&A」。ポートレートの答えはここにある

人にカメラを向けるからこそ、迷いはなくしたい。自分の写真をちゃんと好きでいたい。そのためにどうするか?「答え」はここにあります。写真家や俳優、モデルなど41名が答えた、全45問のQ&A特集です。

GENICオンラインショップ

おすすめ記事

【撮影と表現のQ&A】大畑陽子、花盛友里/Q.話してみたい写真家は誰ですか?

【写真家が撮る 愛しの我が子:3】大畑陽子

次の記事